
魔女と使い魔の凸凹コンビが繰り広げるドタバタ学園コメディ『ウィッチウォッチ』。第5巻ではその面白さがさらにパワーアップ!幼なじみの白魔女・ニコと鬼の末裔モリヒトが同居し、予言された災いに立ち向かう物語ですが、今回のエピソードは 「笑い全開」 と言えるほどギャグが炸裂しています。読者のお悩み相談に魔法で答えるニコの奮闘から始まり、新キャラとの出会いや夏休みの小旅行まで盛りだくさん。私も読んでいて思わず声を出して笑ったシーンが何度もありました。それでいてニコとモリヒトの関係にも変化の兆しが見え、物語としても重要な転機を迎える巻です。この記事では、第5巻の見どころや感じた魅力をたっぷりレビュー&考察します。笑いの中に散りばめられた伏線やキャラクターの心理にも踏み込み、SNSで話題沸騰のポイントも紹介しますので、未読の方も既読の方もぜひお付き合いください!
著者紹介
本作の著者は 篠原健太さん。代表作に学園コメディの大ヒット作『SKET DANCE(スケットダンス)』や、SF冒険譚『彼方のアストラ』などがあります。1974年生まれで千葉県出身の篠原さんは、『SKET DANCE』で小学館漫画賞少年向け部門を受賞しアニメ化も果たした経歴の持ち主。ギャグからシリアスまで幅広い作風が特徴で、特に軽妙なギャグセンスには定評があります。実は『銀魂』の空知英秋先生の元アシスタントで、師匠譲りのユーモアやパロディ精神が随所に光ります。一方で『彼方のアストラ』では緻密なストーリー構成でマンガ大賞を受賞するなど、物語作りの巧みさも兼ね備えています。『ウィッチウォッチ』では篠原さんの持ち味であるギャグ演出の引き出しが存分に発揮されており、笑いながらも時折ハッとさせる熱い展開で読者を惹きつけます。コメディとファンタジーを自在に操る篠原健太さんだからこそ生み出せる、新感覚のマジカル学園コメディと言えるでしょう。
登場人物紹介
主要キャラクターたちと第5巻での見どころを紹介します。名前はフルネームで記載します。
- 若月ニコ(ニコ) – 本作の主人公のひとり。明るく天然な魔女見習いです。小学4年から魔女の聖地で修業し、6年ぶりに幼なじみのモリヒトのもとへ帰ってきました。人助けが大好きで学校では「魔女のお悩み相談」を始めるなど張り切っていますが、ドジで魔法の失敗もしばしば。第5巻でも悩めるクラスメイトに魔法で奮闘しつつ、モリヒトとの映画デートでは彼の反応を見たさにちょっとイタズラな魔法を使うお茶目な一面も。恋に奥手ながらモリヒトには淡い想いがあり、日常の中で少しずつ距離を縮めようと頑張るニコが微笑ましいです。
- 乙木守仁(モリヒト) – ニコの幼なじみにしてもう一人の主人公。鬼の力を持つ高校生で、先祖の盟約によってニコの使い魔となり一緒に暮らしています。生真面目で寡黙ですが責任感が強く、予言されたニコの災いから守るため日々目を光らせています。第5巻ではそんなモリヒトにも変化が。ニコの魔法で頭上に“小さいモリヒト”が現れて感情表現するというユニークなエピソードがあり、無表情な彼が実は喜怒哀楽豊かなのだと分かる爆笑シーンでした。クールな守仁がほんのり笑顔を見せ、「みんなといる毎日が楽しい」と心境を語る場面では読者もホッコリ。彼の中でニコや仲間たちの存在が大きくなっているのが感じられ、守り役以上の関係に発展する予感も…?今巻では生徒会との対決で圧倒的強さを見せるなど、鬼としての頼もしさも健在です。
- 風祭監志(カンシ) – 天狗の力を持つカラスの使い魔。関西弁で陽気なムードメーカーです。ニコが修行中に知り合った旧友で、彼女の母・伊吹さんからの依頼で第3の使い魔として合流しました。金欠で転がり込んできた経緯もあり生活力高めでアルバイト経験豊富。モリヒトとは当初犬猿の仲でしたが今では悪友的なノリで絡んでいます。第5巻ではカンシが主役のギャグ回も収録。「倍速生活」の魔法によって彼だけ生活スピードが10倍になるという奇想天外な話では、ハイテンポな笑いの中に切なさも感じさせてくれました(早送りで歳だけ取ってしまうカンシに思わずほろり…)。持ち前の明るさとツッコミ役で、騒動続きの乙木家を盛り上げています。
