
落語✖️少年ジャンプという異色の組み合わせで話題の『あかね噺』。最新第7巻を読んで、その熱量に思わず引き込まれました!高校生の女の子が落語家を目指す青春ストーリーなのですが、今回は宿敵との再戦や父の夢に挑む展開など胸アツ要素が盛りだくさん。落語の世界観を舞台にしつつ、ちゃんとジャンプらしい“燃える展開”があるのが面白いところです。この記事では第7巻の見どころや深掘り考察をたっぷりご紹介しますので、ネタバレなしで作品の魅力を味わいたい方もぜひお付き合いください😊
著者紹介
本作の原作を手掛けるのは末永裕樹さん、作画は馬上鷹将さんです。2022年より週刊少年ジャンプで連載を開始し、落語という渋い題材ながらも王道少年漫画の熱さを融合させた作風で一躍注目を浴びました。末永裕樹さんは本作がデビュー作ながら、演劇やバトルのエッセンスを巧みに取り入れ、まるで“演技論中心のバトル漫画”のようなストーリー展開を生み出しています。一方、馬上鷹将さんの描く繊細な表情や所作の描写が、登場人物たちの高座での熱演をリアルに伝えてくれます。そのコンビによる『あかね噺』は、第67回小学館漫画賞を受賞しテレビアニメ化も決定するなど勢いに乗っており、落語ファンから漫画好きまで幅広い支持を集めています。
登場人物紹介
- 桜咲朱音(おうさき あかね) – 本作の主人公。高校生にして落語家を志し、阿良川志ぐまのもとで前座修行中。第7巻では、自身の強みを活かす演目を選ぶことでさらなる成長に挑みます。父の夢を継ぎ真打になることを目標に、泥臭く努力を重ねる姿が魅力の女の子です。
- 阿良川志ぐま(あらかわ しぐま) – 朱音の師匠で、一門の看板役者。温厚ながら鋭い眼力で弟子を見守り、その才能を引き出します。第7巻では朱音に敢えて自分で演目を選ばせるなど、一人前になるための試練を与えています。
- 桜咲徹(おうさき とおる) – 朱音の父親で、元・阿良川志ん太(あらかわ しんた)。6年前の真打昇進試験で破門にされた過去を持つ人物です。現在は落語から離れていますが、その高座での芸と無念は朱音の原動力になっています。第7巻では彼が得意とした噺「替わり目」が物語の鍵として登場します。
- 高良木ひかる(こうらぎ ひかる) – 朱音のライバル的存在。元は声優志望の実力者で、高校生落語大会「可楽杯」で朱音に敗北した過去があります。第7巻で再登場し、本格的に落語家となって朱音に挑むことに。彼女の執念とも言える再戦宣言は物語を大きく盛り上げます。
- 阿良川まいける – 志ぐま一門の兄弟子で、通称“まいける兄さん”。洒脱でユーモア溢れる人物ですが、その指導は的確。第7巻では朱音に「自分に合った演目を選べ」と指南し、父譲りの芸を伝授してくれる重要な役回りです。作中では某有名漫画の能力解説風パロディを披露するなど、コミカルな魅力も発揮します。
あらすじ
第7巻の舞台は、朱音が所属する阿良川一門の前座たちによる昇進選考会。真打への登竜門とも言われる「四人会」に出場できる最後の1枠を懸け、熾烈な競争が繰り広げられます。まず予選にあたる錬成会で朱音たち前座が高座に上がり、朱音は師匠譲りの古典『平林』を披露。緊張の中でも落ち着いた噺運びで見事に勝ち抜き、本選となる選考会への進出を決めました。
選考会に駒を進めたのは朱音を含め4人。天才肌の若手ホープ魁生(かいせい)に追いつこうとする同期のぜんまい、営業マン出身で機転の利いた芸が持ち味の年長新人嘉一(かいち)、そして意外な伏兵として現れたのが高良木ひかるです。ひかるはかつて朱音が学生大会で破った実力者。今回、別の一門に弟子入りして晴れて阿良川ひかるの高座名を得ており、かつての雪辱を果たすべく選考会に殴り込んできました。思わぬ再会に朱音も驚きますが、ひかるは「あなたのおかげで落語にハマったの」と不敵に宣言。ライバル心メラメラの登場に会場の空気も一気にヒートアップします。
