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(あらすじ・感想)『オールドルーキー』(2022年)第1話をミル!新たな一歩を踏み出す男の再起物語に胸が熱くなる

2022年夏のTBS日曜劇場『オールドルーキー』がスタートしました。元サッカー日本代表の主人公が引退後に新たな舞台へ踏み出す再起の物語で、第1話から笑いあり涙ありの熱い展開が魅力です。日曜夜9時の放送枠らしく、家族で安心して楽しめるヒューマンドラマでありつつ、スポーツへのリスペクトも感じられる作品になっています。初回を観終えた後、「明日からまた頑張ろう」と前向きな気持ちにさせてくれる、優しく温かいドラマだと感じられました。

キャスト・キャラクター紹介

主要キャストには実力派から若手まで豪華な顔ぶれがそろい、キャラクターにも個性が光ります。それぞれの俳優の代表作や演技の特徴、演じたキャラクターの印象を見てみましょう。

  • 綾野剛(あやの ごう) – 主人公・新町亮太郎(しんまち りょうたろう)役。37歳の元サッカー日本代表選手で、第1話では突然のチーム解散により現役引退を余儀なくされます。綾野剛は本作が日曜劇場初主演で、これまで『MIU404』や『コウノドリ』など幅広い役柄を演じてきた実力派俳優です。明るく楽天的だが世間知らずな亮太郎をコミカルに演じつつ、挫折を味わった後の繊細な表情や号泣シーンで視聴者の心を掴みました。陰と陽の両面を自在に演じ分ける綾野剛ならではの表現力が光り、笑顔で強がりながら内心の悔しさを滲ませる演技に多くの視聴者が感情移入しています。
  • 芳根京子(よしね きょうこ) – 深沢塔子(ふかざわ とうこ)役。スポーツマネジメント会社「ビクトリー」の若手社員で、新町の教育係を務めるキャリアウーマンです。芳根京子はNHK朝ドラ『べっぴんさん』のヒロインとして知られ、透明感と芯の強さを併せ持つ演技が魅力です。本作でも当初はクールで仕事に厳しい先輩社員として登場しますが、新町に対して次第に優しさや情熱を見せていく役どころ。第1話では横浜流星演じるサッカー選手・矢崎との交渉シーンで凛とした対応を見せ、プロのマネージャーらしい気丈さが印象的でした。芳根さん自身もスポーツ経験はありませんが、データ分析力と情熱で選手に向き合う塔子の姿を爽やかに演じています。
  • 中川大志(なかがわ たいし) – 城拓也(じょう たくや)役。ビクトリーの高学歴な若手社員で、実は新町の往年のファンだったという熱い一面も持つ人物です。中川大志は映画『虹色デイズ』やドラマ『親バカ青春白書』などで人気の若手俳優で、明るいエネルギーと爽やかなルックスが魅力。本作ではサッカー少年だった経験から新町を尊敬しつつも、彼の現役続行への執着には複雑な反応を示す役柄です。新町入社時には好意的に迎え入れる城ですが、第1話ではまだ控えめな登場でした。今後、憧れのヒーローである新町との共闘でどんな成長を見せるのか期待されます。
  • 岡崎紗絵(おかざき さえ) – 真崎かほり(まさき かほり)役。ビクトリー社長秘書で、常に社長の傍らで会社を支える存在です。岡崎紗絵はモデル出身で『ナイト・ドクター』など話題作に出演してきました。クールビューティーな雰囲気を持つ彼女は、本作でも秘書役らしい知的で落ち着いた佇まいを見せています。第1話では出番は多くありませんでしたが、今後社長や社員たちを陰で支えるシーンで存在感を発揮しそうです。
  • 増田貴久(ますだ たかひさ) – 梅屋敷聡太(うめやしき そうた)役。ビクトリーの自称エース社員で、負けず嫌いな熱血キャラです。増田貴久はジャニーズのアイドルグループ「NEWS」のメンバーで、近年はドラマ出演も増えています。普段は明るく親しみやすいイメージの増田さんですが、本作では闘志むき出しでライバル心旺盛なキャラクターを180度違う雰囲気で演じており、そのギャップが面白いと話題です。鼻っ柱の強い梅屋敷の態度はコミカルで憎めず、第1話でも新町に対して何かと突っかかる姿が個性的でした。増田さんの近年のドラマで培った演技力も発揮されており、ユニークなムードメーカーとして今後の活躍が楽しみです。