- 真神圭護(ケイゴ) – モリヒトとニコのクラスメイト。自称「サブカルクソ野郎」でサブカル趣味に酔っているお調子者です。元フィギュアスケート選手という異色の経歴を持ち、現在は動画投稿などもしています。実は狼男の先祖返りであることが判明し、ある事件を経てニコたちの新たな使い魔として同居することになりました。表向きは普通の人間なので戦闘力は低めですが、満月ではなく三日月を見ると狼の裏人格「ウルフ」が出現するというユニークな秘密も抱えています。第5巻ではケイゴは主にツッコミ役に回り、生徒会騒動ではモリヒトを支えたり、夏休み旅行ではムードメーカーとして大活躍。オカルト好きの彼だけに、新キャラ・ミハルにも興味津々で絡む姿が笑いを誘いました。天然なニコやマイペースなカンシとの掛け合いもテンポ良く、物語に軽快なリズムを生んでいます。
- 宮尾音夢(ネム) – ニコたちの隣町に住む良家のお嬢様魔女。変身の魔女で黒猫に姿を変えられますが、寝ると元に戻ってしまうドジっ子。同年代の強い使い魔を求めており、当初はモリヒトをスカウトしようと画策して乙木家にちょくちょく現れていました。ところが猫の姿のままモリヒトに可愛がられてしまい陥落、正体を明かせずじまいという可愛らしい一面も。第5巻ではネムが人間の姿でニコたちと打ち解けるエピソードが描かれ、友情が芽生えた模様。夏休みの旅にも同行し、魔女仲間&女の子同士としてニコとの掛け合いを見せてくれます。少々内気で照れ屋ですが根は素直で友達思い。ケイゴとは何やら良い雰囲気(?)な描写もあり、今後の恋模様にも注目です。
- 霧生見晴(ミハル) – 第5巻で新たに登場する中学3年生の美少年。その正体は吸血鬼の力を持つコウモリの使い魔です。ニコの母からの予言「魔を祓う古の眷属を訪ねよ」に従い、モリヒトたちが山奥の霧生家を訪ねて出会いました。色白で長いまつ毛、中性的なルックスで一見おしとやかですが…空気が読めず 言わなくていいことを言っちゃう不思議キャラ。日差しに弱く日傘を差す姿は優雅なのに、ホラー趣味な発言で場を凍らせたりとギャップが凄いです。家系は代々祓魔師で、父親は神父を装い魔を祓っているという生粋のエリート退魔一家。ミハル自身も日傘に仕込んだ細身の剣で戦うなど高い戦闘能力を持ちます。現代の吸血鬼は血ではなく皮膚から生命エネルギーや魔力を吸収する種族で、彼もエネルギーを求めて人里を離れた生活をしていました。第5巻ではそんなミハルがモリヒトたちに協力することになります。ちょっぴりズレた言動で笑いを提供しつつ、黒魔女に対抗する 「魔を祓う」頼もしい仲間の加入に読者もワクワクです。今後、乙木家に居候することになりそうですが、ニコにとってはイケメンの年下男子が増えてちょっとした逆ハーレム状態!?個性的すぎる新キャラ・ミハルの今後の活躍に期待が高まります。
(※上記の登場人物紹介では、第5巻までに判明している設定を中心に記載しています。物語の核心に触れる重大なネタバレは避けていますのでご安心ください)
あらすじ
第5巻のストーリーを序盤から順に追っていきます。笑いありドキドキありの展開をざっくり振り返りましょう。
●映画デートと“ちっちゃいモリヒト”
前巻で知り合ったクラスメイト・蓬莱くんからお礼に映画チケットをもらい、ニコはモリヒトを映画デートに誘うことに。緊張で表情が読めないモリヒトの本音を知りたいニコは、魔法で彼の感情を可視化する作戦に出ます。するとモリヒトの頭上に小さな分身(通称:ちびモリヒト)が出現!無表情な本体をよそに、頭の上でミニキャラがコミカルに喜怒哀楽を表現し始めました。ニコにはモリヒトの本心が手に取るように分かり、読者にはクールなモリヒトの心の中がおかしくも可愛らしく伝わる名シーンです。本体のモリヒトは終始ポーカーフェイスですが、映画館では内心ドキドキだったことがバレバレに…。デート終盤、魔法の効果が切れるとちびモリヒトは消えてしまいますが、その頃にはモリヒト自身がほんのり笑顔に。「みんなといる毎日が楽しい」と素直な気持ちを言葉にするモリヒトに、ニコも読者もホッと心が温まりました。ニコとモリヒトの距離が少し縮まったように感じられる微笑ましいエピソードでした。
