漫画

(あらすじ・感想)『ウィッチウォッチ』第9巻をヨム!モモチ登場で家庭崩壊!? 魔法×笑い×母性の破壊力

『ウィッチウォッチ』は、『SKET DANCE』や『彼方のアストラ』で知られる篠原健太さんが週刊少年ジャンプで連載中のマジカルコメディ漫画です。鬼の末裔の少年と魔女の少女が織りなすドタバタ日常に、ファンタジー要素とギャグを盛り込んだ独特の作風が魅力となっています。本記事では最新第9巻を取り上げ、その見どころや考察をたっぷりお届けします。

第9巻では、新キャラクターの倉持桃(モモチ)が満を持して登場。19歳の豊満な白魔女モモチがニコの身の回りをサポートするため街に引っ越してきたことで、守護役のモリヒト不在中の乙木家はたちまち“ダメ家族”状態に…!モモチの強すぎる母性による徹底的な甘やかしで3日間ですっかり骨抜きにされてしまうニコたちの様子は、まさに「家庭崩壊!?」と呼ぶにふさわしいインパクトでした。魔法×笑い×母性という異色の組み合わせが生み出す破壊力に、読後は笑いが止まらないはずです。

この記事では、第9巻の注目ポイントや物語の概要、印象的なシーンの感想、さらに物語のテーマやキャラ心理の深掘り考察まで網羅します。ネタバレは極力避けつつ、本作の魅力を余すところなく紹介しますので、未読の方も安心してお楽しみください。それでは魔女と使い魔たちのマジカルな日常へ、いざレビュー開始です!

著者紹介:篠原健太の世界

篠原健太(しのはら けんた)さんは1974年生まれ、千葉県出身の漫画家です。その代表作『SKET DANCE』は2007年から2013年まで週刊少年ジャンプで連載され、第55回小学館漫画賞少年向け部門を受賞するヒット作となりました。学園コメディの『SKET DANCE』では個性豊かなキャラクター達が織りなす痛快ギャグと時折挟まれるハートフルなエピソードで人気を博し、テレビアニメ化もされています。また、2016年にはSF冒険譚『彼方のアストラ』を発表し、第12回マンガ大賞を受賞。限られた巻数で見事な伏線回収と感動的な物語を描き上げ、そのストーリーテリングの巧みさが高く評価されました。

そんな篠原先生の最新作が『ウィッチウォッチ』です。2021年より連載を開始した本作は、「魔女×使い魔×高校生」をテーマに、バトル・ギャグ・ラブコメ・日常・ファンタジー・ホラーと少年漫画のジャンル要素を全部盛り込んだような意欲作となっています。「一次創作内で自分で全部やっちゃおう!」という篠原先生の気概が感じられる作品であり、まさに「少年漫画のジャンルを全部一作品内でやっちゃおう!」というコンセプトだと評されています。実際、本作ではシリアスな戦いから腹筋崩壊のコメディ、胸キュンなラブコメやほのぼのとした日常回まで、毎巻ごとに振り幅の広いエピソードが展開されており、読者を飽きさせません。

篠原先生の得意な作風は巧みなギャグセンス多彩な演出力です。『ウィッチウォッチ』においてもその実力は遺憾なく発揮されています。1話約20ページ前後の物語はどれも綺麗にオチまでまとまっており、ダレ場がなく満足感がすごいと評されています。特にギャグ回では、「お腹が痛くなるほど笑う回」から「あるあるネタが微笑ましい回」、「笑えるけれどキャラクターが不憫で切なくなる回」まで、様々な形の“おもしろい”が詰まっているとのこと。さらに注目すべきは絵の上手さと表現の幅で、ドット絵ゲーム風や一昔前の少女漫画風など「まるで別の漫画家が描いたような振り切った画風のギャグイラスト」から、リアルに破壊力のある一枚絵まで、とにかく描き分けが巧みです。篠原先生はSKET DANCE時代からパロディイラストやネタ絵にも定評がありましたが、本作ではそれがさらにパワーアップしています。

こうした篠原健太さんの作家性は、『ウィッチウォッチ』第9巻にも存分に活かされています。作者自身が「全部載せ」を掲げるだけあって、コメディとファンタジーの融合という難しい題材を自由自在に操り、読者を笑わせつつ物語世界に引き込む手腕は見事です。本作が「やや巧すぎるんじゃないか」という声も上がるほど、その完成度の高さが話題になるのも頷けます(※実際、ネット上では「篠原健太(ウィッチウォッチ)は本物なんだが、やや『巧すぎる』んじゃないか」という考察記事も注目を集めました)。しかしその“巧さ”が鼻につくどころか、読みやすさと親しみやすさに繋がっている点が篠原作品の凄みでしょう。大学生以上の大人でもクスッと笑えて感心してしまう、細部まで作り込まれたギャグとストーリー運びにぜひご注目ください。

登場人物紹介(第9巻の主なキャラクター)

