スープでお腹いっぱいになるの?夏にスープなんて飲む人いるの?
そんな疑問の声をはねのけ、一杯のスープからビジネスを大きく花開かせた挑戦者がいます。
その物語が描かれているのが、遠山正道さんの著書『スープで、いきます』です。
三菱商事のサラリーマンが社内ベンチャーでSoup Stock Tokyoを創り上げた創業ヒストリーと聞けば、ワクワクしませんか?
本記事では、本書の見どころや考察ポイントを深掘りしつつ、感想をお伝えします。
Contents
【対象】誰におすすめの本か?
- 実話ベースの起業ストーリーやビジネス書が好きな人
- Soup Stock Tokyoなどお気に入りの飲食店の裏話に興味がある人
- 新しいことにチャレンジしたいと考えている会社員・学生
- 経営手法やマーケティングの工夫を学びたい起業志望者
- おいしいスープや食のビジネスに関心がある人
【プロフィール】著者:遠山正道(とおやま まさみち)さんはどんな人か?
本作の著者である遠山正道さんは、スープ専門店「Soup Stock Tokyo」の創業者にして株式会社スマイルズの代表取締役社長です。
1962年東京生まれ。慶應義塾大学を卒業後、三菱商事に入社し、1997年にSoup Stock Tokyo第1号店をお台場にオープン。
2000年には三菱商事初の社内ベンチャー制度を活用して株式会社スマイルズを設立し、サラリーマンのまま社長となりました。
以降、「PASS THE BATON」や「刷毛じょうゆ海苔弁山登り」といったユニークな事業を次々に手がけ、現代アートの分野でも個展開催や大学での教壇にも立つなど、多彩な顔を持つ実業家です。
著書には本作の他に『成功することを決めた』(新潮社)などがあります。
【内容・感想・書評】『スープで、いきます』はどんな内容か?
テーマ
一社員のひらめきから始まった前例のないスープ専門店プロジェクトが、周囲の反対や困難を乗り越えて成功を収めるまでの挑戦の物語です。
「常識にとらわれず新しい価値を生み出すには何が必要か」というテーマが貫かれています。
本書が伝える主なメッセージ
常識への挑戦
- 「スープで腹一杯になるのか」「夏はどうなんだ」といった声に負けず、スープで新たな食文化を作るという強い意志を貫いた。
共感を生むビジョン
- 架空の顧客「秋野つゆ」の一日を描いた物語仕立ての企画書を社内で提示し、理念や商品イメージを共有。
失敗からの学び
- 売上低迷という現実に直面した際、会議の混乱や現場との意識ズレまで包み隠さず公開。
- 失敗談から何が問題かを振り返り、改善策に繋げている。
人と文化を育む
- 立ち上げに共感して集まった仲間たち(スマイルズの社員)との絆を大切にし、「家族」のような組織文化で新事業を支え合った。
各章の内容
第1章 成功することを決めた
- 著者がスープ専門店の着想を得て、「絶対に成功させる」と心に決めるまで。
- 社内で企画を温め始めた背景や、スープへのこだわりが語られます。
第2章 Soup Stock Tokyoの誕生
- いよいよ社内プロジェクトが動き出し、Soup Stock Tokyo開店までの道のり。
- 本番の店舗立ち上げに向けて、企画書「スープのある1日」の公開や商品開発、モノトーンのロゴ決定秘話など誕生秘話が綴られます。
第3章 動き始めたビジネス
- 開店後、ビジネスが軌道に乗り始めます。
- 女性一人でも入りやすい店づくりや、“食べるスープ”という新コンセプトへの手応え、徐々に店舗展開が進む様子など、順調に見える前半戦。
第4章 つきつけられた現実
- 順風満帆に見えた矢先に訪れた試練を描きます。
- 夏場の売上減少や予想外の苦境に直面し、会議では混乱が生じます。
- 現場との意思疎通の難しさや組織の壁にぶつかりながらも、必死に立て直しを図る姿がスリリングです。
第5章 スマイルズの人々
- スマイルズ社を支えるメンバーにスポットが当たります。
- 著者の右腕となった社員や、現場で奮闘する店長・スタッフたちのエピソードを紹介。
- ユーモアと情熱あふれる仲間たちとのエピソードから、組織風土や人材育成の工夫(メンターではなく“ファミリー”で新人を支える制度など)も垣間見えます。
第6章 振り返りと、これから
- 創業を振り返り、これまで得た教訓と今後の展望について語られます。
- 「なぜSoup Stock Tokyoは成功したのか」「これからどんな価値を提供していきたいか」といった問いに対する著者なりの答えが示され、読後には清々しい余韻が残ります。
感想・書評
実際に読んでみてまず感じたのは、本書がとても優しい語り口で読みやすいということです。
ビジネス書というと専門用語が並びがちですが、遠山さんの文章は平易で親しみやすく、まるで先輩から体験談を聞いているような感覚でスラスラ読めました。