  • 高橋克実(たかはし かつみ) – 葛飾五郎(かつしか ごろう)役。ビクトリー最年長の社員で、元プロ野球選手という異色の経歴の持ち主です。高橋克実さんは数々のドラマで名脇役として活躍し、コミカルからシリアスまで自在にこなすベテラン俳優。本作では社長に恩義を感じ一生ついていくと誓う忠臣的存在で、ビクトリー内では良きおじさんポジションです。第1話では新町の歓迎会シーンなどで彼の人情味あふれる様子が描かれ、チームの潤滑油となる温かみをもたらしています。高橋さんならではの親しみやすさがキャラクターにも表れており、今後も渋い活躍を見せてくれるでしょう。
  • 榮倉奈々(えいくら なな) – 新町果奈子(しんまち かなこ)役。新町亮太郎の妻で元人気アナウンサー、現在は専業主婦のキャラクターです。榮倉奈々は『99.9-刑事専門弁護士-』や『テセウスの船』など数多くの日曜劇場に出演しており、本作でも“主人公の一番の理解者”として夫を支える重要な役どころです。果奈子はどんな時も夫の最大の応援団であり、時に厳しく時に優しく亮太郎を励まし続けてきた人物。第1話では生活のため現実を見てほしいと亮太郎に諭す場面や、彼の再就職を陰ながら後押しする姿が描かれ、健気で芯の強い妻として好印象を残しました。榮倉さんの自然体の演技が温かい家庭の雰囲気を作り出し、視聴者からも「果奈子の支えが泣ける」「こんな奥さんがいて羨ましい」と好評です。
  • 反町隆史(そりまち たかし) – 高柳雅史(たかやなぎ まさし)役。スポーツマネジメント会社「ビクトリー」の社長で、新町を契約社員として雇った張本人です。反町隆史といえばドラマ『GTO』の熱血教師役で一世を風靡し、近年も『ハンチョウ』シリーズや『半沢直樹』などで存在感を放つ実力派俳優。本作では一見穏やかそうでいて実利主義的なボスというクセの強いキャラクターを演じています。第1話では亮太郎を「縁故採用」し、用が済めば雑用に回そうとする打算的な面が描かれましたが、一方でミーハーな一面として亮太郎の妻(果奈子)の大ファンというコミカルな設定もあり、反町さんがニヤリと見せる演技が笑いを誘いました。彼の渋さとユーモアが混じった存在感がドラマ全体を引き締めており、今後亮太郎との対立や信頼関係がどう変化するか注目です。
  • 横浜流星(よこはま りゅうせい) – 矢崎十志也(やざき としや)役。ドイツのブンデスリーガで活躍する若きサッカー選手で、第1話のゲスト的存在です。横浜流星は『初めて恋をした日に読む話』や『あなたの番です』などでブレイクした人気俳優で、本作では物語の鍵を握る難しい役柄を演じました。矢崎は新町の高校時代の後輩にあたり、マネジメント契約をめぐって無理難題を突きつける「生意気な後輩」キャラです。横浜さんはその端正なルックスとは裏腹にドSでブラックな一面を持つ矢崎を熱演し、ラスト近くに登場した際には「まさか横浜流星が出てくるなんて!」と視聴者を驚かせ大いに沸かせました。短い出演ながら圧倒的な存在感で、第1話のハイライトとなる対決シーンを盛り上げています。

※このほか、元乃木坂46の生田絵梨花さんが果奈子の妹役で出演し、美味しそうなお弁当を作るシーンも見どころです。さらに新町夫妻の娘役として稲垣来泉(いながき くるみ)さん(長女・泉実役)はNHK朝ドラ『ちむどんどん』でヒロインの幼少期を演じた注目の子役で、「どこかで見た子!」と気付いた視聴者も多かったようです。主要キャスト以外にも実在の元アスリートたちが随所に本人役でカメオ出演しており(第1話冒頭では元日本代表の大久保嘉人さんや加地亮さんらが登場)、スポーツファンを喜ばせています。

