
週刊少年ジャンプ連載中の人気コメディ漫画『ウィッチウォッチ』第16巻が発売されました!今回は幼児化してしまったヒロイン・ニコをめぐるドタバタ育児コメディが本格スタートし、新たなキャラクターも加わって物語が新章に突入しています。シリアスな前巻までとは打って変わって、笑いあり癒しありのエピソード満載で、読了後は思わず頬が緩んでしまいました。この記事では第16巻の見どころや深掘り考察を交えつつ、作品の魅力をレビューしていきます。クリスマス回のほっこりサプライズから、新キャラ登場による笑撃(しょうげき)の展開まで、ファンなら見逃せないポイントが盛りだくさん!未読の方にも分かりやすくネタバレを極力控えて紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
著者紹介
本作の著者は篠原健太さんです。篠原健太さんは少年ジャンプで大ヒットした学園コメディ『SKET DANCE(スケットダンス)』や、SF冒険譚『彼方のアストラ』で知られる人気漫画家です。ギャグからシリアスまで幅広い作風を得意としており、笑いと感動を巧みに織り交ぜるストーリーテリングに定評があります。『ウィッチウォッチ』でもその持ち味が遺憾なく発揮されており、魔女と使い魔のファンタジー設定にコメディ要素やラブコメ要素、バトル要素まで盛り込むジャンル横断的な作風が魅力です。特に第16巻では、シリアスなバトル展開を一段落させた後に緩急をつけてコメディ色を強めており、篠原先生の引き出しの多さを感じられます。前作『SKET DANCE』でも小ネタやパロディ満載のギャグが人気でしたが、本作でも流行ネタの取り込みやテンポの良い掛け合いで読者を飽きさせません。「読者を笑わせつつ、ときにホロリとさせる」——そんな篠原健太さんの真骨頂が詰まった一冊と言えるでしょう。
登場人物紹介
主要な登場人物と、第16巻での見どころを紹介します。(人物名は敬称略)
- 若月ニコ(ニコ) – 本作の主人公でドジっ子な白魔女。幼馴染のモリヒトを使い魔(守り役)として共に暮らしています。前巻の事件で魔法の副作用により5歳児の姿に幼児化してしまい、第16巻では好奇心旺盛で無邪気な幼ニコとしてみんなを振り回します。小さくなっても魔力は健在ですが、まだ子供の姿ゆえ魔法のコントロールはさらに危なっかしく…? 可愛らしさMAXのニコが、クリスマスではサンタを楽しみにしたり、新しいお友達(使い魔)と遊んだりと大活躍します。
- 乙木守仁(モリヒト) – ニコの幼馴染で鬼(オニ)の血統を引く高校生。ニコの予言された災いを防ぐために使い魔(守護者)となり、乙木家で同居しながらニコを守っています。真面目で責任感が強く、第16巻では保護者スイッチ全開で幼児化したニコのお世話に奮闘します。超人的な怪力と冷静沈着さで仲間たちをまとめる“乙木家のリーダー”ですが、今回はサンタ役を買って出るなどお茶目な一面も披露。幼いニコに甘々になってしまうモリヒトの姿は必見で、読者からは「保護者力が高すぎる!」と評判です。
- 風祭監志(カンシ) – ニコの高校での同級生で、天狗の末裔という使い魔の血統を持つ少年。普段はクールな観察眼を持ち、ニコ達をサポートします。第16巻では彼ならではのぶっ飛んだギャグが炸裂。例えば“王様ゲーム”的なエピソードでの「草履を舐めておきました!」という全力のボケは、他作品『逃げ上手の若君』の奇人キャラを彷彿とさせるハイテンションぶりで、思わず爆笑してしまいました。シリアス時とのギャップも相まって、カンシの活躍シーンは読者の笑いをさらっています。
- 真神圭護(ケイゴ) – ニコとモリヒトのクラスメイト。実は黒魔女事件を機に先祖返りで覚醒した狼男(オオカミ男)の血を引く使い魔です。陽気でムードメーカー的存在で、第16巻ではゲーム好きな一面を発揮します。彼が提案した「酢イカゲーム」(某フルーツ落としパズルに激似のゲーム)では、モリヒトが異様な集中モードに入り込み周囲がドン引きする場面を作り出すなど、大いに笑わせてくれます。また、クリスマス作戦ではトナカイ探しに奔走したりと縁の下の力持ちとしても活躍しました。
