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(あらすじ・感想)『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(2025年)第6話「キシリア暗殺計画」をミル!怒涛の陰謀劇と日常崩壊の序曲

コロニー内に戦艦が侵入し、日常が非日常へ一変する第6話。「クランバトル」を舞台にしてきた物語が、突如としてリアルな戦争の様相を帯び始めました。スタジオカラー×サンライズによる新作ガンダム『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ガンダム ジークアクス)』も第6話に突入し、シリーズ全12話の折り返し地点にして大きな転換点を迎えます。今回は「キシリア暗殺計画」と題し、これまでの学園×バトル路線から一転して緊迫の政治劇と人間ドラマが展開され、主人公マチュたちの平穏な日常が音を立てて崩れ去っていきました。アニメファンの間でも「まるで別作品のようなシリアス展開で度肝を抜かれた」と話題沸騰のエピソードです。この記事では、第6話の見どころやキャラクター・制作陣情報、ストーリー概要と感想・考察、そして視聴者の反応や次回予想まで、ネタバレ配慮もしつつ徹底解説していきます。ガンダムファンならニヤリとする仕掛けから、初見視聴者の心情まで盛りだくさんにお届けしますので、ぜひ最後までお読みください。

キャスト・キャラクター紹介

第6話で活躍する主なキャラクターと担当声優を紹介します。キャラクターの魅力や声優の過去出演作にも触れながら、第6話時点での人間関係や見せ場を整理してみましょう。

  • アマテ・ユズリハ(マチュ) – 声:黒沢ともよ(代表作:『響け!ユーフォニアム』黄前久美子役、『アイドルマスター シンデレラガールズ』赤城みりあ役など)。本作の主人公で、平凡なコロニー生活に退屈し《クランバトル》に身を投じた高校生。第6話では、日常を奪われ苛烈な現実に直面することで、彼女の内なる“不安”や“怒り”がこれまで以上に鮮明に描かれます。黒沢さんの演技は繊細さと熱さを併せ持ち、特に終盤で見せるマチュの感情爆発シーンでは視聴者の胸を打ちました。
  • ニャアン – 声:石川由依(代表作:『進撃の巨人』ミカサ・アッカーマン役、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』ヴァイオレット役など)。難民出身の違法運び屋の少女で、マチュをクランバトルに誘った張本人。第6話では「普通になりたい」と願う心情が垣間見え、平穏に憧れるニャアンと刺激を求めるマチュの対比が秀逸だと評判です。石川さんは寡黙で芯の強い少女からコミカルな場面まで表現力豊かで、ニャアンが見せる弱さと逞しさの両面を巧みに演じています。
  • シュウジ・イトウ – 声:土屋神葉(代表作:『ボールルームへようこそ』富士田多々良役、『ハイキュー!!』五色工役など)。謎の《ガンダム》を駆る少年で、落書き常習犯として軍警に追われる異色の存在。第6話では出番こそ多くないものの、彼が絡む「赤いガンダム」の秘密情報が物語の鍵となり、終盤ではある人物に救出されるシーンが描かれました。土屋さんの少年らしい瑞々しい声質がシュウジのミステリアスさと優しさを両立させており、今後の活躍に期待が高まります。
  • アンキー – 声:伊瀬茉莉也(代表作:『HUNTER×HUNTER』キルア=ゾルディック役、『七つの大罪』ギーラ役など)。マチュが所属するクラン《ポメラニアンズ》の女ボス的存在で、常に計算高くクールな大人の女性。実は旧ジオン軍人であり、第6話でその過去が明らかに。非情にもマチュを切り捨ててでも自身の生存を図ろうと画策し、彼女の冷徹さが浮き彫りになりました。その一方で、部下ナブとのやり取りでは人間味の片鱗ものぞかせます。伊瀬さんの艶やかな中低音ボイスがアンキーの狡猾さと色気を表現し、強烈な印象を残しました。
  • ドゥー・ムラサメ – 声:金元寿子(代表作:『プリキュア』シリーズ(キュアピース役)、『食戟のソーマ』薙切えりな役など)。第6話から登場した衝撃の新キャラクターで、“フォウ・ムラサメの姉”を匂わせる強化人間。名前の「ドゥー(Deux)」はフランス語で“2”を意味し、まさかのフォウ(4)繋がりにファンは騒然。彼女は連邦の強化人間研究施設《ムラサメ研究所》で生み出された存在で、同話ではその異常な強化ぶりに周囲もドン引きする描写がありました。金元さんは透明感のある声でありながら、本作では底知れぬ狂気と悲哀を感じさせる演技を披露。可憐さと危うさを併せ持つドゥーのキャラクター性を見事に体現しています。
  • バスク・オム – 声:安元洋貴(代表作:『BLEACH』茶渡泰虎役、『オーバーロード』デミウルゴス役など)。機動戦士Zガンダムでティターンズの象徴的存在だった強面キャラが、本作第6話にまさかの登場。劇中では地球連邦情報部の一員として暗躍し、「極右の特殊部隊創設を準備している」(=ティターンズ結成を示唆!?)との発言も飛び出しました。安元さんの低音ボイスが放つ圧倒的な威圧感は健在で、往年のファンから「デザインも声も当時のままで鳥肌!」と大好評でした。新規勢には“ただの軍人おじさん”に見えるかもしれませんが、彼の登場が意味するところは後述の考察で触れていきます。
  • ゲーツ・キャパ – 声:村瀬歩(代表作:『ハイキュー!!』日向翔陽役、『魔入りました!入間くん』鈴木入間役など)。こちらもZガンダムに登場した強化人間関連の人物で、ロザミア・バダム付きの士官だったキャラクター。第6話ではドゥー・ムラサメの護衛兼監視のような立ち位置で登場し、ムラサメ研究所の非人道的な強化手法に「普通じゃない…」と引き気味になる一幕も。村瀬さんが演じることで若干軽妙さも感じられるゲーツですが、裏で何を企んでいるのか油断ならない存在です。本編ではそこまで目立つ出番はないものの、Zガンダムファンには思わずニヤリとするキャスティングと言えるでしょう。