制作陣情報

脚本は福田靖さんで、木村拓哉主演の『HERO』シリーズや映画『海猿』シリーズで知られるヒットメーカーです。人間ドラマを丁寧に描き感動を生み出す作風に定評があり、本作でもスポーツ選手のセカンドキャリアというテーマを熱く描き出しています。演出は石井康晴さん、木村ひさしさん、伊東祥宏さんらTBSドラマのベテラン勢が担当。石井康晴監督は『花より男子』『クロサギ』『ドラゴン桜』など数々のヒットドラマを手がけており、王道の熱い演出に期待が持てます。木村ひさし監督は『99.9-刑事専門弁護士-』で独特の小ネタ演出を見せた方で、本作でもテンポ良い編集や遊び心が垣間見えました。音楽は木村秀彬さんが担当し、物語を盛り上げるドラマティックなスコアを提供しています。さらに、サッカー監修として元日本代表の大久保嘉人さんが参加しており、綾野剛さんにマンツーマンでサッカー指導を行うなど、競技シーンのリアルさにもこだわりが感じられます。主題歌はKing Gnuの「雨燦々」で、疾走感と切なさを兼ね備えた楽曲が主人公の心情に寄り添い、第1話のエンディングでも印象的に流れました。

あらすじ

現役を続けたい気持ちはあるものの、J3チーム「ジェンマ八王子」の突然の解散によって行き場を失った元日本代表サッカー選手の新町亮太郎(綾野剛)。37歳という年齢もあり、他クラブからのオファーもなく、彼は苦渋の決断で現役引退を迎えます。スポーツ一筋で生きてきた亮太郎は、第二の人生を模索しますが、社会経験ゼロゆえに就職もうまくいかず途方に暮れる日々。妻の果奈子(榮倉奈々)からは「貯金を切り崩して生活している」と現実を突きつけられ、二人の娘のためにも職探しに奮闘することになります。

そんな中、亮太郎は現役時代に移籍相談で世話になったスポーツマネジメント会社「ビクトリー」の社長・高柳(反町隆史)と再会します。高柳から「うちで働いてみないか?」と声をかけられ、渡りに船と亮太郎はビクトリーで働き始めることに。入社早々、新町の教育係に任命されたのが入社5年目の深沢塔子(芳根京子)。スポーツ経験はないものの優秀な社員である塔子と、新米社会人の亮太郎コンビに与えられた初ミッションは、ドイツで活躍する帰国中のサッカー選手矢崎十志也(横浜流星)のマネジメント契約を勝ち取ることでした。

実は矢崎は亮太郎の高校の後輩。しかし久々に再会した彼は昔と様子が一変し、傍若無人で自己中心的な振る舞いを見せます。矢崎は契約の条件として「3か月の日本滞在中に最高のトレーニング環境を用意し、ギャラ5000万円のCM出演も取ってこい」と無理難題を次々突きつけてきました。塔子やビクトリーの面々は奔走しますが、特に高額CMの件が難航し、矢崎から契約を断られてしまいます。社長の高柳は「オールドルーキー(=年寄り新人)は役に立たんか…」と亮太郎に苛立ち、彼を契約選手が経営する焼肉店の手伝いという雑務に回してしまいました。

落ち込む亮太郎でしたが、その派遣先の焼肉店で偶然矢崎本人と顔を合わせます。プライベートで二人きりの空間になり、亮太郎は後輩だった矢崎と腹を割って会話するチャンスを得ました。矢崎の傲慢な要求の裏には、異国ドイツで孤独と不安に苛まれている本音が隠れていることに亮太郎は気付きます。「わがままの正体は不安の裏返し」──そう察した亮太郎は、矢崎の全試合映像を徹夜で研究し、彼が必要としている本当のサポートとは何かを真剣に考え抜きます。