- 霧生ミハル(ミハル) – 中学生だった祓魔師の家系の少年で、第15巻でニコ達に合流した吸血鬼のような能力を持つ使い魔です。もともと年下ポジションでしたが、ニコが幼児化したことで「末っ子の座」を奪われ若干ジェラシー? 第16巻ではその発言がきっかけで新使い魔召喚の流れになり、自身も大人化するハプニングに見舞われます。ひょんなことから24歳の姿に成長したミハルが登場し、普段とのギャップに読者は大興奮!「実はイケメン」「大人版も可愛い」と話題になりました。とはいえ基本はニコを「お姉ちゃん」と慕う弟キャラで、幼児化ニコのお世話に甲斐甲斐しく協力する健気な姿にほっこりします。
- 白仙モモチ(モモチ) – 豊満なナイスバディの白魔女。ニコのお世話係として途中から乙木家に加わった頼れるお姉さんです。料理や家事をこなしつつ、個性的すぎる乙木家メンバーのまとめ役でもあります。第16巻では彼女発案でニコに新しい使い魔を付けようと提案したり、クリスマス作戦でも「スナック・モモチ」なる即席バーで大人たちをねぎらったりと大活躍。面倒見の良さと豪快な性格で、乙木家にもう一人の保護者が増えた安心感があります。時に魔法でド派手な失敗もしますが、それもご愛嬌。モモチの包容力が物語全体の安定剤となっています。
- 宮尾音夢(ネム) – 隣町に暮らす同年代の黒猫系魔女。当初は猫に化けて乙木家を偵察していましたが、今ではニコの友達として協力しています。控えめで優しい性格ながら、いざという時は頼りになる存在です。第16巻のクリスマス回では、みんなのために魔法を駆使して大奮闘!幼いニコの夢を守るため、魔女仲間として力を貸す姿が描かれています。そのシーンは「ネムちゃん健気すぎて泣ける」「友情に胸が熱くなった」と評判で、彼女の株がさらに上がったようです。今後、恋の予感も…?ケイゴに想いを寄せる描写もあり、彼女の今後の動向にも注目です。
- 次萩フラン(フラン) – ミハルの幼馴染である天才発明家の少女。身体が弱いため普段は自作のロボットを遠隔操作して学校に通っていましたが、第16巻で本人がついに乙木家に登場!白衣に眼帯姿というキャラ濃い風貌で、発明好きゆえの好奇心からニコ達の作戦に協力します。作中では「新グロウオールド10」なる10歳老ける薬を発明し、モリヒトのサンタ変装を手助けしました。ロボット越しでは見えなかった素のフランは意外にも礼儀正しく可愛い子で、読者から「フランちゃん実物めっちゃ可愛い!」と大好評。彼女の発明品は物語を盛り上げるキーアイテムになることも多く、今巻でも大活躍でした。
- ドラゴンのバン(バン) – 第16巻で新たに加わった竜の使い魔。ニコのお世話役として召喚された動物使い魔で、一時的に人間の姿にもなれる超レア存在です。人間態のバンはギザ歯がトレードマークのサバサバした姉御肌美女。しかし中身は酒好き・ギャンブル好き・昼寝好きという自由奔放さで、良くも悪くもズボラな酔っぱらい姉ちゃんです。幼いニコにとっては友達感覚で接してくれる頼もしさもありつつ、部屋を散らかしたり豪快に飲んだくれたりと問題児ぶりも発揮…。乙木家の空気がどう変わるか心配されましたが、「こんな使い魔アリ!?」と思うほど破天荒なのに憎めないキャラで、登場早々一家にも読者にもすっかり馴染んでいます。ニコの保護者役というよりは飲み友達?な感じですが、それゆえ今後も波乱を呼び込みそうな注目キャラです。
以上が主要メンバーです。このように個性派ぞろいのキャラクター陣が勢揃いし、第16巻ではそれぞれに見せ場があります。大家族のホームコメディさながらの掛け合いは、本作の大きな魅力ですね。それでは続いて、本巻のストーリー概要をネタバレ控えめに振り返ってみましょう。
あらすじ
第二部「小さな魔女の冒険」編、開幕!黒魔女との死闘を経て、幼児化してしまったニコと乙木家の仲間たちの日常が描かれる第16巻。そのストーリーを序盤から順に簡単にご紹介します。