(上記以外にも、第6話ではシムス・アル・バハロフ(CV:庄司宇芽香)という女性士官や、名塚佳織さん演じるキシリア・ザビの登場示唆など、錚々たるキャラクターが顔を見せました。本作は新キャラと往年のガンダムキャラが同居する群像劇でもあり、声優陣の豪華さも大きな魅力となっています)

制作陣情報・第6話の演出

『GQuuuuuuX』の制作スタッフも超豪華です。監督を務めるのは鶴巻和哉氏。ガイナックス出身で『新世紀エヴァンゲリオン』や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の制作を支え、『フリクリ』『トップをねらえ2!』で監督を務めたカリスマ的クリエイターです。業界内では実力派ながら過小評価されがちとも言われてきましたが、常に庵野秀明監督の右腕として活躍してきた経歴の持ち主でもあります。本作『ジークアクス』は鶴巻監督にとって初のガンダム作品ですが、「まさかこんな大ヒットになるとは思っていなかった。本当に嬉しい」と語るほど国内外で大反響を呼んでおり、自身の持ち味である緻密な演出とオマージュ精神を存分に発揮しています。

シリーズ構成・脚本は榎戸洋司氏、そして庵野秀明氏も脚本に名を連ねています。榎戸氏といえば『少女革命ウテナ』『STAR DRIVER 輝きのタクト』など独特の世界観と青春群像劇を描く名手であり、鶴巻監督とは『フリクリ』以来のコンビです。一方、庵野秀明氏は説明不要の『エヴァンゲリオン』生みの親であり、大のガンダムファンとして知られます。まさに「ガンダムで庵野監督がやりたかったこと」を実現したような意欲作であり、宇宙世紀という壮大な物語世界の新たな拡張に挑んでいると言えるでしょう。第6話は特に、榎戸氏らしい人間ドラマの緻密さと庵野氏らしい過去作へのリスペクトが光る脚本でした。例えば、マチュとニャアンの対比構造(“持つ者”と“持たざる者”の青春)や、随所に散りばめられた宇宙世紀ガンダムへのオマージュ(後述のZガンダム要素など)は、彼らならではの筆致です。