翌日、亮太郎は高柳社長に「もう一度だけ矢崎にプレゼンする場をください」と頭を下げ、塔子と共に再度矢崎のもとを訪問。亮太郎は矢崎に対し、「金やプライドだけが君の価値じゃない。心からサッカーを楽しめる環境を提供したい」と熱意をぶつけ、自身もまた現役引退の悔しさと向き合った者として、彼の不安に寄り添った提案をします。かつて憧れて追いかけた先輩・亮太郎の真摯な言葉に、矢崎も次第に心を開き、自分の本心を吐露しました。「本当は亮さん(亮太郎)の裏方に回った姿なんて見たくなかった…」と強がっていた矢崎ですが、亮太郎の情熱に心を打たれ、最終的にはビクトリーとのマネジメント契約を受け入れるのでした。

矢崎との契約成立に貢献した亮太郎でしたが、高柳は「矢崎を起こすためのワンポイントリリーフはもう用済みだ」と当初の契約通り亮太郎を雑務要員に戻すつもりでいました。しかし、塔子の「亮太郎さんにこのままマネージャーを続けさせてみては」という進言もあり、高柳も考えを改めます。こうして“オールドルーキー”新町亮太郎の第二の人生が、本格的に幕を開けたのでした。

感想

第1話は、スポーツ選手の引退後の現実をシビアに描きつつも、最後には爽やかな希望を感じさせる展開で胸が熱くなりました。冒頭、新町が突然職を失い途方に暮れる様子は見ていて痛々しく、「サッカーしか知らない37歳からサッカーを取ったら何が残るの…」とこちらまで不安になる出だしでした。しかし物語が進むにつれてテンポ良く展開し、亮太郎が現実を受け入れて前に進み出す姿に引き込まれていきます。綾野剛さんの振り切ったポンコツ演技から一転、矢崎に頭を下げ懇願するシーンでの鬼気迫る演技には圧倒されました。涙ながらに食らいつく亮太郎の姿はまさに「どん底から這い上がる」主人公そのもので、開始早々彼を「イタい奴だな…」と思っていた自分も、気づけば心を鷲掴みにされていました。

物語として特に印象的だったのは、亮太郎が矢崎の真意を汲み取って提案するクライマックスです。自身の悔しさも抱えながら、それでも後輩に寄り添おうとする亮太郎の姿に、「スポーツマンの絆」という熱いテーマを感じました。勝気な矢崎が心を開き「亮さんに憧れてサッカー始めた」と明かす場面では、思わずホロリとさせられました。ベタといえばベタかもしれませんが、「誰かのために本気になれる」亮太郎の不器用な優しさが存分に描かれており、とても清々しい気持ちになれます。

また、家族の絆も第1話の重要なテーマでした。引退を受け入れられず父・亮太郎に反発する娘の泉実ちゃんの姿はもどかしい反面、スポーツ選手だった父を誇りに思うがゆえの純粋さが伝わり胸が締め付けられました。妻・果奈子も「あなたはもう十分輝いたのだから」と静かに背中を押し、彼が再出発するまで寄り添い続けます。亮太郎が落ち込んで日雇いの交通整理をしている時、「俺、何やってんだ…」と零すシーンでは、悔しさを噛み殺すような笑顔と滲む涙にこちらもグッときました。家族の支えがあるからこそ彼は立ち上がれたのだと感じ、家族愛の温かさもしっかり描かれていたと思います。

一方で、いくつか気になった点もありました。例えば、序盤で亮太郎が次々と職をクビになる描写はコミカルでしたが、あまりにも極端で「37歳にもなってパソコンも触れないのか」と突っ込みたくなる部分も。リアリティという点では、Jリーグの名門クラブ(劇中では鹿島アントラーズ)で新人王まで取った選手が引退後どこからも声がかからないという設定にはやや疑問を覚えました。ただ、こうした点もドラマならではのデフォルメとして受け入れれば、物語を盛り上げる装置として許容範囲かなとも思います。全体としては細かな粗よりも、王道の再起ストーリーに心を打たれる部分の方が大きく、素直に「面白かった!」と言える初回でした。