●生徒会とのドタバタ対決
ニコが学校で始めた「魔女のお悩み相談室」は生徒たちにも大好評。しかしその活躍が面白くない人物たちがいました。そう、生徒会執行部です!第5巻中盤では、生徒会長・清宮天流(きよみや てんりゅう)率いる一癖も二癖もあるメンバーがニコとモリヒトの前に立ちはだかります。薔薇をくわえたセクシーお姉様、飄々とした糸目の策士風男子、和ゴスロリ双子、AIロボ、生意気な天才ハッカー、巨漢などなど…まるで寄せ集めアベンジャーズのような濃すぎる顔ぶれ。実は彼ら、生徒の人気者になりたいがために「困っている生徒は生徒会が助ける」という名目でニコの魔法行為を禁止しに来たのです。その理不尽かつ子供じみた要求に怒ったモリヒトは、生徒会メンバーの妨害を軽く一蹴!超人的パワーの前に手も足も出ない生徒会ですが、清宮会長だけは別。軍服姿で常に帽子に手を添えた彼は不気味な雰囲気を放ち、ニコの魔法禁止を撤回する交換条件として「モリヒトを生徒会に入れろ」と勧誘してきます。有能すぎるモリヒトを是非こき使いたい魂胆ですが、もちろんモリヒトは即答で拒否。それでも諦めない清宮会長は今後も執拗に勧誘してきそうな予感です…。結局この場はニコとモリヒトが退散する形で収まりますが、“鬼のモリヒト vs 生徒会”の追いかけっこという新たな学園コメディ軸が生まれた瞬間でした。モリヒトが生徒会に入る日は来るのか?個性的すぎる生徒会メンバーとの今後の掛け合いにも注目です。
●古の眷属を訪ねて – 新キャラ登場
物語が一気に動き出す後半エピソード。ある日ニコの母・伊吹さんからモリヒト宛に新たな予言が届きます。それは「魔を祓う古の眷属を訪ねよ」というもの。黒魔女の脅威に備える力を得るため、モリヒトたちはその手がかりを求めて山奥に住むという“古の眷属”を訪ねる旅に出ました。メンバーはモリヒト、ニコ、カンシ、ケイゴに加え、最近友達になったネムも同行。電車を乗り継ぎ秘境の最寄り駅に着いた一行を出迎えたのは、日傘を差した色白の美少年です。彼こそ霧生見晴(きりゅう みはる)。中学3年生にして霧生家唯一の跡取り息子でした。礼儀正しい好青年…かと思いきや、道中の車内でもどこかズレた発言で場を困惑させるミハル。霧生家に着くとまず「せっかくだから遊びましょう」と提案し、近くの川で水遊びが始まります。夏の日差しの下、川で大はしゃぎするニコたち。しかしその時、ニコの身に異変が起こりました。突如ニコの体がフワリと宙に浮き、黒い靄のような魔力が彼女を襲い始めたのです!そう、これは黒魔女が遠隔で仕掛けた魔法攻撃でした。魔女ニコの強大な力を狙う黒魔女の存在が、ここで再び牙をむいたのです。間一髪の危機にモリヒトたちは総力戦で対抗します。ミハルもその正体を現し、コウモリの使い魔としての力でニコを救うため奮闘。伊吹さんの予言にあった「魔を祓う眷属」とは彼=ミハルのことだったのです。激しい攻防の末、黒魔女の魔法は退けられニコは無事救出。敵の刺客を撃退したモリヒトたちは、頼れる新戦力としてミハルに協力を依頼します。こうして 吸血鬼のミハルが乙木家に加わることに…!喜ぶニコたちの一方で、乙木家の男子率がまた上がったことにモリヒトはちょっぴり複雑?(ニコの家がまさかの逆ハーレム状態に…と冗談を言いつつ)。ともあれ、新メンバーと共に黒魔女に立ち向かう決意を新たにする一同でした。第5巻の物語はここで幕を閉じ、続きは第6巻へ持ち越しとなります。
(まとめ:第5巻は、ニコとモリヒトの絆が深まるハートフルな幕開けから、生徒会とのギャグバトル、そして黒魔女編に繋がるシリアスな新展開まで、めまぐるしく展開する内容でした。笑いに包まれつつも最後は物語の本筋が動き、読後には「次はどうなるの!?」とワクワクさせられる構成です。)
感想
率直に言って、第5巻はめちゃくちゃ面白かったです!🎉 1巻から追いかけてきたファンとして、今巻は笑いのキレ味もストーリーの盛り上がりもピカイチに感じました。以下、特に印象に残ったポイントを語らせてください。