演出面では、第6話は戦闘シーンが一切無い異色回でしたが、その分会話劇と場面転換で緊張感を持続させる巧みさが際立ちました。「静」のシーンでは遠景に映る戦艦やコロニー風景を不気味に配置し(上掲画像のように、コロニー内部にペガサス級の戦艦が佇む構図は象徴的です)、一方「動」のシーンではカメラワークやライティングで登場人物の心理を際立たせています。例えば、マチュが母タマキと口論する場面では照明をわざと暗く落とし、親子の心のすれ違いをビジュアル的にも表現していました。鶴巻監督はインタビューで「安彦良和のキャラ作画に縛られる必要はない」と語っており、既存イメージに囚われず大胆な映像表現に挑戦したとのこと。結果、第6話は情報量が非常に多いにも関わらず画面の訴求力が強く、観る者を引き込む力に満ちていました。

メカニカルデザインには山下いくと氏(エヴァのメカデザインで有名)らが参加し、クラシックなモビルスーツと新規メカの融合が図られています。またキャラクターデザイン原案は氏、アニメ作画用のキャラデザ・総作監は池田由美氏らが担当。スタジオカラーとサンライズの初タッグ作品ということで、美術や3DCGも気合が入っており、第6話では特にコロニー内での戦闘予兆シーン(サイコガンダムが映り込む予告映像など)のCG処理が圧巻でした。音楽は照井順政氏ら3名の作曲家チームが手掛けており、第6話では挿入歌「きえない」(NOMELON NOLEMONが本作のため書き下ろし)の初披露も話題に。劇中歌として流れたこの曲は放送翌日の5月15日0:00より各音楽配信でリリースされ、作品の盛り上げに一役買いました。

あらすじ(第6話「キシリア暗殺計画」) ※ネタバレ軽度

第6話のストーリー概要を、なるべくネタバレを抑えつつまとめます。物語序盤の状況とエピソード全体の流れを把握するのにご活用ください。

宇宙世紀を舞台にした本作は、スペースコロニー「イズマ・コロニー」で繰り広げられる違法モビルスーツ格闘戦《クランバトル》から始まりました。主人公のマチュ(アマテ・ユズリハ)は、ニャアンたち仲間と共に《ポメラニアンズ》の一員として日夜バトルに明け暮れていました。しかし第6話「キシリア暗殺計画」では、その裏で進行する巨大な陰謀が一気に表舞台に浮上します。

一つ目の軸は「赤いガンダム」の極秘情報を巡る攻防です。かつてマチュたちが遭遇した謎の赤いガンダム(シュウジが絡む機体)の存在は、《クランバトル》優勝賞金をも上回る価値があると噂されていました。ポメラニアンズのメンバーであるアンキーは、その情報を高値で売り捌こうと暗躍し、次回のクランバトル開催中に取引を画策します。マチュはアンキーの裏切りとも言える企みを知り、動揺を隠せません。アンキーにとってマチュは駒に過ぎず、事が済めば切り捨てる腹づもりなのです。この計画をめぐり、マチュの仲間内にも不穏な空気が漂い始めました。良心の呵責を感じたナブがマチュにそれとなく警告しますが、マチュは既に危険な賭けに巻き込まれていきます。

もう一つの軸は「キシリア暗殺計画」という国家規模の陰謀です。地球連邦軍情報部はジオン公国のキシリア・ザビに関する極秘情報を傍受し、何らかの暗殺計画が進行中であることを掴みます。具体的には、ジオン内部で対立するギレン派がキシリア暗殺を企てている可能性が浮上し、さらに彼らはコロニーごと粛清する狂気の作戦まで視野に入れているようなのです。連邦情報部のバスク・オム大佐ら強硬派はその動きを察知し、極秘裏に対抗策を講じます。一方でジオン側のエージェントや強化人間部隊もコロニーに潜入し、互いの思惑が錯綜。第6話後半では、コロニー内で軍警(軍と警察の合同部隊)と謎の人物エグザベとの追跡劇が発生し、偶然マチュたちの日常圏まで戦火が迫る事態となりました…。

物語はクライマックス直前、軍警に追われていたエグザベ・オリベが突然何者かに救出されるというシーンで幕を閉じます。間一髪のところで介入してきたその勢力とは一体誰なのか? マチュたちの住むコロニーはこれからどうなってしまうのか? 緊迫感漲る引きで第6話は終了し、次回へ向けて大きな期待と不安を残しました。

(注:以上は第6話の大筋を抑えた内容です。核心的なネタバレは避けていますが、詳細な展開や真相についてはこの後の「考察・解説」で触れています。視聴前の方はご注意ください)