さらに、第1話ではキャラクター同士の“ギャップ”も楽しめました。たとえば、高柳社長は一見スマートで優しい紳士かと思いきや実は社員を駒扱いする冷徹さがあり、逆に新人教育係の塔子はクールそうでいて情に厚い人柄が垣間見えるなど、登場人物の意外な一面が随所で描かれています。特に増田貴久さん演じる梅屋敷は、「普段のまっすー(増田)からは想像できないくらい尖った役!」と驚きましたが、憎まれ口を叩きつつ実は良いやつという愛嬌もあり、良いスパイスになっていました。今後各キャラクターの成長や人間関係がどう変化していくのかも非常に楽しみです。

総じて、第1話は期待以上の満足感がありました。「夢が終わっても人生は続く」というキャッチコピー通り、挫折からの再出発というテーマを真正面から描き、誰しも共感できるメッセージを届けてくれました。観終わった後には爽やかな感動が残り、主人公のこれからをもっと見届けたいと思わせる素敵な幕開けだったと思います。

考察・解説

『オールドルーキー』第1話では、「セカンドキャリア」という重いテーマをエンターテインメントに落とし込んだ巧みさが光りました。スポーツ選手に限らず、今バリバリ活躍している人でも明日突然その舞台を失う可能性は誰にでもあります。劇中の亮太郎はまさにそれを体現する存在で、「もし明日会社をクビになったら、自分はプライドを捨てて新しい道を歩めるのか?」と視聴者にも問いかけてきます。この物語は単なるスポ根ドラマではなく、人生の転機にどう向き合うかという普遍的なテーマを扱っている点で深みがあります。

亮太郎が新たな職場に飛び込み悪戦苦闘する姿からは、「現実を受け入れる勇気」と「未知の世界への挑戦」というメッセージが読み取れました。彼はサッカーしか知らない自分に強い劣等感を抱きつつも、娘に恥じない父親であろうと必死にもがきます。その姿は、競技人生を終えたアスリートたちが直面する現実そのものとも言え、実際にJリーグも全面協力してドラマ制作に関わっているだけあってリアリティがあります。劇中には元日本代表の大久保嘉人さんをはじめ実在のアスリートが本人役で登場し、描写にも説得力がありました。「引退後のキャリア問題」はスポーツ界で近年注目されている社会課題でもあり、本作がその点にスポットライトを当てた意義は大きいと感じます。

第1話のストーリー展開から推察すると、今後は亮太郎がスポーツマネージャーとして様々な競技の選手たちに向き合っていくオムニバス的な要素もあるのでしょう。第2話以降も毎回「アスリート役のゲスト」が登場することが予告されており、「一話一スポーツ選手」の形でそれぞれの抱える問題を解決していく流れになりそうです。この構成は2019年の日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』で毎回ラグビーチームの試合や問題を解決していったスタイルにも通じ、王道ながら見応えがあります。亮太郎自身も選手たちとの関わりを通じて「裏方として支えることの意義」に目覚め、かつて自分を支えてくれた人々(家族やコーチ)への感謝を噛み締めていくのではないでしょうか。

伏線として興味深いのは、社長の高柳が亮太郎を雇った「本当の理由」です。第1話では高校の先輩後輩という縁故を利用して矢崎を釣るため…という打算が語られましたが、それだけではなく高柳自身の信念や過去が今後明かされる可能性があります。スポーツマネージメント会社を立ち上げた背景や、高柳がなぜそこまで利益第一主義になったのか、亮太郎との衝突を通じて描かれていくのではと考えられます。塔子をはじめとする社員たちもそれぞれに背景を持っており、塔子は「元アスリートではないことへのコンプレックス」を抱えている設定が第1話で示唆されました。彼女が今後自らの殻を破り、本当の意味でアスリートに寄り添うマネージャーへと成長していく過程も見どころでしょう。