第9巻までに登場している主要キャラクターたちを簡単に紹介します。それぞれユニークな種族や能力を持ち、個性的な性格で物語を盛り上げています。

  • 乙木 守仁(おとぎ もりひと) – 通称モリヒト。本作のもう一人の主人公で、高校1年生の男子。【鬼の力を持つ少年】であり、先祖に鬼(牛と虎が人化した存在)を持つ鬼の末裔です。生真面目で責任感が強く、幼馴染のニコから1年以内に降りかかると予言された“災い”から守るために、彼女の使い魔として同居・護衛することになります。口数が少なくクールな性格ですが面倒見が良く、料理・家事から勉強まで何でもこなす苦労人のお母さんタイプです。実はお笑い好きという一面もあり、笑う時だけ表情が緩むのがチャームポイント。第9巻ではモリヒトが修行の旅に出るため一時不在となり、彼の留守中に起こる騒動が物語の鍵となります。
  • 若月 ニコ(わかつき ニコ) – 本作の主人公。魔女の血を引く明朗快活な少女で、モリヒトの幼馴染です。小学4年生の頃に魔女の聖地で6年間の修行を積み、高校入学前の春に故郷へ帰還しました。立派な魔女になって人の役に立つことを目指していますが、天然ドジっ子な性格ゆえに魔法でトラブルを起こしてはモリヒトを振り回しがちです。語尾に「〜のよ」と付ける口癖があり、モリヒトのことは幼い頃舌足らずで「モイヒト」と呼んでいた名残で「モイちゃん」と呼んでいます。実は強大な魔力を秘めた千年に一人の特別な白魔女であり(その設定が物語の核心に絡みますが、第9巻時点では日常の中で徐々に明らかになってきた段階です)。基本的に明るくポジティブですが、守ってくれるモリヒトには淡い恋心も抱いており、魔女と使い魔の古い盟約に従って彼を自らの使い魔に指名した経緯があります。ドジでトラブルメーカーな反面、仲間や友達のために一生懸命頑張る健気さが愛されキャラです。
  • 風祭 監志(かざまつり カンシ) – 通称カンシ。カラスの使い魔で天狗の力を持つ少年です。一人称は「ワシ」で関西弁で喋るムードメーカー。情に厚く人懐っこい性格で、誰とでもすぐ打ち解ける愛されキャラです。ニコが修行時代に出会った仲間の一人で、ニコからは「カンちゃん」と呼ばれています。金銭感覚がルーズで借金に苦しんでいた際、ニコの母・伊吹に肩代わりしてもらった恩から、モリヒトと同じくニコの使い魔となりました。以降、乙木家に居候しながら多数のアルバイトで生計を立てています。鬼一族であるモリヒトとは種族的な相性の悪さから最初こそ反目しましたが、共に暮らす中で次第に信頼関係を築いていきました。錫杖を振って風を操る天狗の能力や、一定時間姿を隠せる「天狗の隠れ蓑」などの道具を使いこなし、さらには町中のカラスと会話して情報収集するスキルも持つ頼もしい存在です。第9巻では引き続きボケとツッコミに大活躍。モモチの母性攻撃に一番メロメロになってしまったのもカンシで、そのデレデレっぷりに笑いを誘われます。
  • 真神 圭護(まがみ ケイゴ) – 通称ケイゴ。ニコやモリヒトと同じ高校1年3組のクラスメイトで、自称サブカル男子です。マイナーな作品や凝った設定を好むオタク気質で、自他共に認める「サブカルクソ野郎」を自称するユニークなキャラ。【元フィギュアスケート選手】という経歴を持ちますが、幼少時の事故で母親が負傷したことを機に競技を引退した過去があります。実はその正体は狼男(オオカミ男)の使い魔で、先祖返りによって潜在していた狼の能力が発現した特殊な存在です。当初、黒魔女の策略に嵌ってニコを捕らえる計画に協力していましたが、仲間たちとの絆を経て改心し、事件後は恩返しも兼ねて乙木家に入居してニコの護衛メンバーに加わりました。表人格のケイゴは皮肉屋で斜に構えた言動が多いものの憎めない奴で、映画やマニアックな話題でモリヒトと徹夜で語り合う一面も。【満月では変身しないが三日月形を見ると荒々しい狼人格“ウルフ”が出てくる】というユニークな設定を持ち、時にトラブルも起こしますがピンチではその力が頼りになることも。第9巻ではすっかり打ち解けた仲間としてギャグパートに積極参加。モリヒトに影響されやすいケイゴがデニム(ジーンズ)の奥深い世界に目覚めてしまうエピソードでは、持ち前のオタク知識と暴走気味のノリで笑いをさらいました。
  • 霧生 見晴(きりゅう ミハル) – 通称ミハル。第8巻から登場したキャラクターで、モリヒトたちの新たな仲間です。実はドラゴンの使い魔で、普段は本物の竜の姿をしていますが高度な存在のため一定時間だけ人間の女性の姿に変身できます。人間体は緑髪の若い美女ですが、中身は酒とギャンブルを愛する中年オヤジのような性格というギャップ満載のキャラです。モモチの提案で召喚され、ある出来事で幼児化してしまったニコのお世話係となりました(この“ニコ幼児化”事件は第9巻以降の展開なので詳細は伏せます)。最初はいい加減な性格ゆえにモリヒトから不安視されましたが、子供になったニコと同じ目線で遊び相手になれることから良き保育士的存在となります。酒を燃料にして吐く「ドラゴンブレス(竜の息吹)」という特技を持ち、炎から冷気まで温度調節自在という便利能力も備えています。ミハル自身の奔放さがトラブルを呼ぶこともしばしばですが、その豪快さと憎めないキャラで場を和ませるムードメーカー的存在として乙木家に馴染んでいます。第9巻時点では登場エピソードは限られていますが、彼女(?)の今後の活躍にも注目です。
  • 倉持 桃(くらもち もも) – 通称モモチ。第9巻で新登場した19歳の白魔女です。背が高く豊満なナイスバディの持ち主で、見た目はまるで「美人な若奥さん」のよう。3年前に魔法に目覚め、高校卒業後に魔女の聖地・悠仙郷へ赴いてニコの母・伊吹に師事した経歴があります。魔女として生きる決意を固め、まずは「ニコと一緒に魔法を磨くため、この家(乙木家)をサポートする」目的でニコ達の住む街にやって来ました。モモチの魔女としての才能は「移動の魔女」と呼ばれる瞬間移動魔法で、自他を問わず一瞬で移動させることができます。ただしその魔力は体脂肪として蓄えられる特性があり、「移動させる質量」と「移動距離」に比例して自身の体重が減ってしまうというユニークな欠点付きです。移動後に何kg痩せたかは、いつも肩に乗せているオカメインコのチークが音声で教えてくれるというのもユニークな設定。このため彼女は常にお菓子や食事を摂って体重を維持しようとする大食漢でもあります。 性格はとにかく面倒見が良く、誰かに頼られることに幸せを感じる“お母さん気質”。初対面のニコやカンシ、ケイゴにも明るく優しく接し、瞬く間に「桃さん」「モモチ姐さん」と慕われるようになりました。第9巻ではモリヒトの留守中、嬉々として乙木家の炊事洗濯から身の回りまで甲斐甲斐しく世話を焼きますが、その母性が暴走気味でニコたちを骨抜きのダメ人間にしてしまう様子がコミカルに描かれました。モモチ自身は「みんなを甘やかせて嬉しい♪」と善意100%なのがまたタチが悪い(?)ところです。豊満な体で優しく抱きしめてくれたり美味しいご飯を作ってくれたりと、ニコたちにとっては夢のような同居人ですが、このままではモリヒトが戻る頃には全員廃人...!?というほどの“母性の破壊力”を発揮しました。 もっとも、モモチの加入で乙木家にようやく女性らしい包容力が生まれたのも事実です。これまで家事全般や生活管理を一手に担っていたモリヒトは苦労が多そうでしたが、モモチが乙木家のお母さん的ポジションに収まってくれれば彼の負担も減るかもしれません。もっとも甘やかしすぎる彼女に対し、今度はモリヒトが“厳しいお父さん役”を続けなければならない可能性もあり、その辺りの役割バランスがどうなるかも興味深いところです。戦力面でも、瞬間移動という強力無比な魔法を持つ彼女の参加は心強く、第9巻終盤でもその力で大活躍を見せました。移動魔法のデメリットである激ヤセ現象も、女性にとっては「食べても太らない魔法」と考えれば逆に嬉しいかも…?というポジティブ思考も本人は持っており、何事にも前向きなキャラクターです。新加入のモモチが今後物語をどうかき回してくれるのか、期待せずにはいられません。

以上が第9巻時点での主要キャラたちです。それぞれの種族設定(鬼・魔女・天狗・狼男・ドラゴンなど)がキャラの個性やギャグに巧みに活かされており、ファンタジー好きも満足の賑やかさです。第9巻では特にモモチという強烈キャラが加わったことで、レギュラーメンバーの掛け合いや日常風景にも新たな化学反応が生まれています。次項では、そんな第9巻のあらすじをネタバレなしで振り返ってみましょう。