感想

第6話を視聴してまず感じたのは、「物語の空気がガラリと変わった」という驚きでした。第5話までは学園ドラマ的なノリとクランバトルの爽快感が中心で、マチュの無鉄砲さにもどこか明るさがありました。それが第6話では一転、一話まるごと戦闘シーンなしにも関わらず張り詰めた緊張感が持続し、画面越しに息が詰まるような思いをしたほどです。序盤から「キシリア」「バスク・オム」など大物の名前が飛び交い、会話劇主体ながら情報量の多さに圧倒されました。しかし不思議と混乱はなく、むしろ怒涛の展開に引き込まれてあっという間の30分。まさにシリーズ屈指の濃密なエピソードだったと思います。

特に印象的だったのは、マチュとニャアン、それぞれの“普通”に対する思いの対比です。冒頭、ニャアンがシュウジと一緒に楽しげに餃子を作るシーンがありましたが、それを遠巻きに見つめるマチュの表情が切なくて…。戦いがない日常のひとコマで、ニャアンは少女らしい笑顔を見せていたのに対し、マチュは居場所を失ったような孤独感に苛まれている。このシーンは「平和な時間こそ人を深く傷つける」という逆説を描いており、胸に迫るものがありました。マチュにとって“普通の日常”は退屈で殻を破りたいものだったはずが、いざそれが壊れ始めると怒りをぶつけずにいられない。ラストでマチュがニャアンに「自分の居場所が奪われた怒り」をストレートに吐露する場面は、彼女の本音が遂に爆発した瞬間でした。黒沢ともよさんの鬼気迫る演技も相まって、心が震える名シーンだったと思います。

大人たちの描写にも考えさせられるものがありました。アンキーやシャリア・ブルといった登場人物は、自分の目的のためなら平然と他者を切り捨てる冷酷さを持っています。アンキーは「ジークアクス(=マチュの機体)の情報を売った後はマチュたちも消されるかもしれない」と悟り、真っ先に自分だけ逃げ延びる算段をする。その割り切りは怖いほどですが、「ああ、こういう大人いるよな…」と妙に現実味があるんですよね。一方でナブのように、利益と良心の間で葛藤する人間も描かれています。マチュを巻き込んだ負い目から、アンキーの計画を全部は言えないまでも忠告する優しさは残している。しかし結局核心を伏せたまま彼女を帰してしまう中途半端さが、ナブという人物の弱さでもあり人間らしさでもあるのでしょう。悪人にも善人にもなりきれない大人の存在を示すことで、物語に奥行きが生まれていると感じました。

往年のガンダムファンとしては、やはりバスク・オムとゲーツ・キャパの登場には痺れました。テレビの前で思わず「お前か!」と叫んでしまったほどです。バスクが「極右の特殊部隊を…」云々と言った瞬間、「ティターンズか!?」と鳥肌が立ちましたし、デザインも声も当時そのままで感無量でした。さらに劇中では「サイコガンダム」の存在も仄めかされ(次回予告で巨大な影が!)、第6話ラスト数分の情報密度が凄まじいことに…。MS戦が無くてもここまで盛り上がるのかと感心すると同時に、この先訪れるであろう地獄絵図を予感して震えました。正直、シリーズ前半の明るいノリを好んでいた視聴者の中には「シリアスすぎて戸惑う」という声もあるかもしれません。しかし個人的には、青春群像劇とハードな戦争劇の落差こそガンダムの醍醐味だと思うので、ここから一気に作品のテーマが深掘りされていく展開にワクワクしています。マチュたち若者がこの逆境の中でどう成長し、何を選択するのか――興味は尽きませんし、早く続きが観たいというのが率直な感想です。

考察・解説(伏線・テーマの深読み)

※この章以降は第6話の内容に深入りした考察を含みます。未視聴の方はご注意ください。

第6話「キシリア暗殺計画」は、そのタイトル通り宇宙世紀の裏舞台でうごめく陰謀が描かれました。ここでは、押さえておきたい伏線やポイントについて掘り下げてみます。ジオン公国の内紛やZガンダムへの繋がりなど、ファンには堪らない要素も盛りだくさんです。