前巻で続いていたシリアス展開が一段落し、物語は穏やかな日常へ。一時的に5歳児となったニコは乙木家の新たな末っ子として皆に可愛がられる存在になります。ところが、元末っ子のミハルが「ニコに弟ポジションを取られた…」と拗ねたことからひと騒動。「それならニコにも自分のお世話係(弟分)を付けてみては?」と白魔女モモチが提案し、一行は動物の使い魔を召喚することに。こうして開かれた“公開オーディション”形式の使い魔召喚では、ニコが手をかざすたびにサル、ウサギ、ウマ…と次々動物が出現します。しかし出てくるのはなぜか干支の動物ばかり。実はニコが最近干支の絵本にハマっていた影響で、思い浮かんだ動物が次々召喚されてしまっていたのです。なかなか「これだ!」という相棒に巡り合えず苦戦するニコ。そして次に現れたのは、なんと伝説のドラゴン!現れたドラゴンの少女バンは見事ニコに気に入られ、新しい使い魔として契約成立となりました。こうして乙木家に新メンバー・バンが加わり、新生乙木ファミリーでの賑やかな生活がスタートします。
新生活にはハプニングがつきもの。バンが来たことで早速乙木家はてんやわんやです。例えば、バンがニコを“王様”にする魔法を披露した際には大混乱!ニコが一時的に女王様気取りになってしまい、モリヒト以下使い魔男子たちは強制的に家来役にされてしまいます。忠実な執事に扮したモリヒトが「天国の先代がお見守りです」と即興の設定を語り出したり、ミハルやケイゴも個性全開の忠臣キャラになりきったりと大盛り上がり。中でもカンシの暴走っぷりは凄まじく、ニコ様のために本当に草履を舐める奇行に走る始末!これには「さすがにやり過ぎだよ!」と一同大爆笑で、緊迫感ゼロの王様ゲームとなりました。ドタバタ寸劇の末、魔法は解け元通りになりますが、仲間たちの結束はより強まったようです。
そんな腹筋崩壊エピソードの後には、奇妙な魔法事故も発生します。ある日モリヒトがクラス委員長と動きがシンクロしてしまう魔法にかかってしまうのです。体が勝手に他人の動きを真似てしまうせいで、普段冷静なモリヒトが大苦戦!授業中に突然奇行を始めてしまったり、涙目で耐える姿はシュールで抱腹絶倒ですが、本人にとってはかなりの恐怖体験です。さらには「初心者が陥りがちなホラーゲームあるある」的な展開にも巻き込まれ、モリヒトは散々な目に…。しかし最後は綺麗にオチがついて一件落着し、笑いと共に安心感も得られるエピソードでした。
また別の日、ケイゴが発案した「スイカ割りゲーム」ならぬ「酢イカゲーム」が乙木家で流行します。次々と落ちてくる“フルーツ”ならぬ“イカ”を揃えて消すこのパズルゲームに、モリヒトはすっかり没頭。ガチゲーマーさながらに目を輝かせてスコア更新に燃えるモリヒトに対し、周囲は思わずドン引き…。ゲーム実況じみた独り言をブツブツ呟く彼の姿に、「モリヒト、スイッチ入りすぎ!」と全員苦笑いです。それでもなんとか高難度をクリアした瞬間、モリヒトの脳裏に名作ゲームのエンディング映像が流れるという謎の感動演出が発生し、一同大爆笑。笑いすぎて涙が出るほどのコメディ回となりました。
そして迎えたクリスマスイブ。幼いニコは友達から「サンタなんていない」と言われショックを受けますが、モリヒトは夢を壊さないよう「サンタはいるよ」と優しく嘘をついてしまいます。するとニコは「イブの夜に絶対サンタを見る!」と宣言。こうして乙木家メンバーはニコに正体がバレないよう本物のサンタを演出する大作戦を決行することに!モリヒトがサンタクロースに変装し、バンとモモチが“飛行トナカイ役”として空を飛ぶ手助け、本物のトナカイはどう用意する?など、みんなで知恵を出し合いながら準備を進めます。フランの発明した薬でモリヒトは10歳老化し、見た目も年配のサンタに変身成功。さらにネムの魔法で“空飛ぶソリ”の演出も完璧に!クリスマス当日、ニコは大興奮でサンタさんを待ち構えます。乙木家総出のサンタ作戦は果たして上手くいくのか…?結末はぜひ本編で確かめてみてください。ニコの瞳に映った“サンタさん”の姿に、思わず心が温まること間違いなしです。