これなら経営書に不慣れな方でも物語として楽しみながら学べるでしょう。
特に印象に残ったポイントは、著者のアート思考が随所に光っていたことです。
例えば、ブランドのロゴをあえてシンプルなモノトーンにした理由や、家庭的な味のスープにこだわった背景など、細部に芸術的センスと経営戦略が融合しています。
一般的なマーケティング理論とは一味違うアプローチには「なるほど、こう来たか!」と唸らされました。
また、企画書を小説のような物語形式で作成したというエピソードには驚きです。
架空の人物を登場させ、理想の一日を描くことでスタッフや関係者にビジョンを共有する手法はユニークで、私自身マーケティングに活かせそうだと感じました。
一方で、著者自身の華やかな経歴やプライベートな描写が多めな点は、人によって好みが分かれるかもしれません。
もっと現場の声や泥臭い苦労話を深掘りしてほしいと感じる読者もいるでしょう。
ただ私にとっては、遠山さんという人物像を立体的に知ることで、逆に「だからこそこういう発想ができたのか」と納得する材料にもなりました。
総じて、本書は新しい挑戦をする人の背中を押してくれる一冊だと感じました。
計画通りにいかずに落ち込む場面も正直に描かれているので、「失敗しても大丈夫、やり直せる」という勇気が湧いてきます。
読み終える頃には、スープの香りと共に「自分も頑張ってみよう!」という前向きな気持ちがじんわり心に広がりました。
特に評価できるポイント
- 平易で語りかけるような文体で書かれており、ビジネス書初心者でも読みやすい。
- 企画書全文や具体的な失敗談など、他では得難いリアルな創業ノウハウが詰まっている。
- ターゲット設定や商品コンセプトなど随所に著者の美的センスと戦略眼が活かされており、従来の常識にとらわれない発想が刺激的。
- 挫折や苦境も包み隠さず紹介されているため、単なる成功談で終わらず学びが深い。経営者の正直な姿に共感できる。
気になった点
- 著者の生い立ちや交友関係など自己紹介的な記述がやや多く、本筋の起業プロセスから脱線していると感じる部分がある。
- ストーリー仕立ての企画書のくだりは、人によっては「読みづらい」と感じるかもしれません。小説風の演出が好みに合わない読者もいそうです。
- 全体的に著者個人の視点に偏っており、一緒に奮闘した社員や同僚の描写がもっと欲しいと感じました(「もっと社員の話を聞きたかった」という声もありました)。
- エリートサラリーマンとしての土台がある前提なので、「恵まれた人の物語」として距離を感じる読者もいるようです。誰もが同じように真似できる内容ではない点は留意が必要でしょう。
【口コミ・評判】
ポジティブな反応
- 「優しい語り口で、事業立ち上げのリアルな学びが得られる良書!」
- 「企画書掲載には驚き。著者の本気度が伝わってきて感動…!」
- 「失敗談も赤裸々に明かされていて共感しました。読んで励まされます!」
- 「マーケティング視点が独特で面白い。芸術とビジネスの融合って感じ!」
- 「女性一人でも入りやすいお店作りの裏側を知れて嬉しい」
ネガティブな反応
- 「青山育ちで慶應卒…恵まれた人の苦労話にしか思えず、感情移入できない」
- 「自己アピールが多すぎて肝心の創業ノウハウが薄い印象」
- 「企画書を物語形式にする必要ある?正直読みづらかった…」
- 「同僚や社員への言及が少なくて残念。結局“俺すごい”本なのでは?」
- 「おしゃれに成功した例でリアル感が薄い。もっと泥臭さが欲しかったかな」
上記のように、読者からは概ね好評で「勇気をもらえた」「内容が具体的で参考になる」といったポジティブな声が多く聞かれました。
一方で一部には「著者が恵まれているからできた話」「自慢話に感じた」という指摘もあり、読み手のバックグラウンドによって評価が分かれるようです。
ただし総じて、「物語として面白いし刺激を受けた」という意見が大勢を占めており、新たなチャレンジ精神を呼び覚まされる本と言えるでしょう。
【まとめ】 ~私の評価は★★★★☆(5点満点中4点)~
社内ベンチャーから生まれたSoup Stock Tokyoの舞台裏には、想像以上のドラマと工夫が詰まっていました。
常識に挑み、仲間と共に道を切り拓く遠山さんの姿に心打たれます。
ビジネス書でありながら最後は一編の人間ドラマを読んだような充実感があり、「自分も頑張ってみよう!」と前向きなパワーをもらえる一冊でした。
気になった方はぜひ手に取ってみてください。
読後にスープを味わう時間が、きっといつもより特別なものに感じられるはずです。
皆さんはこの本、どう感じましたか?
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