キシリア暗殺計画の真相と勢力図

劇中明言はされていませんが、断片情報から推測すると、キシリア暗殺計画の黒幕は兄ギレン・ザビ率いる強硬派と思われます。ジオン公国内ではギレンとキシリアが対立関係にあり、キシリアがサイド6の大物(ペルガミノ大統領)と密談して自派の勢力拡大を図っていることが語られました。これを快く思わないギレン派が、連邦内の強硬分子=バスクたちと裏取引してでも妹を排除しようとしている…そんな構図が浮かび上がります。「ギレン派がバスク・オムを操り、キシリアの暗殺とコロニー粛清(サイコガンダムによる大虐殺)を目論んでいる」という衝撃的な推測も成り立ちます。連邦とジオンの一部が裏で結託しようとしているという、宇宙世紀の闇が垣間見える展開です。

実際、第6話中盤ではシャリア・ブルがアンキーに接触し「データ提供の謝礼は払う」と持ちかけていました。シャリア・ブルといえば元はキシリア配下のニュータイプ部隊(フラナガン機関)のパイロットでしたが、本作での立ち位置は微妙です。アンキー曰く彼女(アンキー)は元ジオン=旧公国軍人なので、シャリアとは旧知の間柄ともとれます。シャリアが狙っている「データ」とはおそらくジークアクス(マチュ機)の戦闘データ等ですが、彼がそれを欲する理由が気になります。劇中描写では、シャリアはジークアクスの危険性をよく理解しており、「下手に関われば口封じされる」とアンキーに警告めいたことも言っていました。シャリア自身はキシリア派なのかギレン派なのか、あるいは独自の思惑で動いているのか…。彼がアンキーたちをあえて泳がせている節もあり、非常に謎めいています。

そのシャリアに監視役として送り込まれていたのが、若い強化人間エグザベ・オリベだったことが第6話で示唆されました。エグザベは登場当初から所在なげな言動が目立っていましたが、どうやらキシリア派がシャリアを監視するため差し向けたスパイだったようです。ラストでエグザベが軍警に追われた際、タイミング良く“仲間”に救出されたのも、シャリア側が彼の正体を見抜いて発信器か盗聴器で動向を掴んでいたからと考えられます。ただ、もしシャリア側がエグザベの正体を知っているなら、命懸けで二度も助ける行動を取ったのはなぜなのか…そこが引っかかります。考えられる仮説としては、シャリア個人がエグザベという若いニュータイプを惜しんでいる(気に入っている)か、あるいはシャリアの計画遂行にエグザベが必要不可欠なため利用価値ありと判断しているか。そのどちらとも取れる状況であり、非常に興味深いです。エグザベ自身は己の役割に気付いているのか否か、今後の展開で明かされるでしょう。

宇宙世紀とZガンダムの要素が続々登場

第6話最大のトピックは、宇宙世紀シリーズ(一年戦争~Z時代)からのキャラクターやメカが本格的に物語に組み込まれたことです。バスク・オム、ゲーツ・キャパについては先述の通りですが、彼らの存在が示すのは「ティターンズ台頭の芽生え」です。バスクは劇中で極右部隊(ほぼティターンズ)創設に暗躍し始めており、連邦上層部の腐敗を早くも感じさせます。また、ゲーツ・キャパは本来Zガンダム本編では強化人間の付き添い(ロザミア担当)でしたが、所属はニューホンコンのオーガスタ研究所でムラサメ研ではありません。それが本作ではムラサメ研究所サイドの動きに関わっている点も興味深いです。「ゲーツがムラサメ研じゃないのに出てくるのはおかしい」という指摘もありましたが、彼がドゥーの異常さにドン引きする描写を見るに、設定を踏襲しつつ敢えて配置換えすることで“技術系将校”として客観視させる役割を担わせたのでは、と考えられます。こうした細かい部分での既存設定への目配せは、榎戸・庵野両氏のガンダム愛の表れでしょう。