本選に向けて朱音は阿良川まいけるから稽古をつけてもらうことに。しかし、まいける兄さんから出されたお題は「自分でやる演目を選べ」というものでした。これまで朱音は人から与えられた演目ばかり演じてきましたが、二ツ目を目指すなら自分の持ち味を活かす演目を選ぶ目利きが必要だと言うのです。候補に挙がった演目は三つ。コミカルで賑やかな掛け合いが魅力の「禁酒番屋」と「蝦蟇の油」、そして地味ながら夫婦の情景をしみじみ描く「替わり目」。意外にも朱音が選んだのは、一番派手さに欠けると言われた「替わり目」でした。
実はこの「替わり目」、朱音の父・志ん太(徹)がかつて高く評価された際に演じていた思い出の演目です。まいけるは「勝ちやすさより大事なものがある」と語る朱音の覚悟を聞き、志ん太直伝の形でこの演目を仕込んでくれることに。稽古で披露された志ん太譲りの芸は、かつて間近で見ていた朱音ですら驚く完成度でした。朱音はその芸を自分のものにするため、居酒屋でバイトして酔っぱらい客のしぐさを観察したり、父を知る人々からエピソードを聞いたりと懸命に修行を積みます。父本人に落語のことを尋ねることはできませんが、「想像の中で父と酒盛りできるくらい」志ん太の姿を心に描けるまでに成長する朱音。その過程で「落語はタイムマシンだな」と気付くシーンには、読者のこちらもハッとさせられました。
こうして己の芸と向き合い、“朱音らしさ”を模索した日々を経て、いよいよ選考会本番が幕開けます。勝てば晴れて二ツ目昇進、負ければしばらく昇進の機会なしという真剣勝負の舞台に、朱音はあえて選考向きではない地味な演目「替わり目」で挑む決意を固めました。果たして個性派揃いの強敵たちを相手に、朱音は自分の信じた演目で勝利を掴めるのか――物語はクライマックスへ向けてますますヒートアップします!
感想
まず何と言ってもひかるの再登場には鳥肌が立ちました!以前の大会での雪辱を果たすためだけに落語界に飛び込んでくるなんて、ひかるの執念凄すぎます。朱音に完敗した悔しさが彼女をここまで動かしたかと思うと、ライバルキャラとしてめちゃくちゃ熱い展開ですよね。二人が同じ土俵(高座)で再び相まみえる構図に、読んでいるこちらも「来た来たッ!」と興奮してしまいました🔥
一方で、朱音が父の演目「替わり目」を選ぶくだりにはグッと胸を掴まれました。普通なら大会ウケしそうな派手な演目を選ぶところでしょうが、あえて地味でも自分の信念に沿った噺を選ぶあたり、朱音の芯の強さと父への想いが伝わってきます。まいける兄さんが志ん太そっくりの口調や仕草で手本を見せるシーンでは、朱音と同じく私も「おお…!」と引き込まれました。亡き父(※実際は存命ですが落語界を去った人)の影を追うように稽古する姿は健気で、その健気さが後半でしっかりと朱音自身の情念に火を付ける展開には思わず涙腺が刺激されました🥲
もちろんシリアスなだけでなく、遊び心たっぷりの演出も健在です。まいける兄さんが朱音に「仁(にん)」と「演目の属性」について教える場面で、念能力の解説みたいな六角グラフが出てきた時には思わずクスッと(笑)。まさか落語漫画でハンタ○ハンターのパロディを見るとは…!こうした小ネタが挟まることで、シリアスな修行パートも肩肘張らずに楽しめるのが本作の良いところですね。普段ジャンプを読んでいる層へのサービス精神なのかもしれません😆
第7巻全体を通して、朱音の成長物語として大満足の内容でした。序盤の錬成会で勝ち上がるシーンから既にワクワクでしたが、そこからさらにライバルとの再戦、父の芸の継承と、テンションの上がる要素が怒涛のように押し寄せてきて一気読みでした。個人的にはラスト近く、朱音が「この選択に間違いは無い」と決意するシーンで思わずガッツポーズ!努力型主人公の朱音らしい泥臭い覚悟に心を打たれました。ページをめくる手が止まらなくなる熱量と、読後にじんわり込み上げる感動…第7巻は涙あり笑いありの神回だったと思います✨
考察・解説