物語はこの後、お正月エピソードへと続きます。年明けにモリヒトのお父さんが久々に帰省し、幼くなったニコや増えた同居人たちに仰天。宴会ではモリヒトが魔法の影響で一人酔っ払い状態になり、「相手がいないのに絡み酒!」という珍事も発生します。父は腰を抜かし、モモチは急遽スナックのママに扮して場を仕切るなど、最後まで笑いの絶えない展開に…。しかし家族団欒の温かみもあり、新年にふさわしいほっこりエンドとなりました。
以上、第16巻は新章序盤のエピソード盛りだくさんで進行します。大きなバトルはお休み中ですが、代わりにキャラクターの日常の魅力がぎゅっと詰まった構成でした。幼いニコを中心に繰り広げられる騒がしくも心温まるストーリーの数々に、読者は癒やされること間違いなしです。
感想
第16巻を読み終えて、まず感じたのは「本当に笑って癒やされた!」の一言です。前巻までのシリアス展開で張り詰めていた空気が、この巻では一気にコメディ色に転じており、その緩急のつけ方が見事でした。幼児化したニコがとにかく可愛くて愛らしく、彼女を囲むモリヒトたちの過保護っぷりにクスッとさせられます。特にクリスマス作戦でのモリヒトの奮闘ぶりには、「いいお父さんすぎる!」と感心しつつ大笑いしました。全力でニコの夢を守ろうとする姿は微笑ましく、家族愛のような温かさすら感じます。サンタクロースに変装し肌年齢まで誤魔化そうとするなんて、あまりに本気で思わずほろり。最後にサンタさんを見上げるニコの笑顔には、こちらまで胸が熱くなりました。
ギャグシーンに関しては、篠原先生らしいキレキレのセンスが炸裂していましたね!使い魔オーディションで干支の動物ばかり出てくるくだりはシュールすぎて笑いましたし、バン登場後の王様ごっこではページを捲る手が止まらないほど爆笑しました。とりわけカンシの「みんなそうだわ!!」というツッコミ(バンの自堕落な人生哲学への即ツッコミ)はタイミングも台詞回しも絶妙で、久々に声を出して笑いました。また各話で散りばめられたパロディネタも秀逸です。ワンピースの「天竜人」やバイオハザードのゾンビネタ、さらには社会現象になった某スイカ落としゲームまで、お笑いのネタとしてしっかり作品に取り入れてくるのはさすが。ジャンプらしく小ネタの宝庫で、「次はどんなネタが来るんだ?」とワクワクしながら読めました。
新キャラのバンも予想以上に良い味を出しています。最初は「竜の使い魔なんて強そう!」と思いきや、中身は酒豪のダメ人間キャラでギャップが凄い(笑)。だらしない姉ちゃんっぷりにツッコミが追いつかないほどですが、それでいて根は憎めず可愛げがあるのが不思議なキャラです。乙木家の雰囲気を一変させるかと思いきや、実際は元からカオスな一家にさらに笑いの種が増えた感じで、個人的には大歓迎でした。今後ニコとの姉妹のような絡みも増えそうで楽しみです。フランも今回ついに本人登場となりましたが、ロボット越しより感情豊かで魅力的でしたね!天才発明家だけどどこか不器用な感じが可愛らしく、ミハルとの掛け合いも微笑ましかったです。
全体を通して、第16巻はキャラクター愛がより深まる巻でした。大事件は起こらずとも、日常の中でキャラそれぞれの個性が輝き、読者としては「こういうエピソードもっと見たかった!」と感じる場面が多々ありました。シリアス展開が好きな方には物足りない部分もあったかもしれませんが、私はこの穏やかなホームコメディ回こそ必要な癒やしだったと感じます。激動の展開が続いた後だからこそ、生まれ変わった日常の尊さが染みるといいますか…。篠原先生の緩急の付け方、構成力には改めて脱帽です。
強いて気になった点を挙げるとすれば、物語の本筋(黒幕の謎など)は今回は進展しなかったため、先が気になってヤキモキした部分もありました。しかしそれを補って余りある笑いと温かさがあったので、大きな不満は感じませんでした。むしろキャラクターに感情移入する時間がしっかり取られたことで、次のシリアス展開に向けて心の準備ができたようにも思います。読後は「ウィッチウォッチってやっぱり良いなあ…」と幸せな気持ちになれる、素敵な巻でした。