さらに、物語に暗い影を落とす存在として「サイコガンダム」が言及・登場しました。次回予告映像では巨大なモビルスーツがコロニー市街地で暴れるカットがあり、明らかにサイコガンダムと思われます。サイコガンダムといえばZガンダムで破壊と恐怖の象徴として描かれた兵器です。その乱入は「マチュたちの日常が完全に崩壊し、本格的な戦争が幕を開ける」予兆だと受け止められます。コロニーという市民生活の場が戦場となり、虐殺が起きる――ガンダムシリーズでも屈指の悲劇的展開ですが、本作はそこに踏み込もうとしています。ここで思い出されるのが第1話サブタイトル「赤いガンダム」。一年戦争開戦時のサイド6(中立コロニー)で起きたシャアの奇襲を彷彿とさせますし、実際キャラクター名簿にはシャア・アズナブルの名前も存在します。現時点でシャアは直接登場していませんが、「マチュのリベリオン」という次回タイトルから察するに、オマージュ的に彼女の反逆=シャアの叛逆と重ねてくる可能性も考えられます。キシリア暗殺といえば本来は一年戦争末期、シャアが遂行した因縁のエピソードです。果たして本作でその歴史がどう描かれるのか、非常に楽しみであり緊張感があります。

日常崩壊と青春ドラマの行方

考察すべきテーマとして、「日常から戦争へ」の断絶があります。第6話まではマチュたちの等身大の青春(将来への不安や仲間との絆)が描かれてきましたが、サイコガンダム乱入によって彼らの何気ない日常は完全に破壊されようとしています。事実、第6話の終盤でマチュは母親と大喧嘩し、「こんな生活もうイヤだ、地球に行く!」と息巻いていました(タマキ・ユズリハは娘を心配するあまり束縛気味で、その反動もあるでしょう)。マチュの地球行き計画という新たな目標も示唆されましたが、その矢先に戦争の波が押し寄せてきた形です。ニャアンもまた、「普通の女の子として暮らしたい」という夢は打ち砕かれ、再び過酷なサバイバルに身を投じるほかなくなります。シュウジに関しては最初からアウトローな生き方でしたが、彼も含めた3人の関係性が非日常の極限状況でどう変化するかは注目ポイントです。平和な餃子作りの一幕で孤独を感じたマチュが、戦乱の中でニャアン・シュウジと再び交わることで何を得るのか――それは希望なのか、さらなる絶望なのか。青春群像劇としての軸はまだ生きており、戦争が彼らの成長物語にどう影響していくかを考えると非常にスリリングです。

また、第6話タイトル「キシリア暗殺計画」は裏を返せば「ギレンの野望」とも言えます。ギレン・ザビは独裁的野心家であり、実の父親や妹すら手にかけようとする冷酷さが伝統的に描かれてきました。今回、そのギレンが直接姿を見せずとも策謀の中心にいると示唆されたのは興味深いです。直接的な描写がなくても存在感を放つ悪としてギレンを据えることで、本作が正統な宇宙世紀の系譜に連なる物語であることを印象付けています。庵野秀明氏が参加していることもあり、ファンの間では「ジークアクス=宇宙世紀の新解釈ではなくパラレルか?」と議論もありましたが、ここまでの展開を見る限り「公式外伝的にUC史を拡張する」試みと言えそうです。要は一年戦争末期からグリプス戦役前夜にかけての裏側で、こんなドラマがありましたという物語ですね。その中に、マチュというオリジナル主人公の視点を通した青春と戦いがしっかり描かれているのが巧いところです。

最後に強化人間ドゥー・ムラサメについても少し触れます。彼女は名前からして“四”(フォウ)に対応する存在ですが、年齢的にはフォウより年上(お姉さん?)設定のようです。ムラサメ研究所でどんな改造を受けたのか、劇中ではっきりとは語られていません。ただ、彼女が時折見せる寂しげな表情や、ゲーツの「普通じゃない…」という反応から察するに、相当過酷な処置を受け人格や記憶にも影響が出ているのではと推測されます。Zガンダムでのフォウやロザミアの悲劇を彷彿とさせますが、ドゥーが今後マチュたちと敵対するのか、それとも…という点は非常に気になります。第6話ではマチュとの直接絡みはありませんでしたが、物語が本格的な戦争に突入する中で、ニュータイプ同士の共鳴や悲しいすれ違いが描かれる可能性も高いでしょう。ドゥーの存在自体が、ガンダムシリーズのテーマである「人の革新と戦争の非情さ」の体現とも言えるので、彼女の行く末からも目が離せません。

視聴者の反応

第6話「キシリア暗殺計画」はファンの間で大いに話題となり、SNSにも様々な感想が投稿されました。その一部をピックアップして、好意的な声と戸惑いの声をそれぞれご紹介します。