第7巻のキーワードはズバリ「自分らしさ」ではないでしょうか。朱音はこれまで与えられた課題を必死にクリアして成長してきましたが、いよいよ自分で自分の道を選ぶ段階に入ったと感じます。まいけるの言う「仁(人柄・持ち味)と演目の属性の組み合わせが大事」という助言は、裏を返せば「型にハマるな、自分にフィットする芸を磨け」ということ。落語の世界では師匠から教わった型を継承するのが基本ですが、朱音はそこに自分の色をどう出すかという壁に直面しました。父・志ん太の芸をコピーするだけではなく、それを自分なりに噛み砕いて昇華しなければ勝てない――まさに演者として一皮むけるための試練ですね。
また、朱音が「替わり目」に込めた想いにも考えさせられるものがありました。作中で朱音は「勝ち易さより大事なことがある」と言っていましたが、その言葉通り結果よりも自分の信じた芸を貫く道を選んだわけです。奇しくも父・志ん太が真打試験で示したのも「観客に同情されるようではダメだ」という一生(落語界のトップ)の厳しい評価でした。父は観客を沸かせながらも、どこか弱さを感じさせてしまったため破門されてしまった。しかし娘の朱音は、父と同じ演目で弱さではなく強さを見せることで真っ向から評価を覆そうとしているのではないでしょうか。「落語はタイムマシンだな」という朱音の言葉には、父の時代から自分の時代へ芸を通じて時間を超えるという意味も感じられ、非常にエモーショナルでした。
そして忘れてはならないのがひかるというライバルの存在です。彼女は朱音に負けた悔しさでこの世界に飛び込んできましたが、それは裏を返せば朱音の落語がそれほどまでに人の心を動かしたということ。ひかる自身、「すべてはあなたのせい」と朱音に告げていますが、その表情には感謝すら滲んでいるように感じました。皮肉にも朱音は相手を打ち負かすことで、その人生をも変えてしまう影響力を持っている。これは物語全体のテーマである「芸の力」を象徴しているように思います。落語という話芸が、人の人生を狂わせてしまうほどの力を持つ――ひかるの再登場は、そんな芸の凄みを読者に再認識させる仕掛けだったのではと考えています。
さらにメタ的に注目したいのは、本作が少年ジャンプで連載されていることの強みです。まいける兄さんのシーンに代表されるように、他作品のオマージュや少年漫画的な演出を臆することなく盛り込める点は、読者を選ばない大きな魅力ですよね。他ジャンプ作品の名シーンを彷彿とさせる描写が随所にあり、ジャンプ読者なら「ニヤリ」とできる小ネタがいっぱい。伝統芸能という地味になりがちな素材を扱いながらもエンタメとしてしっかり面白く仕上げているのは、ジャンプの“型”を上手く使っているからこそでしょう。古きを尊びつつ新しきを取り入れるこの作品の姿勢自体が、落語界で一生が掲げる実力主義・革新主義ともどこかシンクロして感じられるのが興味深いです。
読者の反応
第7巻発売後、SNS上でも大いに盛り上がりを見せました。特にひかる再登場と「替わり目」を巡る展開に読者の反響が集中しているようです。代表的な声をいくつか拾ってみました。
ポジティブな反応(好評) 🟢
- 「ひかるちゃん復活熱すぎる!ライバルがこうやって成長して戻ってくる展開、大好物です🔥」
- 「朱音が『替わり目』選んだシーンで泣いた…父の夢を継ぐ姿に胸アツ!😭」
- 「まいける兄さんの念能力解説パロディ笑ったw シリアスとの緩急が上手いから飽きないよね。」
- 「7巻、一気読みしました!ラストの朱音の覚悟に痺れた。次巻が待ちきれません✨」
- 「落語知らなくても引き込まれる展開がすごい。読後に思わず拍手したくなる漫画は久々!」
ネガティブな反応(賛否両論・批判) 🔴
- 「ひかるの執念が凄いのは分かるけど、動機が“倒すためだけ”ってちょっと怖い…ついて行けるかな😅」
- 「盛り上がる巻だけど、勝負の決着までは持ち越しでモヤモヤ。クリアに終わらないから消化不良って声もちらほら。」
- 「演目選びのくだり、解説が多めで少しテンポが落ちた印象。情報量多くて頭こんがらがった人もいるかも。」