考察・解説
第16巻はギャグ満載の幕間的エピソード集でしたが、その裏にはいくつか興味深いポイントやメッセージが隠れているように感じました。ここではストーリーの背景や作品全体のテーマに絡めて、深読み考察をしてみます。
まず注目したいのは、「家族」と「成長」のテーマです。ニコが幼児化してしまったことで、乙木家の仲間たちはまるで親や兄弟のように協力し合って彼女を育てています。血の繋がりはなくとも、疑似家族的な強い絆が生まれている点が印象的でした。篠原先生の前作『SKET DANCE』も学校での疑似家族的なチームワークがテーマでしたが、本作でも仲間との共同生活を通じて家族愛に似た温かみが描かれています。クリスマス回での総力戦などはその象徴でしょう。みんながニコの笑顔を見るために奔走する様子は、まさに「家族が幼い子を喜ばせようとする姿」そのものです。それぞれ訳ありで寄り集まったメンバーが、今や一つ屋根の下で本当の家族のようになっている——この変化は物語序盤の頃から考えると大きな成長ですよね。読者としても彼らを見守る気持ちになり、ほっこりしてしまいました。
また、ニコが幼児化している間は「敵も襲ってこない」という予言の設定があり、ストーリー上バトル要素が一時休止しています。この設定、巧みだと思いませんか?作者は敢えてニコを幼児にすることで物語の緊張感を緩め、コメディとキャラ描写に舵を切ったわけです。少年漫画では激しい戦いの合間に日常回やスピンオフで緩和する例も多いですが、本作は本編の中で大胆に路線変更してしまうのがユニークです。例えば『SPY×FAMILY』のアーニャ、『よつばと!』のよつばなど、“幼い女の子と保護者”の組み合わせは鉄板の微笑ましさがありますが、篠原先生はそれを自作の中盤で実行してきました。しかもニコが幼児化する理由付けが、モリヒトを救うための自己犠牲というシリアス展開に絡められており、違和感なく受け入れられます。こうしたストーリーの味変(あじへん)の巧さには感心しました。ニコが元に戻る日がいつか来るとしても、この幼女編で蓄積された仲間たちの絆やキャラ人気は作品に深みを与えていると思います。「もしこのパートが大好評で終わらなくなったらニコ一生幼児のまま!?」なんて冗談もファンの間で飛び交っていますが、それくらい第二部の路線は魅力的だということでしょう。
さらにメタ的な視点ですが、第16巻では現実世界のトレンドや他作品オマージュが多数登場しました。これは篠原作品の特徴でもありますが、例えばスイカゲームのパロディやワンピースネタなど、その時期に話題のネタを積極的に取り入れて笑いに昇華しています。これにより読者は「あるある!」と共感したり、思わぬクロスオーバー感を楽しめますよね。特に酢イカゲーム回のモリヒトの没入っぷりは、ゲーム好きなら「いるいる、こういう人!」と感じたのではないでしょうか。篠原先生自身ゲーム好きなのかも?と思わせるリアルな描写でした。こうしたポップカルチャーの取り込みは、『SKET DANCE』でもよく見られた手法で、読者との距離をグッと近づける効果があります。本作でも読者層である学生や若者たちに寄り添ったネタ選びが光っており、SNSで拡散される要因にもなっていると感じます。
ストーリー展開について考えると、今回は黒幕との戦いに向けた充電期間とも捉えられます。黒魔女編で未解明の謎——黒幕の正体や「災いの予言」の真意など——は引き続き残されたままです。第16巻でそれらに直接触れることはありませんでしたが、裏を返せば今は嵐の前の静けさとも言えます。ニコが幼児の間は敵が来ないという保証付きなので、仲間たちは英気を養い絆を深めている最中なのでしょう。物語的にも、こうした穏やかな日々があるほど、いざ次に脅威が訪れた時の緊張感や団結が際立つはずです。実際、巻末ではモリヒトの父が登場したりと次章への布石らしき動きも感じました。お父さんから何か重要な話があったのか、この先の展開を考えるとワクワクします。