ポジティブな反応(好評) 🟢

  • バスク・オムとサイコガンダム出てきた!もう興奮で震えた! 往年のガノタおじさん達はみんな大歓喜でしたよ」
  • 情報量多すぎてヤバい… クランバトル青春ものかと思いきや、一気に一年戦争末期の暗部を描いてきて度肝を抜かれた。でもこういうのでいいんだよ!」
  • ニャアンが餃子作ってる日常シーン可愛すぎ。シリアス展開の中にもこういう癒しがあってグッときた。ニャアンちゃんには幸せになってほしい…」
  • ドゥー・ムラサメ可愛い! まさかの強化人間キャラだけど声優さん(#金元寿子)もハマり役だし、今後どう絡むのか楽しみ」
  • 第6話、本当に濃密で神回。 会話劇だけでここまで引き込むとは…スタッフと声優陣に拍手。ガンダム詳しくなくても普通にドラマとして面白いって思った」

● ネガティブな反応 🔴

  • 「ガンダム古参ファンが盛り上がってるけど、バスクとか言われても誰?って感じ… 正直モブの軍人おじさんにしか見えなかった」
  • 今日は戦闘なくて地味だった。難しい会話が多くてちょっと戸惑ったかな…。先週までとのギャップで面食らった新規勢もいるかも?」
  • 「SNSで『サイコガンダム来た!』って盛り上がってるけど、サイコガンダムってそんなヤバいの? という新参の疑問。自分含め知らない人も多いみたい」
  • 「マチュのお母さん急に出てきて怒鳴り合ってたけど、家庭描写もっと前から欲しかったかな。唐突感あって感情移入しづらい部分もあった」
  • ニャアン派の自分としては、このまま戦争に巻き込まれてほしくない…。せっかく普通の生活送りたがってたのに可哀想すぎる。物語的には仕方ないけど複雑」

こうした反応を見ると、往年のファンほど第6話を高評価し、シリーズ初見の若い視聴者ほど困惑気味という温度差も感じられます。ガンダムの過去作を履修済みのファンにとっては「バスク登場=ヤバい事態」「サイコガンダム=絶望の象徴」とピンと来る要素も、初見の方には「突然出てきた新キャラとメカ」に映ったことでしょう。それでも、「シリアスだけど面白い」「意味は分からないが凄そう」という声も多く、新旧ファンがそれぞれの視点で盛り上がっている様子でした。米津玄師さんが歌う主題歌効果で普段ガンダムを観ない層も視聴している作品だけに、この温度差も含めてSNS上で議論が白熱しているのが『ジークアクス』ならではの現象と言えます。

次回「マチュのリベリオン」への期待

物語は次回、第7話「マチュのリベリオン」へと続きます。タイトルからして不穏かつ重要な意味合いを感じますが、現時点で分かっている注目ポイントや展開予想を整理してみましょう。

まず確実なのは、コロニー内で本格的な戦闘が勃発することです。予告映像ではサイコガンダムらしき巨大機体が街を蹂躙し、市民が逃げ惑う描写がありました。マチュたちにとって日常だったコロニーが戦場と化し、彼女ら自身も否応なく巻き込まれていくでしょう。第6話時点でマチュはMS戦闘に参加しておらず、実は彼女自身がモビルスーツに乗って戦うのは少し久しぶりになります(第5話では対戦相手不在の不戦勝だったため)。次回はジークアクスを駆ってコロニー防衛戦に臨む展開が予想され、マチュが初めて「人を撃つかもしれない恐怖」と向き合うことになりそうです。視聴者の間でも「マチュがこのままじゃ闇堕ちするのでは」「人を殺してしまって苦悩する展開もあり得る」といった声が上がっており、彼女のメンタル面の変化が大きな見どころとなるでしょう。

また、第7話タイトル「リベリオン(反乱)」が指すものについても考察が飛び交っています。「マチュの反乱」という直球の言葉ですが、これは彼女自身の心の決起とも、物語世界における何らかの組織的反乱(例えば連邦に対する市民蜂起や、マチュたち若者の独立行動)とも取れます。個人的には前者=マチュの決意を示していると捉えています。すなわち、これまで周囲に流されがちだったマチュが、自分の意思で戦うことを選び取る瞬間が来るのではないでしょうか。それはアンキーら大人への叛逆でもあり、理不尽な戦火への怒りの表明でもあるはずです。マチュがどんな形で「リベリオン」を起こすのか、大変興味深いです。