まず冒頭の映画デート回。モリヒトの頭上に現れた“ちびモリヒト”には不意打ちを食らって大爆笑!😂 無表情キャラの内心をあんな形で表現するなんて、篠原先生の発想力には脱帽です。クールなモリヒトが心の中ではあたふたしているギャップがおかしくて、ページをめくる手が止まりませんでした。それでいてオチではモリヒト自身が柔らかい笑顔を見せてくれて…ここは本当にほっこりしましたね。「モリヒトってば、照れ屋だけど実は皆といるのが楽しいんだ…!」と読者にも伝わってきて、ニコじゃないですが私も胸が温かくなりました。
中盤の生徒会エピソードも最高でした。登場した瞬間からキャラが濃すぎる生徒会メンバーたち!薔薇くわえてるわ軍服だわロボだわで「なんじゃこりゃー!😲」とツッコミが追いつきません(笑)。モリヒトが思わず「クソアベンジャーズ」と呟いていましたが、まさに言い得て妙。ジャンプ作品では生徒会が権力を持って暗躍…なんてパターンもありますが、この作品では生徒会=笑わせに来る集団でしたね。モリヒトにスカウトを掛ける清宮会長の執念深さといい、無能なくせにプライドだけは高い感じといい、憎めない愛すべきかませ犬集団という印象です。個人的なお気に入りは和ロリ&洋ロリの双子ちゃん、生徒会室でのお茶会シーンとかもっと見てみたいかも(笑)。モリヒトが生徒会に入ったら確かに過労死待ったなしでしょうから断固拒否して正解ですが、彼らとのドタバタは今後も続きそうで楽しみです。学園コメディとして新たなネタの宝庫が増えた感じでワクワクしました。
そして後半の夏休み旅行とミハル登場。ここはギャグ一辺倒だった流れが一転、物語の核心に触れる展開になりましたね。最初は川遊びで水着サービス回かな?なんて油断していたら、黒魔女の不意打ち魔法にハラハラ!ニコが宙に浮いたシーンは「あっ、ヤバい💦」と一気に緊張感が走りました。そんなシリアス展開の中でもミハルのキャラがブレずに面白いのがさすがです。平然と「黒魔女の術式ですね~^^」なんて言っちゃう空気の読めなさよ…。でもいざ戦いとなると 日傘の中の細剣 がスラリ!吸血鬼の力で黒い霧を払い、頼もしさ爆発でした。ミハル、最初は変人キャラかと思いきややる時はやる!ギャップ萌えですね😍。戦いが終わった後、「僕も一緒に行きます」と言った彼の笑顔が眩しくて、新メンバー加入に私も大歓喜でした。ニコたちが強くなるほど黒魔女との戦いも盛り上がるはずなので、物語的にも大きな前進ですよね。ひとつ欲を言えば黒魔女側の描写も少し見たかったかな…彼らがどんな存在で何を企んでいるのかまだベールに包まれているので。でもこのじれったさもまた先を読みたくなる原動力。篠原先生のじらし上手にまんまと乗せられております(笑)。
全体を通して、第5巻は笑ってばかりと思いきや重要なターニングポイントでもあり、本当に充実した内容でした。1話完結ギャグの積み重ねがキャラへの愛着を深め、そこにメインストーリーが動き出すと一気に引き込まれる…まさに笑いとシリアスのメリハリが利いた構成です。篠原先生の作品って、読んでいると「この先10巻でも20巻でもこのノリで楽しめそう!」と感じるんですよね。ギャグの引き出しが多彩だからネタ切れの心配もなく、いつまでもこの世界に浸っていたい気分になります。『SKET DANCE』好きとしてはスケット団メンバーのゲスト出演回(※第94話以降)なんかも胸熱ポイントなんですが、それはもう少し後の巻なのでここでは自重…。第5巻時点では『らんま1/2』的なドタバタ日常ラブコメの味わいが強く、これぞ私が求めていた青春ファンタジーコメディ!と大満足でした。
気になった点をあえて挙げるとすれば、黒魔女の脅威がやや唐突に感じる部分でしょうか。基本コメディ調なのでシリアス展開との温度差に驚く読者もいるかもしれません。私自身はこの振り幅を含めて楽しい派ですが、「ギャグ100%で行ってほしい」という人には路線が散漫に映る可能性もありますね。ただ、笑いがあるからバトルが熱く感じるし、シリアスがあるから日常パートが尊く思える面もあるので、ここは好み次第でしょう。少なくとも私は笑い転げて、最後はちょっとホロっとして、また笑って…と感情を忙しく揺さぶられ、大満足の一冊でした!