- 「『替わり目』地味すぎない?って最初思った。朱音がそれ覆してくれると信じてるけど、選考会で映えるのか心配。」
- 「ジャンプらしいと言えばそうだけど、結局勝負の場では主人公が勝つんでしょ?という予想がついてしまうとの声も。私はそれでも楽しめる派だけど!」
総じて、第7巻は読者の期待を裏切らない厚い展開とドラマ性で高評価を得ています。ネガティブな意見としては「決着は次巻持ち越しな点」や「説明パートの冗長さ」を指摘する声もありましたが、それらも「続きが気になる」「それだけ内容が濃い」という裏返しでもあります。特にひかるの再登場は賛否両面で大きく話題となり、「ラスボス級のライバル来た!」「いや動機が怖いよ…」と様々なコメントが飛び交いました。全体としては「面白すぎて次巻が待てない!」という声が大半を占めており、SNSでも軒並み高評価の嵐だった印象です。
次回への期待
物語はいよいよ選考会本番へ。第7巻は勝負の幕開けまで描かれたところで終わったため、次巻第8巻ではいよいよ朱音たち4人の高座対決が描かれるはずです。最大の注目ポイントは、やはり朱音が選んだ「替わり目」でどんな高座を見せてくれるかでしょう。地味と言われる演目に朱音は自分らしさと父譲りの芸を込めています。審査員や観客の評価は果たしてどう出るのか…ドキドキしますね!ライバルひかるも師匠・うらら直伝の艶やかな演目「搗屋無間」を引っ提げて登場していますし、他のぜんまいや嘉一も曲者揃い。一筋縄ではいかない戦いになりそうです。
個人的な期待としては、朱音が父・志ん太の無念を晴らすきっかけを掴んでくれると嬉しいです。この選考会には一門のトップである一生も注目しているでしょうし、かつて父を破門した張本人の前で朱音が成長した姿を見せつける展開にも期待しています。もしかすると、久々に父・徹が観客として会場に足を運ぶなんて展開もあるかも…?親子の再会がどこかで描かれるのかも含め、今後の展開から目が離せません!第8巻でもきっと落涙必至&興奮必至の物語が待っているでしょう。次回も朱音の奮闘を全力で応援したいと思います💪
関連グッズ紹介
作品の世界をより楽しみたい方に向けて、いくつか関連グッズや商品をご紹介します。
- コミックス『あかね噺』第1~7巻 – まだ本編を読んでいない方はぜひコミックスで!第7巻までのセットや電子書籍版も発売中です。迫力の高座シーンは紙面で読むとまた格別ですよ。
- 阿良川あかね 名場面ジオラマフィギュア – 朱音が高座で演じる名シーンを再現したジオラマ風フィギュア。朱音の真剣な表情や所作が立体で楽しめるファン垂涎のアイテムです(集英社ジャンプキャラクターズストア限定)。
- ミニ扇子キーホルダー(全8種) – 劇中で朱音たちが使う小道具「扇子」を模した可愛いキーホルダー。劇中名セリフやキャラモチーフがデザインされており、バッグにつければさりげなく『あかね噺』愛をアピールできます♪
- 古典落語CD集 – 『あかね噺』に登場する「寿限無」や「芝浜」などの古典落語を実際の噺家さんが演じた音源CDもおすすめです。漫画で興味を持った演目を本物の落語で味わえば、作品の理解がさらに深まること間違いなし!
まとめ
第7巻は笑いあり涙ありの神回で、シリーズの中でも特に物語が大きく動いた重要な巻でした。朱音の覚悟と成長、ひかるとの因縁の再燃など、見どころがぎゅっと詰まっていて大満足の内容です。個人的評価は★5中★4.5!父の夢に挑む朱音の姿に何度もうるっとさせられつつ、最後は次巻への期待でワクワクが止まりませんでした。「落語ってこんなに熱かったのか!」と感じさせてくれる本作、今後の展開からもますます目が離せません。
次巻では果たして朱音は勝利を掴めるのか?そして皆さんは第7巻、どう感じましたか?ぜひ感想をコメントで教えてください😊✨ この記事がお気に入りでしたらSNSでシェアしていただけると嬉しいです。それでは、次回のレビューでもお会いしましょう!