あらすじ

第9巻では、物語の大きな山場というより日常コメディエピソードを詰め込んだ構成になっています。守仁(モリヒト)が修行旅行に出かけ、新顔の白魔女モモチが乙木家に居候するところから物語はスタート。留守を預かるはずのモモチでしたが、その母性あふれる過剰なお世話っぷりが想定外の方向に炸裂し、管理人不在の乙木家はダメ街道まっしぐらに…!?ニコやカンシ、ケイゴたちは天国のような居心地に堕落しまくり、果たしてモリヒト帰宅までに更生できるのか?というコミカルな幕開けです。

その後も第9巻にはバラエティ豊かな短編エピソードが目白押しです。例えば、クラスメイトの恋愛相談では、パン屋の娘・小麦から「好きな男の子の本心を知りたい」と頼まれたニコが、とある魔法で彼の心を探ろうと奮闘します。ニコが繰り出した魔法「セイアンサー」は人形に対象者の髪の毛を入れて魔法をかけると対象者本人のように会話してくれるというものなのですが、今回人形に使った素材は…なんとパン生地!しかも副作用で喋れる言葉がパンの種類のみというトンデモ仕様だったため、彼の代わりに喋り出したパン人形が「フランスパン…」「メロンパンナ…」などとパン名でしか答えず大混乱。しかし不思議なことに、パンの名前だけ聞いても文脈によって本当に会話が成立しているように感じられてしまい…?というシュールすぎる笑いの連続でした。この「ハマザキ秋のパンまつり」回は第9巻屈指の爆笑エピソードで、パン人形の絶妙な受け答え(?)には読者もキャラ達もツッコミが追いつかないほど。篠原先生の発想力に脱帽するほかありません。

また別の話では、ケイゴがモリヒトから“デニム道”を伝授される回も収録されています。お洒落にも興味が薄かったケイゴが、ヴィンテージジーンズ収集が趣味のモリヒトの影響でジーンズ沼にハマっていく様子がコミカルに描かれました。ジーンズ生地の色落ち具合や歴史についてモリヒトが熱弁し、ケイゴが「深ェ…!」と感銘を受けるシーンは笑いつつも妙にためになる内容です。「デニム道」とはよく言ったもので、細部までリアルにジーンズ文化を語りつつ最後はしっかりオチを付ける手腕に感心します。

さらに生徒会&同人誌エピソードとして、ニコ達の学校の担任教師・真桑とオタク女子のクック(嬉野久々実)が協力して人気漫画『うろんミラージュ』の同人誌即売会(いわゆるコミケ)に挑む物語も展開。作中作である『うろんミラージュ』にガチハマりしている真桑先生が、自分もファンアート本を作ろうと生徒と奮闘するという異色の青春ストーリーです。第9巻のラストはこの「オシエシニッシ」(先生+生徒の合同サークル)がいよいよ即売会本番に向けて本格始動!という場面で締めくくられ、次巻への引きとなっています。本筋とは直接関係なさそうなこのエピソードですが、趣味に全力な先生と生徒の掛け合いが微笑ましく、本作らしい緩さでほっこりさせてくれます。

このように第9巻は、モモチの登場によるホームコメディから学園ラブコメ風の魔法騒動、さらにはマニアックな趣味ネタ回オタク文化ネタ回まで、多彩なエピソードがオムニバス形式で収録されています。どの話も物語の核心に迫るような重大なネタバレはなく、それぞれ1話完結のコメディとして楽しめる内容になっています。そのため未読の読者でも比較的スッと物語に入っていける巻と言えるでしょう。ただし背景では、ニコを狙う黒魔女たちの存在や予言された“災いの日”といった大きなストーリーラインが着実に進行しており、第9巻は一見ゆるく見えて次への布石も散りばめられています。

全体として、第9巻は「楽しい日常コメディ巻」と位置付けられます。黒魔女とのバトルはお休みして、終始笑いと癒やしに満ちたエピソードで構成されている印象です。しかしその分、キャラクター同士の絆や個性が深掘りされ、新キャラ・モモチが加わった新生ウィッチウォッチ隊のチームワークが描かれています。魔法あり、笑いあり、オタクネタありの盛りだくさんな内容で、第9巻はシリーズの中でも異彩を放つ一冊と言えるでしょう。

感想:笑ってほっこり!第9巻の魅力

第9巻を読み終えて真っ先に感じるのは、「篠原先生、本当に毎回よくこんなネタ思いつくな…!」という驚嘆です。【毎話毎話、新たなコメディエピソードで「よくネタが続くな」と思わせる】という声が上がるほどで、そのアイデアの枯渇知らずぶりには感服します。しかも単にネタが豊富なだけでなく、各話に決め台詞や小ネタが仕込まれており、笑いのキレが抜群です。例えば前述したパン人形が恋の質問にパンの名前で答える話では、一見シュール極まりない状況なのに、不思議とちゃんと会話として成立して聞こえるから面白い。思わず声に出してパンの名前を読んでみると、本当に質問の答えに聞こえてくるんですよね(笑)。こんな発想を漫画で表現できる篠原健太先生は凄すぎます。読みながら「なるほどそう来たか!」と膝を打って笑ってしまう瞬間が何度もありました。

また、モモチのキャラクター描写も非常に魅力的でした。初登場シーンから“デキる年上お姉さん”オーラ全開で、ニコたちに次々繰り出すスキンシップ&ご奉仕っぷりにはこちらも思わずニヤニヤ。「お腹すいてない? 大丈夫? はいアーンして♪」などと甲斐甲斐しくお世話する姿は、まさに理想のお母さん像そのもの。しかし度が過ぎてニコたちが堕落しきってしまう展開には大笑いです。普段しっかり者のモリヒトがいかに皆を律していたかが逆に浮き彫りになるのも面白いポイントでした。結局モリヒト帰宅後は鬼の形相でビシッと鍛え直される羽目になるのですが、それまでの天国と地獄の落差もまた笑いを誘います。モモチ自身は終始ニコニコ朗らかで悪気ゼロなので憎めず、新たなムードメーカー兼“保護者ポジ”として仲間に加わったことが素直に嬉しくなるキャラでした。

各キャラクターの活躍バランスも良かったです。モモチに注目が集まりがちな巻ですが、ニコ・カンシ・ケイゴらお馴染みメンバーもそれぞれ見せ場があります。ケイゴはモリヒトから伝授された「ジーンズ愛」に火がついて暴走するわ、カンシは持ち前のツッコミと陽気さで場をかき回すわ、ニコは相変わらずドジっ娘ぶりを発揮しつつも恋する女の子を応援し、とキャラの魅力総動員といった趣きです。個人的にツボだったのは、男子チームが女子会(ニコ・カラ・クックの女子トーク)をこっそり覗き見しようと奮闘するミニエピソード。隠密に徹するモリヒト&ケイゴに対し、カンシだけ姿を隠しきれずオロオロしているのが可笑しくて、「女子会の監視の仕方」に思わず笑ってしまいました。こうした細かな日常芝居でもキャラの個性が際立っており、読者にとっても「いるいる、こういう奴!」と共感しながら楽しめるのが本作の強みですね。