考察・解説
第5巻を読み解いていくと、ギャグの裏に作者の巧妙な仕掛けやテーマも垣間見えてきます。そのいくつかを考察・解説してみましょう。
●ギャグに隠されたメッセージ
篠原作品の魅力は、多彩なギャグの中にさりげなくメッセージ性があることだと感じます。例えばカンシの「倍速生活」の話。爆笑しつつも、時間の流れ方について少し哲学的な余韻が残りませんでしたか?周囲と時間感覚がズレて孤独を感じるカンシの姿は、現代社会での疎外感や焦燥をコミカルに表現しているようにも見えました。笑い飛ばせるネタでありながら、どこか共感できる哀愁がある…この匙加減が絶妙なんです。篠原先生のギャグは「ただふざけて終わり」ではなく、キャラの成長や絆を深める装置にもなっています。ちびモリヒトのエピソードもそうですよね。ただの笑いどころかと思いきや、あれでモリヒトが感情を解放するきっかけが生まれました。ギャグ=キャラクターを変化させる原動力になっている点が見事で、読者にも「人前では平静を装ってても心の中じゃ色々あるよね」「感情は素直に出していいんだよ」というメッセージを届けているように思えます。篠原先生自身、「週刊誌でここまで自由に笑わせてくれる漫画は貴重」という声もあるほど、型破りな笑いを追求しつつも芯はしっかり通っているのが本作の凄みです。
●増えていく使い魔たちの意味
第5巻までにモリヒト以外の使い魔仲間がどんどん増えました。天狗のカンシ、狼男のケイゴ、そして吸血鬼のミハル。これって実は「仲間の力で困難に立ち向かう」という少年漫画の王道をギャグを交えて描いているのではないでしょうか。序盤はニコとモリヒトの二人きりでしたが、話が進むにつれ仲間が集い “チーム乙木家” が結成されていく流れは王道そのもの。各キャラが個性的で凸凹ですが、それぞれの能力が違うからこそ助け合える関係です。実際、黒魔女の刺客との戦いではミハルの力がなければ危なかったですよね。仲間が増えるワクワク感と安心感が、作品全体のトーンを支えています。また、このメンバー構成を見ると、日本の伝承(鬼・天狗)から西洋の伝説(狼男・ヴァンパイア)まで東西の妖異が勢揃いしているのも面白いポイントです。まるで『百鬼夜行』ならぬ“百奇夜行”チームのような賑やかさで、これからどんな新キャラが出てもおかしくない懐の深さを感じます。篠原先生はギャグの合間にも伏線を仕込むタイプですから、新キャラ登場によってニコの予言にまつわる秘密が少しずつ明かされていくのかもしれません。実際ミハル加入で黒魔女とのパワーバランスがどう変わるのか、考えるだけでワクワクが止まりません。
●他作品との比較から見る本作の位置づけ
『ウィッチウォッチ』を語る上で、往年の名作や作者の過去作との比較も興味深いです。AQMさんの評論でも指摘されていましたが、本作の基本構造は高橋留美子先生の『らんま1/2』に近いものを感じます。つまり「かっこよくて強い少年少女たちによるドタバタ日常コメディ」という点ですね。居候・同居もの、学園もの、ラブコメ要素、バトル要素…とエンタメ要素全部盛りなのも似ています。その上で『ウィッチウォッチ』ならではの特徴は、現代的なネットネタやサブカルネタが多く盛り込まれていること。昭和的ベタギャグから最新ミームまで幅広く取り込むセンスは、まさに令和版らんまとも言うべき独自の進化です。また、作者自身の前作『SKET DANCE』との共通点も多いです。学園コメディで一話完結型、基本は笑いメインだけどシリアス回もある構成はスケットダンス直系ですし、実際スケット団の面々がゲスト登場した回はファン大歓喜でした。篠原作品に通底するのは「日常の中の非日常」の描き方でしょう。SKETもWWも、普段はバカ騒ぎしている仲間たちがいざというとき強い絆で結ばれている。そんな青春群像劇の王道が土台にあるからこそ、ギャグもシリアスも活きるのだと思います。ギャグ&バトル漫画の金字塔『銀魂』の系譜も感じますし、色々な作品の良さを継ぎながら唯一無二の世界観を作り出しているのが『ウィッチウォッチ』のすごいところ。これだけジャンルを横断していながら読んでいて散漫にならず、「ずっと面白いまま先が読めそう」と期待させる厚みがあります。まさに作者の発想力と多彩さが成せる業で、今後10巻20巻と続いてもネタ切れしなさそうな無限の可能性を秘めています。
●物語の核心と今後の伏線