さらに、亮太郎の妻・果奈子の動向も注目です。第1話終盤で果奈子が趣味のお弁当作りを活かしてレシピ本を出版するというサプライズがありました(劇中では高柳社長がその本を10冊も買っていましたね)。果奈子自身が再び表舞台に出ることで、亮太郎に良い刺激を与えていました。このエピソードは単なるサブストーリーにとどまらず、「夫婦それぞれが第二の人生を歩み出す」というテーマを象徴するエッセンスに感じられます。お互いが新しい挑戦をすることで高め合っていく新町夫妻の姿は、視聴者に希望を与えてくれますし、今後果奈子の活躍が亮太郎の物語にどうリンクしていくのか興味が湧きました。

最後に、第1話タイトルの「オールドルーキー」そのものにも触れておきたいです。直訳すれば「年老いた新人」ですが、まさに37歳で新人社員となった亮太郎のこと。その言葉には皮肉も込められていますが、新町亮太郎は「年齢や肩書きに関係なく、人は何度でも“新人”として再出発できる」という前向きな意味を体現し始めています。視聴者としても、長年のキャリアを捨てて新しい世界に飛び込む勇気をもらえるタイトルだと感じました。今後、亮太郎が本当の意味で“ルーキー”として成長し、年齢に縛られない新たな輝きを見せてくれることを期待したいです。

視聴者の反応

初回放送後、SNS上でも様々な感想が飛び交いました。全体として「期待以上に面白い!」というポジティブな声が多かった一方で、一部には設定や演出に対する否定的な意見も見られ、賛否両論といったところです。以下に視聴者の主な反応をポジティブ・ネガティブそれぞれ5つずつ紹介します。

ポジティブな反応(好評) 🟢

  • 「とにかく面白い。そして優しく温かい日曜日の夜にぴったりのドラマでした。家族や仲間を大切に想うことで自分自身がどんどん輝く。そんなドラマ」
  • 「明日頑張って仕事に行こうと思わせてくれてありがとう!『オールドルーキー』新町亮太郎。暑い夏を乗り切る力になってくれそう」
  • 「俳優陣豪華すぎる。妻(榮倉奈々)との掛け合いもほんわかいい感じだし、社長(反町隆史)は文句なくカッコイイ。相棒の塔子(芳根京子)とも良いコンビになりそう。毎回アスリートゲストが登場するのも楽しみだ」
  • 「毎週こんな爽やかな綾野剛が見られるなんて幸せ。大久保嘉人さんの出演は想定内だったけど、大魔神佐々木(※元プロ野球投手の佐々木主浩さん)が拝めるとは思わず、嬉しかった!」
  • 「予想以上に良かった!正直あまり期待してなかったけど、第1話めちゃくちゃ引き込まれた。日曜夜に元気をもらえるドラマ」

ネガティブな反応(賛否両論・批判) 🔴

  • 「J3のチームが急に解散とか、とんだ風評被害では? 現実のJリーグでそんなこと滅多にないし、設定が極端すぎる」
  • 「全体的に脚本のセリフ回しに違和感。特に“ドイツリーガー”とか“ドイツリーグ”って表現は聞き慣れなくて引っかかりました。福田靖さんの脚本は好きだけど、この点はいただけないかな…」
  • 「亮太郎が交通誘導の警備員の仕事をバカにしているようで不快。どんな仕事にも誇りを持って働く人がいるのに、警備員を隠すべき恥ずかしい職業みたいな描写は納得できません」
  • 「期待してたのに…初回15分で離脱しました。スポーツものだし楽しみにしてたけど、テンポが合わず残念。さらば、オールドルーキー…
  • 「主人公、鹿島で新人王とるほどの選手なのに引退後に誰も手を差し伸べないって無理ない?普通ここまでの人材なら放っておかれないよね…リアリティが薄い気がしました」

こうした否定的な意見も一部見られましたが、全体的には「面白かった」「感動した」という肯定的な反響が多数を占めていました。とりわけ綾野剛さんの演技には絶賛の声が多く、「泣きの演技に引き込まれた」「今までにない綾野剛が見られて新鮮」といったコメントも目立ちました。一方で、物語のリアリティラインや演出上の細かい点に厳しい指摘をする視聴者もおり、今後ストーリーが進む中でそうした部分をどう感じさせなくしていくかが課題かもしれません。しかし初回放送の満足度は概ね高く、Twitterトレンド入りするなど注目度も上々の船出となったようです。