ギャグと演出面では、第9巻でも篠原先生ならではの遊び心が炸裂しています。特筆すべきは、作中で時折挿入される他作品風のパロディ絵柄でしょう。今回はなんと、ニコ達が藤子不二雄Ⓐ先生の『笑ゥせぇるすまん』風のタッチで描かれるコマが登場しました。ニコが魔法でちょっとした芸をするシーンでの一コマですが、黒いスーツに怪しい笑みを浮かべたニコ達はまさしく喪黒福造(笑ゥせぇるすまん)そのもの!ファンなら思わず二度見してしまうクオリティで、大いに笑わせてもらいました。このほかにも、以前には某どうぶつの森風ドット絵になったり、マインクラフト風ブロック絵になったり、果ては英語の教科書イラスト調になったりと、あらゆる異業種コラボ的画風を取り入れてギャグに昇華してきた実績があります。そのどれもが「それっぽい!」と唸る再現度と面白さで、本当に素晴らしい手腕です。篠原先生自身、以前インタビューで「漫画的な表現遊びをもっとやりたい」と語っていましたが、第9巻でも期待を裏切らないサービス精神でした。こうしたパロディ演出はSNSでも話題になりやすく、実際Twitter上でも「笑ゥせぇるすまんニコたち可愛すぎ」「今回の画風パロディも最高!」といった声が多数上がっていました。

全体を通して第9巻は「笑い満載の神回揃い」という印象です。シリアスな黒魔女編は一休みですが、その分読者を思い切り笑わせにくる構成で、お腹を抱えて笑ったりクスッと微笑ましくなったりの連続でした。正直、ここまで毎回安定して面白いと「本当に週刊連載の漫画か?」と思ってしまうほどで、ジャンプで一番毎週が楽しみな作品だという読者の声にも大きく頷けます。篠原先生の巧みなギャグセンスと練り込まれたネタ、そして愛すべきキャラクターたちがフル回転する第9巻は、シリーズファンならずとも大満足の一冊でした。

考察・解説:モモチ登場の意味と物語のテーマ

第9巻はコメディ色が強い巻ですが、その中にも物語のテーマやキャラクターの心理描写が垣間見える部分があります。ここでは第9巻から読み取れるいくつかのポイントについて、深掘り考察してみましょう。

① “母性”による擬似家族の完成

まず注目したいのが、倉持桃(モモチ)の登場がもたらした擬似家族像です。これまで乙木家は、モリヒトが保護者兼リーダー、ニコがヒロイン、カンシやケイゴが同居人仲間という構成でした。いわば父親不在・母親不在の不思議な同居生活だったわけです。ニコの実母・伊吹は遠方におり、ニコの父親は魔法事故をきっかけに家を出てしまった過去があるため、ニコにとって両親の愛情は一時欠けた状態でした(ニコが幼少期に暴走魔法で家を半壊させた際、「魔女と人間が家族になるのは難しい」と父が離れてしまったというエピソードが語られています)。そんな中で幼馴染のモリヒトが「守る人」として側にいてくれたわけですが、モリヒト自身も少年でありながら父親役と母親役を兼任するような苦労をしていたことが第9巻で浮き彫りになりました。

そこに現れたモモチは、年齢もニコ達より上で包容力があり、「お母さん」のように家族を甘やかしてくれる存在です。モモチの加入で乙木家に“母性”というピースが埋まったことで、一時的ではありますが家族の完成形が描かれたと見ることができます。実際、モモチがいる3日間の乙木家は、母(モモチ)・父(モリヒト不在だが…)・子供たち(ニコ達)という構図に近づき、皆が安心しきって甘えていました。ここで興味深いのは、その母性の過剰供給がかえって家族を堕落させたという点です。これは「親の愛情過多は子を駄目にする」という寓話的なメッセージにも読めますし、一方で「それでも子供たちは母親を求めていた」とも取れます。ニコ達がモモチにデレデレに懐く姿は、彼らにとってどれだけ“母性的な存在”が欠けていたかの裏返しにも感じられました。

篠原先生はコミカルな形で家族の在り方をこのエピソードに織り込んでいるのではないでしょうか。魔女や鬼といった異種族が同居する乙木家は、一種の“疑似家族”を象徴していると言えます。第9巻でモモチがもたらした母性は、その疑似家族に一瞬本物の温かみを吹き込んだものの、同時にモリヒト達本来の自立心や使命感を骨抜きにしてしまいました。家族に必要なのは愛情だけでなく適度な規律でもある——そう考えると、モモチとモリヒトの対比は“甘い母”と“厳しい父”の構図そのものです。結局、モリヒトが戻ってきて家族(チーム)は再び締まりを取り戻すわけですが、モモチは今後も優しさ担当として皆を支え、モリヒトが厳しさ担当として引き締める役割分担が続くのかもしれません。このように家庭内役割のバランスというテーマが第9巻ではコメディを通して描かれており、笑いながらも深読みすると興味深い点です。

② 魔法・種族設定のメタファー

『ウィッチウォッチ』では、登場人物たちの魔法や種族の設定が社会問題や心理のメタファーとして機能している節があります。第9巻単体というよりシリーズ全体の話になりますが、いくつか例を挙げてみます。

例えば、ケイゴ(真神圭護)の「狼男」という正体は、現実世界で言えば隠れた素質や出自のメタファーでしょう。ケイゴは当初、自分が狼の使い魔であることを隠し、普通の人間の友人としてモリヒト達に接していました。しかし内心では「自分は普通の人間ではない」という孤独を抱えていたわけです。これは現実でも、自分の中のアイデンティティ(国籍、血筋、性的指向など何でも)を隠して生活する人の心情に重なります。ケイゴが仲間たちに正体を明かし受け入れられた過程は、自己開示と受容というテーマを内包しており、ファンタジー設定を通じて多様性の受け入れを描いているとも言えます。実際、ケイゴの狼人格“ウルフ”が出てきた時の暴走や騒動も、周囲の理解と協力で乗り越えています。第9巻ではそうした深刻な局面はありませんが、ケイゴが自分の趣味や本音(例えばマイナー映画好きであることなど)を臆せず仲間に語り共感し合うシーンがあり、「本当の自分」を受け入れてくれる仲間の存在が彼に安らぎを与えていることが窺えます。