第5巻で物語の縦軸が少しだけ進みましたが、依然として黒魔女の謎は多くがベールに包まれています。ニコは「千年に一人の特別な白魔女」で黒魔女に狙われているらしい、という設定がありますが、黒魔女側の動きや正体についてはチラ見せ程度です。ただ、そこに篠原先生の狙いがあるように感じます。つまり、まずはキャラの日常を好きになってもらい、十分に愛着が湧いた段階で本筋をガツンと展開する戦略です。実際、第5巻まででニコ達のキャラはしっかり立ちましたし、読者も彼らに情が移りましたよね。だからこそ終盤の黒魔女の襲撃シーンでは「ニコが危ない!」と心底ハラハラできたわけです。篠原先生は『彼方のアストラ』で緻密な伏線回収をやってのけた実績もありますし、本作でもどこかで物語を大きく動かすはず。その時の読者の没入感を最大化するために、まずギャグで世界観とキャラをしっかり固めたんだと思います。実際AQMさんも「物語の縦軸(予言)の扱いは序盤ゆえ放置気味。でも特に支障なし」と述べており、まずは仲間集めと土台固めに注力している段階だと分析しています。第5巻時点は序盤の山場といえるでしょう。ミハル加入で戦力が揃い始め、いよいよ黒魔女編が本格化する布石が敷かれました。今後の展開予想としては、黒魔女側にも使い魔や手下がいるはずなので、ニコ達チームVS黒魔女軍団の構図になっていくのでは?その過程で各キャラの過去や因縁も描かれるかもしれません。例えばモリヒトの鬼の力の秘密や、カンシと鬼族の因縁なんかも伏線として残っています。ネムもまだ完全には自分の正体を皆に明かしていない状態ですし、ケイゴの“ウルフ”人格の制御問題も今後クローズアップされそうです。そう考えると第5巻は、新戦力加入で物語が大きく舵を切り始めた転換点。篠原先生はおそらく緩急の付け方がお上手なので、ここから先はギャグの合間に徐々に伏線を回収しつつ、一気にクライマックスへ雪崩れ込む展開もあり得ます。読者としては笑わせてもらう準備も涙する覚悟も万端にして、この先の物語に臨みたいですね。
読者の反応
第5巻発売後、SNSや書評サイトでも盛り上がりを見せました。読者の声をポジティブ・ネガティブ双方からいくつか拾ってみましょう。※Twitter等の投稿より要約。
ポジティブな反応(好評) 🟢
- 「ギャグのキレが最高! ずっと笑いっぱなしで幸せ」
- 「キャラ同士の掛け合いが面白すぎる。テンポ良くてクセになる」
- 「新キャラのミハル登場にワクワク!今後の展開が楽しみすぎる」
- 「笑ってたら不意に熱い展開が来て驚いた。 シリアスとのギャップがたまらない」
- 「ニコとモリヒトのデート回尊すぎ…😂 二人の関係にキュンとした」
第5巻を絶賛する声としては、「笑いのセンスが抜群」「テンポが良く飽きない」といった意見が目立ちました。昭和的なベタギャグから現代的なネタまで豊富に盛り込まれたギャグセンスにハマる人が続出。「毎週ジャンプで一番の癒やし」「今一番笑える漫画」と推す声もあり、篠原先生ならではの多彩な笑いを評価する読者が多いようです。また「ニコとモリヒトが可愛い」「ほんのりラブコメ要素にキュンキュンする」との声もあり、恋愛面での進展に触れた読者も。新キャラ・ミハルはその独特なキャラクター性がウケて「ミハル面白すぎ!」と早くも人気者になっていました。総じて「めちゃくちゃ面白い!テンポがクセになる!」という絶賛コメントが多数見られ、第5巻はシリーズ中でもかなり評判が良い印象です。
ネガティブな反応(賛否両論・批判) 🔴
- 「ギャグのノリについていけない所があった…ちょっと寒いかも」
- 「シリアスとコメディの落差が激しくて戸惑う。どっちに集中すればいいの?」
- 「生徒会の下りは好みが分かれそう。ギャグが若干クドいと感じた」
- 「黒魔女の話が進まなくてヤキモキ。もう少しストーリーを動かしてほしい」
- 「1話完結で当たり外れがあるかな…。ハマる回とそうでない回の差がある」
否定的な意見としては、「ギャグが合わない」「ノリが古臭く感じる」という声が少数ながらありました。特に普段あまりギャグ漫画を読まない層や若い読者の中には、「ツッコミが多すぎて疲れる」「内輪ノリに感じた」といった指摘も。篠原先生のギャグはテンポが独特なため、人によっては“滑っている”ように思えてしまう部分もあるのかもしれません。また物語のトーンについて、「シリアスとギャグの切り替えが急でちぐはぐ」という声も見られました。「笑っていたら急にバトルでシリアスになるのが落ち着かない」という意見ですね。ただ、これに関しては「むしろその落差が病みつき」「ジャンル混在がウリ」と擁護するファンも多く、感じ方は様々なようです。ストーリー進行に関しては、「主要ストーリー(黒魔女関連)の展開がゆっくり」「日常回が多くてじれったい」との指摘もちらほら。とはいえ「まずはこのノリを楽しめるかがポイント。ハマれば中毒になる」と総括する声もあり、合う合わないがハッキリ分かれる作品とも言えそうです。