次回への期待

第1話のラストでは、第2話の予告編が放送されました。次回のミッションはなんと9歳の天才スケートボード選手・牧村ひかりの契約獲得です。全国大会優勝という輝かしい経歴を持つもののまだ無名の小学生アスリートを、ビクトリー社長・高柳は「青田買い」しようと画策します。亮太郎と塔子は早速ひかりの練習場を訪ねますが、3歳から英才教育で娘を育ててきたコーチでもある父親が頑固で取りつく島もない様子。さらに世界的な大手スポーツマネジメント会社「WPM」もひかりの獲得に動き出し、ビクトリーは強力なライバルと競り合うことになります。

果たして亮太郎は、この幼いスケートボーダーと父親の心を掴み、契約を勝ち取ることができるのでしょうか? 第1話で矢崎の不安を汲み取った彼のこと、ひかり親子にも単なる金や条件ではない“心に寄り添う提案”をしてくれそうな気がします。また、塔子とのコンビネーションも回を重ねるごとに冴えていくはずです。第1話ではぎこちなかった二人が、次回以降どんな名コンビぶりを見せてくれるのか楽しみですね。

そして次回予告では、ビクトリーの他の社員たちの活躍シーンも映っていました。梅屋敷(増田貴久)や城(中川大志)も亮太郎に協力する場面がありそうで、チーム「ビクトリー」の結束が強まっていく予感です。社長・高柳がどんな指示を飛ばし、亮太郎たち新人コンビを振り回すのかも見どころでしょう。時には高柳の無茶ぶりに反発しながらも結果を出していく亮太郎の姿が見られそうで、胸が熱くなります。

第2話は7月3日(日)夜9時から15分拡大スペシャルで放送予定です。物語が軌道に乗り始め、ますますスケールアップしそうな予感にワクワクしますね。天才スケボー少女との物語がどんな感動を届けてくれるのか、日曜の夜を楽しみに待ちましょう!

配信情報・視聴方法

『オールドルーキー』はTBS系列にて毎週日曜よる9時~9時54分に放送されています(初回は25分拡大で10時19分まで放送)。地上波で見逃してしまった方も、ご安心ください。放送終了後1週間はTVerなどの見逃し配信サービスで第1話が無料視聴可能でした。また、TBSの公式動画配信サービスParavi(パラビ)では放送直後から第1話を含む全エピソードが配信されており、登録すれば好きな時間に視聴できます。現在はParaviが統合されたU-NEXTなどでも配信が行われており、スマホやPCでいつでも視聴可能です。さらに後述のBlu-ray/DVD発売に先駆け、レンタル配信や有料購入配信も各プラットフォームで順次開始されています。お好みの視聴環境に合わせて『オールドルーキー』をお楽しみください。

なお、本作は字幕放送副音声による解説放送にも対応しており、視覚・聴覚に障害のある方やながら見したい方にも配慮されています。テレビ放送時にはデータ放送や連動企画もあり、リアルタイムで参加するとさらに楽しめる仕掛けも用意されていました。公式TwitterやInstagramでは撮影の裏話やオフショットも公開されているので、そちらをチェックしながら見るとより一層ドラマの世界に浸れます。

関連グッズ紹介

ドラマの世界観をより楽しみたい方には、関連グッズや書籍も見逃せません。TBS公式オンラインショップでは『オールドルーキー』のオリジナルグッズが多数販売されています。中でも注目は、劇中にも登場したスポーツマフラータオルです。亮太郎が現役時代に巻いていたようなデザインの「日曜劇場『オールドルーキー』マフラータオル」が発売されており、応援グッズとしてピッタリです。ファンの間では早くも完売必至の人気アイテムとなっています。