また、ニコの魔法トラブルメーカーぶりは、思春期の未熟さや成長痛のメタファーとして読めます。ニコは良かれと思って使った魔法で度々騒動を起こし、周囲に迷惑をかけては落ち込むということを繰り返しています。しかしそれは裏を返せば、親や友人に支えられながら失敗から学んで成長していく青春そのものです。魔女としての力に千年に一度の才能を持つニコですが、だからといって一朝一夕に完璧にはなれない。第9巻でも恋愛相談を受けて張り切るものの、パン人形騒動になるあたりはまさに「やりすぎて空回り」するティーンの姿でした。しかしニコは落ち込んでも前向きに頑張る子です。こうした失敗と成長の物語は、魔法というフィクションを用いつつも読者の共感を呼ぶ普遍的なテーマでしょう。

モモチの瞬間移動魔法の設定も面白いメタファーです。「大きな仕事をやり遂げると身を削る」というのは、現実の努力や負担に置き換えられます。彼女は大量移動をすると劇的に体重が減り、下手をすれば消滅しかねないというリスクまで抱えています。これは例えば「他人を助けるには自分のエネルギー(時間や労力)を使う」「無理をし過ぎると自滅する」という現実の教訓とも取れます。モモチは普段から食べて体力を蓄えることでそのリスクに備えているわけですが、裏を返せば「誰かを助けるには自分自身を満たしておくことも大事」という示唆のようにも思えます。自己犠牲ばかりでは続かない、ちゃんと自分をケアしながら他人に尽くす——まさにモモチが体現する生き方ですね。また、「女性にとって体重が減るのはむしろ嬉しい?」なんて本人は冗談めかして言っていますが、このあたりのポジティブさも含めて受け取り方次第でプラスにもマイナスにもなるという暗喩にも感じられます。

③ モモチ登場の物語上の意味

第9巻でモモチが加入した意義についても考えてみます。物語上、モモチ登場には大きく二つの役割があると考えられます。

一つは物語の潤滑油&テコ入れです。篠原先生は新キャラ投入が上手いことで知られます。前巻(第8巻)のラストにも新キャラが1人増え、今巻(第9巻)でもさらにモモチが加わり、実質2人の新キャラが連続でパーティインした形になりました。これらは決して場当たり的な追加ではなく、新キャラそれぞれに持ちネタ新たな組み合わせの化学反応を持たせて登場させているのがポイントです。モモチの場合は「母性」というテーマ性と「瞬間移動・激ヤセ」という能力ギャグ、そして「年上女性キャラ」という属性で作品に新風を吹き込みました。もともと男子キャラが多めだったチームに女性が増えたことでバランスも良くなり、年下男子のミハル君(霧生ミハル)が先に加入していたのと対照的に今度は年上女子という変化も付けています。まるで高橋留美子作品(『うる星やつら』『らんま1/2』など)でキャラが次々増えて掛け算の笑いが広がるような、読者を楽しませることに合理的なキャラの増やし方だという指摘もありました。モモチの持つ明るい母性キャラは、今後ギャグ回でもシリアス回でも活躍が期待大であり、作品の幅をさらに広げる存在になっています。

もう一つは今後の展開への布石です。第9巻はギャグ中心でしたが、物語全体としてはニコを狙う黒魔女勢力との戦いという軸があります。モモチの瞬間移動魔法は戦闘や救出で極めて有用な能力ですし、その明るい性格はチームの士気を上げる役割も担えるでしょう。実際、第9巻終盤でもモモチは黒魔女絡みのトラブルで瞬時に仲間を避難させる機転を見せており、「これは今後黒魔女との戦いで大活躍しそうだ」という予感を抱かせました。さらに言えば、モモチはニコの母・伊吹から直接教えを受けた人物です。彼女を通じてニコの母親や魔女の聖地に関する情報が語られる可能性もあります。物語序盤から薄々示唆されている「千年に一人の白魔女」であるニコの秘密や、黒幕の黒魔女たちの目的について、モモチが何か鍵を握っている展開もあり得るでしょう。第9巻時点では穏やかな日常を演出したモモチですが、その背景には「ニコと一緒に成長するために来た」という明確な目的意識があり、これはすなわちニコに迫る試練に共に立ち向かう仲間になることを意味します。そう考えると、モモチ登場は最終決戦へ向けた戦力アップであり、同時にニコの心の支えとなる人物の増加でもあるわけです。

こうした物語構造上の意義を内包しつつ、表向きはコミカルに登場人物を増やしていく手法は、篠原先生の前作『SKET DANCE』や伝説的ギャグ漫画『銀魂』にも通じます。実際、モモチ登場回を読んだある読者は「作者は銀魂の空知先生の元アシスタントらしいから、師匠譲りの芸風なのか?」と感想を述べています。確かに、「シリアスな本筋そっちのけで新キャラとギャグに興じる」ようにも見える展開は一見ふざけているようですが、実はそれが後の盛り上がりへの布石だった…というのは銀魂でもよくあった構成です。この第9巻も、終盤で担任教師と生徒が同人誌を作るという「本筋と全く関係なさそうな話」で締めくくられていますが、それがかえって次巻以降で一気にシリアスに転じる前振りなのでは?と勘繰ってしまいます。

④ 他作品・過去巻との比較と言及

篠原健太作品のファンにとって嬉しいのが、時折散りばめられる他作品ネタセルフオマージュです。第9巻では前述した『笑ゥせぇるすまん』風の作画ネタが代表ですが、他にも細かなパロディやオマージュがありました。例えば、ケイゴとカンシが文化祭で漫才コンビを組んだ回(過去の巻)では、篠原先生の前作『SKET DANCE』に登場したギャグネタへのセルフツッコミがあったり、モリヒト達がYouTubeチャンネル「カンニコチャンネル」を始める回では現実のYouTuber文化への風刺が効いていたりと、挙げればキリがありません。こうした「一次創作内で全部やっちゃおう」という姿勢は前述の通りで、ファンから見れば「今回は何パロディが飛び出すかな?」とワクワクさせられるポイントです。

また、第9巻は終始日常ギャグ回でしたが、それまでの巻では黒魔女との戦いやシリアス展開も随所に挟まれていました。例えば第7巻・第8巻あたりではケイゴの裏切りと和解、黒魔女の刺客とのバトル、ニコの秘められた力の一端が明かされるなど重要なストーリーが進行しています。それだけに、第9巻で一旦シリアスを忘れてギャグに振り切った構成はとてもジャンプ漫画的でもあります。人気漫画が途中でスピンオフ的な日常編を挟むのは珍しいことではありませんが、篠原先生はそれを本編内で堂々とやってのけているのが面白い点です。読者からも「ギャグコメディ回(巻)と割り切ったら、黒魔女ガン無視で一冊回しちゃう胆力も良い」との声がありました。確かに、本作は公式スピンオフを作らず本編で全部やるスタイルを取っており、それが『ウィッチウォッチ』の唯一無二の魅力になっています。前作『SKET DANCE』も基本は1話完結ギャグでしたが所々に大きな感動エピソードがありましたし、『彼方のアストラ』は短期集中でシリアスに寄せた作品でした。今作はその両極を自在に行き来する挑戦とも言え、ある意味篠原先生の集大成的実験とも言えるでしょう。