以上、賛否両論の声を紹介しましたが、総合的には圧倒的にポジティブな評価が多い印象でした。特に第5巻は「シリーズ中でも一番笑った」「神巻!」といった声も上がっており、読者満足度はかなり高かったようです。皆さんの感想もぜひコメント欄で教えてください!あなたは第5巻、どう感じましたか?😊
次回への期待
怒涛の展開で幕を閉じた第5巻。この続き、第6巻への期待も高まります!ここからは次巻で注目したいポイントや展開予想を語ってみましょう。
まず何と言っても、新メンバーミハルが乙木家に加わったその後が楽しみです。人間嫌いで山奥に引きこもっていた彼が、ニコたちと共同生活を始めるとなれば波乱は必至!?第5巻ラストでも早速「男子ばかり増えてニコの逆ハーレム状態だね」とネタにされていましたが、ミハル含めた男子4人+ニコ(+たまにネム?)という賑やかな乙木家で一体どんな騒動が起こるのか…。ミハルは空気の読めない発言で周囲を振り回すタイプなので、ボケまくるカンシ&ミハルにモリヒト&ケイゴが総ツッコミみたいなドタバタ劇が繰り広げられそうです。家事とかちゃんとできるのかなこの子…と余計な心配までしてしまいます(笑)。まずはミハルの学校編入なんかもあるかもしれませんね。中学生ですが飛び級的に翌檜高校に通う展開も面白そう。ニコたちのクラスに入ったら女子が放っておかないかも?なんて妄想も膨らみます。
そして生徒会執行部との攻防も引き続き描かれそうです。清宮会長は相当モリヒトを気に入った(目を付けた)様子でしたから、今後もことあるごとに勧誘してくるでしょう。モリヒトが逃げ回り、生徒会がしつこく追いかけるというコメディの鉄板パターンがしばらく続きそうですね。モリヒトは人が良いのでお願いされたら結局手伝っちゃいそうな気もしますが…果たして根負けして“名誉生徒会員”になってしまうのか!?個人的には、生徒会メンバーそれぞれとのエピソードも見てみたいです。ロボ女子の正体とか、和ロリ・洋ロリ双子のバックグラウンドとか、気になるネタがいっぱい。第6巻以降で 生徒会メンバーの掘り下げ 回なんかもあると盛り上がりそうですね。モリヒトと清宮会長のバトル(?)も再戦必至でしょうし、その際にモリヒトが鬼の力を本格的に使う場面もあるかも…?(生徒会長に本気パンチはやりすぎかな😂)
物語の本筋では、黒魔女との戦いがいよいよ本格化しそうです。ミハルという心強い仲間も増え、ニコの予言された“災いの日”も刻一刻と近づいているはず。黒魔女側もそろそろ動きを活発化させる頃合いでしょう。これまでは黒幕的に暗躍していた黒魔女ですが、次巻あたりでついに黒魔女本人(もしくは幹部格)が姿を現す展開もあり得るのではないでしょうか。ニコ奪取を狙って、新たな刺客や使い魔とのバトルが勃発するかもしれません。ケイゴの裏人格ウルフも戦力として鍵になりそうですし、ネムも正式にチームに加われば魔女2人体制でパワーアップです。誰がどんな活躍を見せてくれるのか想像するだけで胸が高鳴ります。また、モリヒトとニコの関係性にも注目。第5巻で少し距離が縮まった二人ですが、次はお互いをもっと意識するようなイベントがあるのでは?例えばお祭りや学園祭エピソードで、偶然いい雰囲気になっちゃう…なんて王道展開も期待しちゃいます。ネムやケイゴの恋模様も進展があるかもしれませんね(ネム→モリヒトの片想いが実るのか、はたまたケイゴ←→ネムの予感も…?)。ラブコメ好きとしてはそちらも見逃せません。
最後に、ファンの一人として願望も込めて言えば、第6巻以降もこの作品らしさ全開のまま突き進んでほしいです!篠原先生なら、シリアスが増えてもギャグの火は絶やさないと信じていますし、むしろ緊迫した状況下でのギャグなんて最高に面白いはず。ニコたちの絆もさらに深まっていくでしょうし、読者としては笑いながらも全力で彼らを応援したい気持ちです。次巻ではどんな魔法とハプニングが待っているのか、今から発売日が待ち遠しいですね。「次はこう来たか!」と驚かされる展開を大いに期待しています。
関連グッズ紹介
『ウィッチウォッチ』の世界をさらに楽しみたい!という方のために、関連グッズやアイテムもいくつか紹介します。漫画を読むだけではもったいない、作品の魅力を日常に取り入れてみませんか?