最後に個人的な深読みポイントとして、ニコとモリヒトの関係性にも触れたいです。今巻はニコが子供姿ということでラブコメ要素は一時停止中ですが、その分モリヒトのニコへの優しさや愛情がストレートに描かれていたように思います。恋愛感情というより保護者愛に近い形ではありますが、モリヒトがここまで一生懸命ニコのために尽くす姿は、根底にある絆の深さを再認識させてくれました。ニコが元の年齢に戻った時、二人の関係がどう変化するのか非常に楽しみですし、今回の幼児編で培った信頼はきっと今後の展開で活きてくるでしょう。
以上、第16巻の裏側にあるテーマや仕掛けについて考察してみました。表面的にはギャグ満載の回ですが、その実家族的絆の育みや物語のギアチェンジなど、作品を長く盛り上げるための工夫が凝らされていたように感じます。篠原健太先生の作品づくりの巧みさに、改めて唸らされた巻でもありました。
読者の反応
第16巻に対する読者の反応も大変盛り上がっています。SNSや書評サイトを覗くと、好意的な声が多く見られましたが、中には率直な意見や要望も。ここではポジティブな反応とネガティブな反応をそれぞれいくつか紹介し、その傾向をまとめてみます。
●ポジティブな感想:
- 「終始笑いっぱなし!ニコ幼児化編、癒やされるし最高に面白い!」
- 「新キャラのバン姐さん良すぎ!キャラ増えても全員ちゃんと活躍しててすごい」
- 「クリスマス回、ほろっと涙が出た。ニコちゃん幸せそうでこっちまで嬉しい」
- 「他作品ネタ満載で爆笑。スイカゲームのくだりは笑いすぎてお腹痛い!」
- 「幼ニコ可愛すぎ問題…。守仁の保護者っぷりにもキュンとした」
●ネガティブな感想:
- 「ギャグばかりでストーリーが進まないのが少し物足りないかも…」
- 「ニコが子供の間はモリヒトとの恋愛要素ゼロで寂しい。早く元に戻ってほしい」
- 「バンがお酒飲みすぎで子育て大丈夫?(笑)もう少し常識人キャラかと思った」
- 「シリアス展開派の自分には今回ゆる過ぎたかな…。黒幕の動きも見たかった」
- 「キャラが多くて把握が大変。新規には入りづらい巻かもしれない」
▼読者の声 総評:
第16巻は概ね好評で、「笑った!癒やされた!」というポジティブな声が圧倒的でした。特に幼児化したニコの可愛さと、仲間たちのコメディエピソードには称賛が集まっています。「こんなに笑ったの久しぶり」「毎ページ爆笑」という声も多く、篠原先生のギャグセンスに改めてファンが惚れ直した様子です。また、新キャラ・バンへの反響も大きく、「個性的で好きになった」「早くもお気に入りキャラ」という声が上がっています。クリスマス回の心温まる展開には「泣けた」「尊い」といった感動の声もあり、笑いだけでなくハートフルな部分でも読者の心を掴んだようです。
一方でネガティブな意見としては、「物語の本筋が進まないことへの焦れったさ」や「ラブコメ要素・バトル要素が休止中なことへの不満」がちらほら見受けられました。特に黒幕の動向やニコとモリヒトの恋愛進展を楽しみにしているファンからは、「早く続きを知りたい」「このままギャグ路線で大丈夫?」といった声もあるようです。ただ、そうした声も「今は充電期間だと思って楽しむ」「ギャグはギャグで最高だからOK!」と前向きに捉えている人が多く、大きな炎上には至っていません。むしろ愛ゆえの期待の裏返しと言えるでしょう。キャラクター数の増加についても指摘がありましたが、「多いけどみんな活きてるから良し!」という肯定的な意見が勝っており、篠原先生の腕前への信頼が感じられます。
総じて、第16巻は笑いと癒やしで読者を満足させた一冊と言えそうです。SNS上でも「#ウィッチウォッチ」「#ニコ5歳」などのハッシュタグで盛り上がり、名シーンのスクショや感想ツイートが飛び交っています。特にクリスマス回のニコの笑顔やカンシの爆笑シーンなどは多く共有され、「分かる!」と共感の嵐でした。このようにポジティブな話題が広がると、新規読者も興味を持ちやすくなりますよね。ぜひ皆さんもコメント欄やSNSで、第16巻の感想をどしどし語ってみてください!