また、本作ならではのユニークな関連書籍として、公式レシピブックが発売されました。タイトルは『愛情たっぷり 簡単!可愛い!美味しい!まいにちのお弁当』といい、劇中で果奈子(榮倉奈々)が作っていたお弁当のレシピをまとめた一冊です。元アナウンサーで料理上手な果奈子の愛情弁当はSNSでも「美味しそう!」と話題になりましたが、そのレシピを家庭でも再現できる内容になっています。彩り豊かで栄養バランスも考えられたレシピが満載で、ドラマファンのみならず料理好きにも嬉しいアイテムです。

音楽面では、オリジナル・サウンドトラックCDが2022年8月24日に発売されました。劇伴音楽を手掛けた木村秀彬さんによる感動的なメロディやテーマ曲が収録されており、ドラマの名場面が甦ること間違いなしです。特に亮太郎が奮起する場面で流れたアップテンポの曲や、家族の絆を描くシーンでの心温まるピアノ曲など、名曲ぞろいとなっています。

さらにファン注目のアイテムとして、劇中で亮太郎が左足首に着けているアンクレットも公式グッズ化されています。シンプルながらおしゃれなデザインで、普段使いもしやすいアクセサリーです。劇中では亮太郎のお守りのような存在でしたが、これを身につければ自分も何か新しい一歩を踏み出せるかも?と密かな人気となっています。

その他にも、ビクトリー社の可愛いマスコットキャラクター「ビクとり君」のぬいぐるみマスコットや、主要キャストのLINEスタンプなども登場し、ドラマの世界を日常で楽しめるグッズ展開が充実しています。Blu-ray&DVD-BOX購入者限定の特典映像付きクリアファイルセットなども企画されており、ファン心をくすぐるアイテムが目白押しです。

ぜひこれらのグッズやサントラを手に入れて、『オールドルーキー』の余韻に浸りつつ、亮太郎たちの奮闘を応援しましょう!

まとめ

『オールドルーキー』第1話は、引退を突きつけられた元アスリートが新たな舞台で再出発する姿を爽やかに描き、視聴者の心を熱くする素晴らしい幕開けでした。綾野剛さんをはじめ豪華キャスト陣の魅力的な演技と、福田靖さん脚本ならではの人間ドラマの巧みさが光り、笑って泣けるスポーツヒューマンドラマとして上々の滑り出しです。主人公・亮太郎の「夢が終わっても人生は始まる」というメッセージは、第1話のラストでしっかりと示されました。挫折を経験しても諦めずにもがく亮太郎の姿は、多くの人に明日への勇気を与えてくれることでしょう。

総合評価として、第1話は星5つ中★★★★☆(4.5)と高評価を付けたいと思います。物語のテンポ、感動の演出、キャストのはまり具合、どれを取っても質が高く、今後への期待を大いに抱かせる内容でした。僅かなご都合主義的展開やリアリティの部分で減点要素はあるものの、それを補って余りある面白さと熱量がありました。

今後、亮太郎が様々なアスリートたちと出会い成長していく過程や、塔子とのバディ関係、そして家族との絆の行方からますます目が離せません。第2話以降もきっと我々の胸を熱くさせてくれることでしょう。ぜひ皆さんも『オールドルーキー』を引き続き視聴して、一緒に亮太郎の再起物語を見届けませんか? 毎週日曜夜9時の放送をお見逃しなく!

最後までお読みいただきありがとうございます。この記事を読んで「ちょっと観てみようかな」と思った方は、ぜひ第1話からチェックしてみてください。すでにご覧になった方も、感想や考察をSNSで共有して盛り上がりましょう。あなたの感じた『オールドルーキー』第1話の熱い思いを、ぜひ周りにも広めてみてください!

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morishy

職業:外資系ITサービス企業での技術職 趣味:読書、アニメ/ドラマ/映画鑑賞、スポーツ観戦、ゲーム、プラモなど 自己紹介: IT企業で技術職で働いており、新しいものについて比較的興味を持ちやすい体質です。最近は読書やアニメ、ドラマを中心とした動画鑑賞にどっぷりはまっており、作品の良いところを中心に紹介したいと考えて立ち上げました。 好き嫌いがない性格なので、結構幅広く作品を鑑賞しているので、皆さんの今後の読書や動画鑑賞に活かしてもらえるような情報提供ができれば幸いです。

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