- 公式キャラクターグッズ:ジャンプキャラクターズストアなどでは、本作のユニークな世界観を反映したグッズが販売中です。例えば劇中でモリヒトが叫んだ中二ワード「ブラック・ダークネス・イン・ジ・アビス・オブ・ザ・ユニバース」がプリントされたド派手なTシャツは、ファンなら思わずクスッとしちゃう一品。他にも各キャラをイメージしたアクリルキーホルダーやミニキャラの缶バッジ、作中アイテム風のステッカーなど、さりげなく身につけて楽しめるグッズが揃っています。
- フィギュア&プライズ:キャラクター達を立体で愛でたい人にはフィギュアがおすすめ。2025年9月には、デフォルメ座りポーズが可愛い「るかっぷ」シリーズから若月ニコのフィギュアが登場。ニコが上目遣いでこちらを見る姿にキュンとします💕。また、2026年にはバンプレストのLuminastaシリーズで宮尾音夢(ネム)のフィギュアもリリース予定。ネム推しの方は必見です!さらにメガハウスのG.E.M.シリーズからは手のひらサイズの「ニコちゃん」フィギュアも企画中とのことで、今後ますますフィギュア展開が充実しそうです。
- ぬいぐるみ&クッション:可愛いもの好きにはふわふわのグッズも。劇中劇『うろんミラージュ』に登場するキャラを模したビッグおまんじゅうクッションなんてユニークなアイテムも発売予定。また、「コレぬい!」シリーズからニコやモリヒトたち主要キャラのコレクションぬいぐるみもリリース決定。デフォルメされた抱きぐるみは机に飾っても癒やされます。推しキャラをぜひお部屋にお迎えしましょう!
- コミックス関連:もちろん基本は漫画!という方には、コミックス全巻セットや関連書籍もご紹介。現在第1巻~最新巻(21巻まで)が発売中で、一気読みしたい人向けに全巻セット販売もあります。物語が大きく動く第5巻を読んだ後は、ぜひ続巻も手に取ってみてください。さらに作品世界を深掘りできる公式ファンブックや設定資料集が将来発売される可能性もありますし、キャラクター人気投票の結果発表号(週刊少年ジャンプ掲載)なども要チェックです。
- アニメ関連グッズ:2025年4月から待望のTVアニメ放送もスタートし、アニメ化に合わせたグッズ展開も盛んです。Blu-ray/DVDはもちろん、アニメ描き下ろしイラストを使ったクリアファイルやポストカード、キャラクターソング収録のサウンドトラックCDなど、コレクター心をくすぐるアイテムが多数。特にアニメイト限定の全巻購入特典付きBlu-rayはファン垂涎の内容(描き下ろしイラストグラフや缶バッジセット付き)となっています。お部屋を彩る 1000ピースのジグソーパズル なんてものも発売されており、作中の名シーンをパズルで楽しむなんて粋な時間の過ごし方もできます。
上記のように、『ウィッチウォッチ』の魅力を味わえるグッズは続々登場中です。お気に入りのキャラグッズを身につければ、日常生活でも魔女と使い魔たちのドタバタ劇を思い出してクスッと笑顔になれること間違いなし!商品は公式通販サイトやアニメショップで手に入りますので、興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。作品を読んだ後はグッズでも余韻を楽しんで、ウィッチウォッチ沼にどっぷり浸かっちゃいましょう!
まとめ
『ウィッチウォッチ』第5巻は、笑いあり、ほんのり恋模様あり、そして物語が大きく動き出した重要回でした。ニコとモリヒトの絆が深まり、新キャラ・ミハルの参戦でチームはますます賑やかに。一方で黒魔女の魔の手も迫り、物語は新章突入の予感です。総合評価をつけるならば星⭐⭐⭐⭐⭐!(満点!)と個人的には大絶賛。ドタバタの中にもキャラクターの成長と伏線がしっかり織り込まれており、「さすが篠原先生、笑わせながらも抜かりないなぁ」と感心しきりでした。
第5巻はまさに 「笑撃(しょうげき)の神回」 と呼ぶにふさわしい内容だったと思います。読んでいる最中は何度も声を出して笑い、最後には「次の巻早く読みたい!」と興奮冷めやらぬ状態に。涙あり笑いありのエンタメ作品って本当に心に元気をくれますね。物語はいよいよ佳境に向けて加速していきそうで、今後の展開からもますます目が離せません。
引き続き、魔女と使い魔たちの奇想天外な日常を追いかけていきたいと思います!皆さんもぜひ第6巻以降もチェックして、一緒に『ウィッチウォッチ』を楽しみましょう。そしてこの記事を読んで「第5巻読んでみようかな」と思った方は、ぜひ実際に手に取ってみてくださいね😉。笑い転げる準備だけはお忘れなく!
最後までお読みいただきありがとうございました。第5巻を既に読んだ方もこれから読む方も、感想や考察をぜひコメントで教えてください。「あなたの推しキャラは誰?」「お気に入りのエピソードは?」などなど、盛り上がっていただけたら嬉しいです。次回のレビュー記事でまたお会いしましょう!🎉
皆さんは『ウィッチウォッチ』第5巻、どう感じましたか?ぜひSNSやコメント欄で教えてください!一緒に語り合いましょう✨