総じて、第9巻はシリーズ全体の中では嵐の前の静けさ(あるいは嵐の前のバカ騒ぎ?)的なポジションにあるように感じます。笑いの中にも、次に訪れるであろう転機への伏線や準備が整えられた巻でした。では実際に読者の皆さんは第9巻をどう受け止めたのでしょうか?次に、SNS等に見られる読者の反応をチェックしてみましょう。

読者の反応(SNS・レビューより)

第9巻について、ネット上では様々な感想が飛び交っています。好評の声もあれば、少し否定的な意見も見られました。ここでは代表的なポジティブな反応ネガティブな反応をそれぞれ5件ずつ紹介し、全体の傾向を総括します。

ポジティブな反応(好評) 🟢

  1. 「新キャラのモモチさん可愛すぎ! 見た目も中身も愛らしくて最高です。瞬間移動で激ヤセしちゃう設定も笑えるし、ニコ達とのやりとりにほっこり」
    – モモチの登場を素直に歓迎する声。キャラクターの魅力とユニークな魔法設定が読者に受け入れられています。
  2. 「平和な日常回オンリーの9巻、めちゃ笑った! モモチの甘やかしで全員ダメ人間になるのウケるし、モイちゃんのジーンズ道再びも面白かった。【女子会を監視】する話にも爆笑。個人的にシキ(式神)が有能すぎて活躍してくれたのも嬉しい」
    – 第9巻のギャグエピソード群に大満足したという感想。モモチ回・デニム回・女子会回など、それぞれの笑いどころが読者のツボにはまったようです。式神シキの意外な活躍を喜ぶ声もあり、細かなキャラまで愛されている様子。
  3. 毎話まとまってて満足感がすごい! ギャグ回は特にこの作品の良さが際立ってて、一話の中でダレる所がなくオチまでスムーズで素晴らしいです。いろんな形の“おもしろい”が詰まってて飽きません」
    – 書店員レビューより。篠原先生の構成力とギャグのキレを絶賛する声。テンポ良く多彩な笑いが楽しめる点が高評価を得ています。
  4. 「今回も篠原先生の画力の幅が広すぎ! 昔のマンガ風の絵柄にしてみたり、ゲーム風ドット絵にしてみたり、『笑ゥせぇるすまん』みたいな絵でニコ達描いたり…どれも本当にそれっぽくて笑ったし感心した。毎回思うけど、絵もうまいしギャグセンス神がかってる」
    – 篠原先生のパロディ演出・画風アレンジに対する賞賛の声。第9巻の『笑ゥせぇるすまん』風ギャグも好評で、「よくこんなこと思いつくな」と感嘆されています。
  5. 『ウィッチウォッチ』はまさに笑いの教科書!*気軽に飛び込んで唯一無二のギャグワールドを体験してみてください」
    – ネット上のレビュー記事見出しより。全体を通して本作のコメディ性を絶賛する論調で、第9巻も「笑い満載だった」「超インドア漫画最高!」と好意的に評価されています。

ネガティブな反応(賛否両論・批判) 🔴

  1. 「9巻は全編ギャグで本筋が全然進まない…。黒魔女と戦ったの単行本9巻までで2回だけ(笑)で、あとはずっと日常ドタバタって感じ。本筋(予言の災いとか)に触れなさすぎて少しヤキモキしました」
    – 物語の進行が遅いことへの不満。第9巻は黒魔女との直接対決がなく、メインストーリーが停滞しているように感じた読者もいるようです。「早く核心に触れてほしい」という声ですね。
  2. 「なんだかんだでなかなか本題に触れないなあ(笑)。天狗と狼男の漫才やらデニム談義やら寄り道ばっかり。挙げ句の果てに最新刊(9巻)は担任と生徒が同人誌作る話で〆て“次巻へ続く!”とか…ふざけてるのか?と思った(もちろん嫌いじゃないけど)」
    *– 上と似た指摘ですが、こちらは半ば呆れつつ笑っているニュアンス。物語が王道から外れて脱線しまくる作風
    に対し、「ふざけてる(笑)」とツッコむ声です。銀魂的なノリを連想する人もいるようですが、人によってはストーリーの腰折れに映る可能性も。*
  3. セリフで笑わせるタイプの話だと思います。時事ネタとか元ネタ知らないと笑えなかったり…。作者さんの知識量すごいな〜と感心しつつ、ジャンプ読者ってこの話についていけてる?とも感じる」
    – 本作のギャグはパロディや時事ネタが多いため、「若い読者には難しいのでは」という指摘。実際篠原先生のネタは多岐に渡るので、人によっては理解が追いつかず笑いきれない部分もあるかもしれません。
  4. 「篠原作品だから方向性が決まっちゃってるな。科学監修:なしとか枠組みから入れ込んでるし、細かいとこまで作ってあるけど…無駄遣いなんじゃ?と思う場面も」
    – こちらは少し読解が難しいコメントですが、おそらく篠原先生の凝り性ぶり(科学的リアリティとか気にせずノリ重視で作っている点)に対し、「凝りすぎて無駄に感じる」あるいは「作風が最初から固定されていて意外性が無い」といったニュアンスでしょうか。ギャグに過剰な理屈は不要とはいえ、逆に徹底して理屈ゼロのノリ優先なので、好みが分かれる部分かもしれません。
  5. 「持ちネタの当たりハズレが人によってあるかも。自分はどれも好きだけど、読む人によっては毎回同じようなノリに感じちゃう可能性もあるかな」
    *– こちらは批判というより客観的な分析ですが、第9巻のように各キャラごと
    定番のギャグパターンが出揃ってくると、人によってはマンネリを感じるかもしれないという指摘です。実際、「◯◯回(ジーンズ回など)はイマイチだった」という感想も少数ながら見受けられ、ギャグの好みは千差万別であることが伺えます。*

全体として、第9巻への読者の反応は「ギャグ最高!大笑いした!」というポジティブなものが多数派でした。新キャラ・モモチの人気も上々で、「可愛い」「仲間に加わって嬉しい」という声が多く、彼女の母性的キャラが読者にも愛されたことが分かります。また、篠原先生のギャグセンスや画力への賛辞も目立ち、「笑いのクオリティがジャンプ作品でも突出している」という評価もありました。

一方で、物語の進行ペースに関しては一部読者から不満も出ています。「そろそろ黒魔女との決着や核心に触れてほしい」「コメディばかりで本筋が動かない」といった声ですね。ただし、それすら笑い交じりに受け止めているファンが多い印象で、「ふざけすぎだけどそれがウィッチウォッチらしい」「師匠(空知英秋)譲りの芸風だな」と好意的に解釈する向きもありました。

総じて、第9巻は賛:圧倒的に笑える / 否:ストーリー停滞気味という評価軸に分かれます。しかし否定的意見を含めて「それでも面白いから読んじゃう」「嫌いじゃない」というニュアンスが強く、作品全体への愛情が感じられました。篠原先生の狙い通り(?)、読者も肩の力を抜いてコメディ回を楽しんでいる様子です。次巻以降でシリアス展開に入った際、今回とのギャップでより盛り上がる可能性もあり、ファンは今後の展開を期待しつつ見守っているようです。

次回への期待:第10巻以降はどうなる?