次回への期待
笑いに包まれた第16巻でしたが、物語はまだまだ続きます。次の第17巻以降、果たしてどんな展開が待っているのでしょうか? ファンとして今後に期待したいポイントを挙げてみます。
まず気になるのは、やはりニコが元の年齢に戻る時期です。幼児化したままでも可愛いので複雑な心境ですが、いずれは魔法が解けて高校生ニコに戻る瞬間が来るはず。その時、モリヒトや仲間たちはどんな反応をするのか、とても楽しみです。幼児編を経てニコ自身も心身共に成長しているでしょうから、元の姿に戻った際にはさらにパワーアップした白魔女ニコが見られるのではないでしょうか。モリヒトとの距離感にも変化があるかもしれませんね。ラブコメ再開となればファン大歓喜必至、ドキドキの展開を期待しています。
次に、本筋である黒魔女・黒幕との対決がどう再始動するかです。予言では「ニコが幼児の間は敵は来ない」とのことでしたが、裏を返せばどこかのタイミングで敵が再び動き出すのは確実です。第15巻での黒魔女との戦いでは黒幕の正体が未解明のままでした。この黒幕(ラスボス)が誰なのか、そして何を企んでいるのか、ファンの考察も白熱しています。第17巻のタイトルは「モンスターペアレンツ」でしたが、もしかすると親世代や過去の因縁に絡んだエピソードが描かれるのかもしれません。乙木家の父・久遠や、若月家(ニコの両親)の動きも鍵を握りそうです。16巻ラストで描かれたモリヒト父の帰省も、何か重要な示唆があったのではと勘ぐってしまいます。
また、仲間たちの今後の活躍にも期待大です。バンという戦力(?)が加わり、使い魔メンバーはますます賑やかになりました。戦闘になったらバンはドラゴン形態で暴れてくれそうですし、ケイゴの狼男パワーやカンシの天狗パワー、ミハルの吸収能力なども物語終盤できっと炸裂するはずです。ネムやモモチといった魔女組も含め、オールスター揃い踏みのバトル展開が来たら胸アツですね!さらに第16巻では描かれませんでしたが、黒魔女側についた(あるいは洗脳された)元友人・小麦の存在も忘れられません。彼女の行方や心境の変化も、次巻以降で語られることでしょう。和解できるのか、それとも…こちらも目が離せません。
そして、物語の転換期といえば新学期・進級イベント。実は次巻以降で時系列が進み、モリヒトたちは高校2年生に進級、ミハルも高校に入学すると予想されています。ニコが幼児のままだと学校へ通えませんから、そろそろ元の姿に戻る転機が来るかも?進級すれば新キャラ(新担任の先生や後輩など)の登場もありそうでワクワクします。なんとアニメ化も劇中で言及されるとの噂が…?(※第19巻サブタイトルが「Enter the Animation」なので、作中でもアニメ制作ネタがあるのかもしれません)。メタ的な遊びも含め、次巻以降もサプライズが盛り沢山になりそうです。
最後に個人的な最大の注目ポイントは、ニコとモリヒトの関係の進展です。長く幼馴染であり主従でもある二人ですが、物語序盤から少しずつ特別な感情が芽生えている描写がありました。幼児編を経て一旦ストップしているロマンス要素が、ニコ復活後にどう動くのか…ファンとしては期待せずにいられません!お互い大切な存在であることは間違いない二人。次回以降、改めて恋愛フラグが立ちそうなイベント(文化祭やバレンタイン、新入生歓迎会など?)も控えているでしょうし、篠原先生がどんな風にニヤニヤ展開を描いてくれるのか楽しみです。「守仁はニコが大人に戻ったとき超照れそう」「ニコが覚えてない間に守仁の好感度爆上げでは?」なんて妄想も膨らみます。
このように、第17巻以降への期待は尽きません。コメディで存分に笑わせてもらった分、次は物語が大きく動き出す予感がします。もちろん引き続き日常ギャグも織り交ぜながら、笑いとバトルと感動のジェットコースターが待っていることでしょう。予告や公式情報によれば、黒魔女との再戦や新学年での新展開が控えているとのことなので、ますます目が離せませんね。次回のレビュー記事を書く頃には、また違った盛り上がりをお届けできるかもしれません。「災いの日」の真相、ニコの成長、そして恋の行方——全てを見届けるまで、こちらも追いかけていきたいと思います!