第9巻が笑い満載で幕を閉じた今、ファンとしては「この先、物語はどんな展開を迎えるのか?」という期待が高まります。最後に、第9巻のラストやこれまでの伏線から推測できる第10巻以降の見どころ読者が気になっているポイントを整理してみましょう。

  • 黒魔女側の動向と“災いの日”の真相:ニコに1年以内に降りかかると予言された“災いの日”──物語序盤から提示されているこの大きな謎が、そろそろクライマックスに向けて動き出しそうです。実際、次の第10巻では「明かされる黒魔女の秘密…!?」という不穏なキーワードが示唆されており、黒幕である黒魔女勢力の計画や目的が描かれる可能性があります。黒魔女たちはなぜニコ(白魔女)を狙うのか? “千の魔女”であるニコの力とは何なのか? これらの謎がついに解明され、物語はシリアスな局面へ突入していくでしょう。第9巻までで黒魔女との直接戦闘は数えるほどしかありませんでしたが、その鬱憤を晴らすかのごとく激しい戦いが展開されるのではと期待されます。
  • モモチの今後の活躍:新加入のモモチは、戦力・精神面ともにチームの大きな支えとなりそうです。特に彼女の瞬間移動魔法は黒魔女とのバトルや仲間の救出で切り札的な働きをするでしょうし、本人も「ニコと一緒に魔法を磨く」と誓っている以上、前線に出る覚悟があります。第10巻以降、モモチがどのようにバトルに参加するのか注目です。また、普段はニコ達を甘やかすお姉さんのモモチが、いざという時に見せる“年上らしい頼もしさ”や“伊吹譲りの実力”にも期待が高まります。反面、母性が強すぎるゆえの弱点(例えば敵に優しさを利用される等)もあるかもしれず、彼女の掘り下げエピソードにも注目です。
  • 担任教師&クラスメイトの同人誌作戦の行方:第9巻ラストで真桑先生とクックが作った同人誌のくだりが「次巻へ続く!」となった以上、第10巻冒頭はこのエピソードの決着が描かれるでしょう。同人誌即売会(文化祭?)で彼らは成果を出せるのか、ニコ達他のクラスメイトも巻き込んで何か事件が起こるのか。表面的にはコミカルな学園イベントですが、読者からは「これが黒魔女絡みの事件に繋がるのでは?」との予想も出ています。例えば即売会の場で黒魔女の刺客が紛れ込む、あるいは先生の秘密(オタクであること)が公になることで人間関係に波乱が…など、日常から非日常への転換点になるかもしれません。ともあれ、まずはこの「オシエシニッシ」(教え子+教師サークル)編の結末を見届けたいところです。
  • ニコとモリヒトの関係の進展:物語開始以来、ニコとモリヒトの間にはほのかな好意や絆が描かれてきました。とはいえモリヒトは自分の感情に厳しく蓋をしている節があり、ニコも意識はしていても関係は幼馴染のまま…。しかし、思春期の二人であり同居生活も長くなる中、読者としてはロマンスの行方も気になるところです。第9巻はラブ要素薄めでしたが、クラスメイトの恋愛相談を通してニコが恋に憧れる女の子である一面も描かれました。また、モリヒトの留守中にニコが「モリヒトの大切さ」を再認識した節もあります。今後、黒魔女との戦いという危機を経て、二人の絆が使い魔と主人以上の特別なものへと発展する可能性も十分あります。篠原先生はラブコメの描写も巧みなので、ニコモリカップル成立なるか!?は読者の大きな注目ポイントです。
  • 他の仲間達の掘り下げと新キャラ登場:カンシ、ケイゴ、ミハルといった仲間たちも、それぞれ抱える背景があります。特にミハル(霧生見晴)は登場して日が浅く、彼女(?)の過去やドラゴンとしての来歴など未解明です。また、カンシが負った借金やケイゴの母親のその後など、小さな伏線も残っています。今後の展開でこれらが回収されるかもしれません。そして篠原作品で忘れてならないのが新キャラクターの更なる登場です。既に主要キャラは出揃った感もありますが、物語が大きく動く局面で強力な敵キャラ(黒魔女側の首領や四天王的存在など)が登場する可能性は大いにあります。また、ニコの味方となる新たな使い魔他校の魔女などが加わる展開も考えられます。人気投票企画でキャラ一覧を見ると、名前だけ出ているキャラや謎の存在も散見されるので、先々への期待が尽きません。

このように、第10巻以降はシリアスとコメディが融合した怒涛の展開が待っていそうです。特に次巻(第10巻)は物語の折り返し地点とも言え、黒魔女編が本格始動するターニングポイントになると予想されます。実際、第10巻の紹介では「明かされる黒魔女の秘密…!?」と不穏かつ重大な展開が示唆されており、ファンは心躍らせつつもハラハラしています。

篠原先生が以前「バトル・ギャグ・ラブコメ・日常・ホラー…全部やる」と語ったように、ここから先はバトルとシリアスの比重が増しつつ、合間に笑いと癒やしも忘れないジェットコースターのようなストーリーが展開されるでしょう。その中で、ニコ達がそれぞれどんな成長を遂げるのか、絆を深めるのか――読者としては期待と不安を胸に、続きを追いかけずにはいられません。

関連グッズ紹介:『ウィッチウォッチ』の世界をもっと楽しもう

『ウィッチウォッチ』はマンガだけでなく、公式グッズも充実しています。ここではコミックス第9巻と合わせてチェックしたい関連商品をいくつかご紹介します。お気に入りのキャラと日常を共にできるアイテムがあるかもしれませんよ。

  • コミックス(単行本):まずは言わずもがなですが、コミックス第9巻はジャンプコミックスレーベルより発売中です。全192ページに及ぶ第9巻には、第72話から第80話までのエピソードが収録されています。紙の書籍はもちろん、電子版も各種ストアで入手可能です。また、第1~8巻も好評発売中で、一気に大人買いして読むもよし、電子書籍でスマホに入れて好きな時に読み返すもよしです。なお、表紙イラストは南 伽羅(カラ)が目印となっており、カラ推しの方にはたまらないデザインとなっています。
  • フィギュア・コレクショントイ:キャラクターを手元に置いて眺めたい人には、各種フィギュアやコレクトアイテムがオススメです。中でも注目は、デフォルメフィギュア「ねんどろいど 若月ニコ」です。TVアニメ版のデザインを元にしたもので、2025年現在予約受付中。価格は約3,510円(税込)で、お手頃サイズながらニコの愛らしさをしっかり再現しています。表情パーツも複数付属し、ニコらしい元気顔や魔法発動シーンも再現可能です。また、集英社ジャンプキャラクターズストア(JCS)限定で発売された「バースデイ名場面ジオラマフィギュア」シリーズも見逃せません。例えば倉持桃(モモチ)のジオラマフィギュアはモモチの誕生日に合わせた名シーンを立体化したもので、価格1,650円と手に取りやすいのも魅力。同シリーズはモリヒトやカンシ、ケイゴ、ミハルなど主要キャラ分がラインナップされており、集めて飾れば作中のワンシーンを再現できます。さらに、キャラがちょこんと座った姿でフィギュア化された「のるキャラマスコット」(各1,540円)も発売されており、カンシやケイゴ、ミハルたちが机の上に乗っかってくれる可愛いアイテムです。これなら勉強や仕事中も推しキャラが見守ってくれますね。
  • アパレル(衣類):作品のファンなら、身につけられるグッズもチェックしたいところ。JCS限定で販売された公式デザインTシャツはユニークです。作中に登場した劇中劇やネタをモチーフにしており、例えば“ブラック・ダークネス・イン・ジ・アビス・オブ・ザ・ユニバース”Tシャツ(アクリルチャーム付き、フリーサイズ・6,600円)というインパクト大な一品があります。これは劇中でケイゴが好きな中二病映画のタイトルをあしらったデザインで、付属のチャームにもロゴが入ってファン心をくすぐります。同じく“スタッフ”Tシャツ“FIRE GIRL FEVER”Tシャツなど数種のバリエーションが展開され、普段使いもしやすいおしゃれアイテムとなっています。アニメ化に伴い、アパレルグッズは今後さらに充実していくことが予想されます。ジャンプフェスタやアニメイベント限定のコラボTシャツなども要チェックです。
  • 文房具・雑貨類:日常生活で使えるグッズも多数発売中です。例えばクリアファイル(A4)はカラフルな描き下ろしイラスト入りで440円とお手頃。学校や職場で使えば、さりげなく『ウィッチウォッチ』好きをアピールできます。また、マスキングテープ「ペラペランコ」(880円)は劇中の小物をあしらったデザインで、手帳デコやラッピングに重宝します。キャラクターごとの缶バッジも定番人気で、誕生月に合わせたバースデイ缶バッジが各550円で展開されています。推しキャラの誕生日をお祝いするアイテムとしてファンに好評です。さらに、ジャンプキャラストアでは連載◯周年記念アクリルアート(箔押し仕様の豪華なプレート、5,500円)といったコレクターズアイテムも受注生産されています。お気に入りのシーンを美麗イラストで飾れるので、部屋のインテリアにぴったりですね。
  • 今後発売予定のグッズ:2025年にはTVアニメ放送も控えており、それに合わせた新グッズ情報も続々公開されています。例えばプライズ景品として、ゲームセンター限定の「ちょこのせプレミアムフィギュア(乙木守仁/若月ニコ)」が2025年9月に登場予定とのこと。また、コレクションフィギュア(トレーディングタイプのミニフィギュア)や、ねんどろいど化第2弾の企画なども期待されています。アニメイトなどではモチーフデザインのアクリルキーホルダーキャラ別アクリルスタンドも予約受付中。推しキャラをデフォルメ化したぬいぐるみビッグヘッドフィギュアなども企画進行中との情報があります。グッズ展開が広がることで、『ウィッチウォッチ』の世界観をより身近に楽しむことができそうです。

以上、いくつかグッズを紹介しましたが、この他にもジャンプショップ(全国のジャンプ公式ストア)では限定商品が随時発売されています。ポストカードやタペストリー、スマホケース、キャラケーキなんてコラボ企画も…? ファンなら是非チェックして、お気に入りのアイテムをゲットしてください。グッズは公式サイトやジャンプキャラクターズストアのグッズ情報ページでも一覧を見ることができます。今後アニメ化に伴い、フィギュアーツ(可動フィギュア)やプラモデルゲームコラボなんかも登場するかもしれません。引き続き『ウィッチウォッチ』から目が離せませんね。

まとめ

『ウィッチウォッチ』第9巻は、魔法×笑い×母性が三位一体となった珠玉のコメディ巻でした。新キャラのモモチがもたらす笑いと癒やし、既存キャラ達の安定の掛け合い、そして篠原健太先生の冴え渡るギャグセンスと演出力に、改めて脱帽です。黒魔女との戦いという本筋は一旦横に置かれましたが、その分キャラクターの日常と絆が深く描かれ、読者としてもほっこり温かな気持ちになれました。

気になる評価は…星4.5/5!☆彡(5点満点中4.5点)。個人的には大満足の内容でしたが、敢えて0.5点は今後のシリアス展開への期待値として残しておきます。第9巻単体でも十二分に楽しめましたが、「笑いすぎて逆に次が怖い」ほどです。この反動で次巻以降にどんなドラマが待っているのか、期待とドキドキが止まりません。

最後に一言コメント:「笑いの中に次への布石アリ!モモチという特大スパイスを得た『ウィッチウォッチ』、この先ますます目が離せません。」 第10巻以降ではきっとニコ達に試練が訪れるでしょうが、彼らなら持ち前のチームワークと笑いの力で乗り越えてくれると信じています。

皆さんは第9巻を読んでどう感じましたか?お気に入りのシーンやキャラクター、今後の展開予想など、ぜひ教えてください!感想を語り合いながら、篠原健太先生の生み出すマジカルコメディワールドをこれからも一緒に追いかけていきましょう。あなたの『ウィッチウォッチ』第9巻の感想もぜひSNSでシェアしてくださいね! 次なる魔法と笑いの物語でまたお会いしましょう。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

morishy

職業: 教育系事業会社でIT技術職として勤務するエンジニアです。新しい技術やサービスが大好きで、常に最新トレンドをチェックしています。

趣味: 読書、アニメ・ドラマ・映画鑑賞、スポーツ観戦、ゲーム、プラモデル作り…と幅広い趣味を持っています。好奇心旺盛な性格で、ジャンルを問わず色々な作品に触れるのが大好きです。

自己紹介: はじめまして!IT業界で培った探究心を活かし、話題の本やアニメ、ドラマなど 様々なエンタメ作品の魅力を発信するブログ を運営しています。好き嫌いなく何でも楽しめる性格なので、小説から映像作品までジャンルを横断して鑑賞中。最近は特に読書やアニメにどっぷりハマっており、「この作品のここがすごい!」という 推しポイント を中心に皆さんに紹介しています。幅広い作品に触れているからこそできる 横断的なレビュー を心がけており、「次はどの本を読もう?」「このドラマ気になるけど面白い?」というときに参考にしてもらえる情報をお届けできれば嬉しいです。作品の魅力を共有し、あなたの新しいお気に入り探しのお手伝いができるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!

-漫画
-, ,