関連グッズ紹介
『ウィッチウォッチ』の世界をもっと楽しみたい方のために、関連グッズや書籍もチェックしてみましょう。作品への愛着が深まること間違いなしのアイテムをいくつかご紹介します。
- コミックス全巻(1〜最新巻): まずは何と言っても原作コミックスです。今回レビューした第16巻はもちろん、第1巻から最新巻(現在第23巻まで発売中)まで揃えて読み返せば、物語の伏線やキャラの成長に新たな発見があるかもしれません。電子版も各種プラットフォームで配信中なので、スマホやタブレットで手軽に楽しめます。紙の単行本派の方は、本棚にずらりと並べてコレクションするのも良いですね。表紙イラストには毎巻趣向が凝らされており、並べるととてもカラフルで綺麗です。
- アニメ「ウィッチウォッチ」関連グッズ: 朗報です!『ウィッチウォッチ』は待望のテレビアニメが2025年4月より放送開始となりました。アニメ化に伴い、グッズ展開も充実しています。キャラクターのアクリルスタンドやキーホルダーはお気に入りの推しをデスクに飾るのにピッタリ。ニコやモリヒトの可愛いミニキャラ絵柄のグッズなど、SNSでも自慢するファンが増えています。さらに、公式缶バッジセットやステッカーなど手頃なアイテムも多数発売中です。アニメ絵柄のニコ(幼児Ver.)のグッズなんて今しか手に入らないかも!?ぜひアニメ公式サイトやジャンプショップオンラインをチェックしてみてください。
- キャラクター抱き枕・ぬいぐるみ: 抱き枕やぬいぐるみといった布系グッズも見逃せません。特にニコのちびキャラぬいぐるみは「抱きしめると癒やされる!」と評判です。劇中でニコが抱いている黒猫のクッションを再現したグッズや、モリヒトの鬼マーク入りパーカーを模したルームウェアなど、ファン心をくすぐるユニークな商品も登場しています。お部屋に飾れば、いつでもウィッチウォッチの世界観を感じられそうですね。
- 書籍・ガイドブック類: 作品をより深く知りたい方には、今後発売が期待される公式ファンブックや設定資料集も要チェックです(※執筆時点では未刊ですが、2周年を迎えた人気作なので企画があるかもしれません)。キャラクター人気投票の結果や、篠原健太先生のインタビュー、未公開ラフ画などが収録されたらファン垂涎間違いなし!発売情報はジャンプ公式サイトやTwitterで随時発信されると思うので、フォローしておくと良いでしょう。
- 他作品関連: 篠原先生の過去作品にも興味が出てきた方は、『SKET DANCE』全32巻や『彼方のアストラ』全5巻のコミックスもぜひ。実は『ウィッチウォッチ』には前作『SKET DANCE』のキャラがカメオ出演した回もあり、ニヤリとできる繋がりがあるんです。過去作のグッズ(SKET団のスイッチの帽子やボッスンのゴーグル風アクセなど)も探せばレアアイテムとして手に入るかも?ウィッチウォッチを入り口に篠原ワールドを遡ってみるのも一興ですよ。
上記のグッズや書籍は、全国のアニメイトやジャンプショップ、オンライン通販サイトなどで入手可能です。お気に入りのアイテムをゲットして、ウィッチウォッチ沼をさらに楽しんじゃいましょう!推しキャラグッズに囲まれれば、日常生活も魔法のように楽しくなること請け合いです。
まとめ
『ウィッチウォッチ』第16巻は、笑いあり涙ありの神回揃いで大満足の内容でした。幼児化ニコという衝撃の展開ながら、それを存分に活かしたホームコメディは読者の心をがっちり掴み、シリーズの新たな魅力を引き出したと言えるでしょう。「災いの日」編の緊迫したバトルから一転、ほのぼのとした日常回で一息つけるこの巻は、まさに物語の箸休めにして癒やしの重要回。★5つ中5つをあげても惜しくない面白さでした!
個人的ベストシーンはやはりクリスマスのサンタ作戦。笑いながら泣けるという不思議な体験をさせてもらいました。ニコを中心に広がる温かな絆に心がぽかぽかになり、「ウィッチウォッチって本当に良いチームものだなぁ」と再認識しました。また、随所に散りばめられたギャグも絶好調で、1冊でこんなに笑わせてもらっていいの!?という贅沢さ。ネット上でも「第16巻は神巻確定」「何度でも読み返したい」と絶賛の声が相次いでいるのも頷けます。
物語はこれから新章へ向けて動き出します。ニコはいつ元に戻るのか、黒幕との決戦はどうなるのか、そして守仁との関係は…と気になる点は山ほど!次巻以降も目が離せません。篠原先生ならきっと我々の予想を斜め上に超える展開と笑いを届けてくれることでしょう。引き続き追いかけていきたいですね。
皆さんは第16巻を読んでどう感じましたか?ぜひお気に入りのシーンやキャラについて語ってみてください。この記事が感想共有や語り合いのきっかけになれば嬉しいです。それでは、次回のレビュー・考察記事でまたお会いしましょう!ウィッチウォッチ最高! 🎉👀✨
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。作品の感想や考察、この記事へのご意見など、ぜひコメント欄で教えてくださいね。SNSでのシェアも大歓迎です!今後の『ウィッチウォッチ』の展開に期待しつつ、みんなで盛り上がっていきましょう。魔女と使い魔たちの物語は、まだまだ続きます…🪄🌟