他にも、シャア・アズナブルやキシリア・ザビ本人の登場にも期待が高まります。第6話までで名前のみ登場(キャスト欄には既に名前あり)というキャラが何人かいますが、その筆頭がシャアでしょう。キシリアも暗殺計画の渦中にいる以上、姿を現す可能性があります。もしかすると第7話のクライマックスでキシリア暗殺未遂事件が勃発し、その際に仮面の若き士官(=シャア)が暗躍…なんて展開も? もし実現したら旧来ファンは歓喜必至ですが、新規視聴者にとっても「伝説の赤い彗星」がどう物語に絡むのかスリリングなはずです。宇宙世紀の大物たちが絡み合う戦乱に、マチュたち青春世代が翻弄されながらもどう立ち向かうのか――第7話以降、一層スケールアップしたドラマが繰り広げられるでしょう。

最後に、マチュ・ニャアン・シュウジの関係性にも注目です。第6話では三人の間に微妙なすれ違いが生まれていましたが、次回予告では過酷な状況下で再び行動を共にする様子が垣間見えました。戦火を潜り抜ける中で、マチュがニャアンにぶつけた想いはどう昇華されるのか、シュウジは二人をどう支えるのか。友情・信頼、時に恋愛感情も入り混じった三角関係の行方も見逃せません。「戦争が青春をどう変えるか」という命題に答えを出すカギが、次回以降に握られていると言えるでしょう。

配信情報・視聴方法

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』は日本国内・海外で以下のプラットフォームで視聴可能です。

  • 地上波放送(日本テレビ系) – 毎週火曜深夜24:29~(日本テレビ系列 全国30局ネット)
  • 見逃し配信(国内) – 放送翌日(水曜)午前1:00より Prime Video にて最速配信。その後、毎週金曜22:00以降順次 HuluU-NEXTバンダイチャンネル など各種配信サービスで見放題配信開始。《ジークアクス》の名前で検索すれば主要なサブスクでヒットするほど広く展開されています。
  • 海外配信 – 日本・ベトナムを除く全世界で Amazon Prime Video 独占配信中(毎週水曜に最新話追加)。英語字幕版など各言語で視聴可能。

※最新の配信スケジュールや地域制限は公式サイトをご確認ください。国内では放送翌週以降に無料配信される場合もあります。また、公式ガンダムYouTubeチャンネルでの特別公開や期間限定配信が行われることもあるので、見逃した方は公式ニュースをチェックすると良いでしょう。

関連グッズ紹介

放送開始と共に各種関連商品も続々登場しています。『ジークアクス』の世界をより楽しめるグッズ情報をまとめました。

  • プラモデル(ガンプラ) – バンダイより本作のモビルスーツが早くもキット化。主人公機「HG 1/144 GQuuuuuuX(ジークアクス)」は税込2,200円程度で発売されており、精密な可動と各種武装が付属します。劇中登場のユニークな機体「HG 1/144 軍警ザク(Police Zaku)」も同価格帯で商品化。警察仕様のザクという異色MSまで模型化される力の入れようです。この他、第1話に登場した赤いガンダム白いガンダム、さらには巨大兵器サイコガンダムのガンプラ化にも期待が高まります(公式メカ一覧にも掲載あり)。ガンプラは全国ホビーショップやネット通販で購入可能で、組み立てながら劇中の名シーンを追体験できます。
  • 音楽関連 – オープニング主題歌「Plazma」を歌う米津玄師さんのニューシングルが2025年6月11日にリリース決定。疾走感と神秘性を兼ね備えたこの曲は、作品世界を象徴する一曲です。エンディングテーマ「もうどうなってもいいや」を担当するVTuberシンガーの星街すいせいさんは、2025年1月にアルバム『新星目録』を発売しており、本曲も収録されています。また、第6話挿入歌「きえない」(NOMELON NOLEMON)は各種音楽配信サイトで好評配信中。劇中で使用された他の挿入歌「Midnight Reflection」「HALO」「夜に咲く」も順次リリース予定で、サウンド面から作品を楽しみたい方は要チェックです。
  • 映像ソフト・書籍 – 放送中のためBD/DVD発売情報はこれからですが、劇場版『ジークアクス -Beginning-』先行上映に伴う来場特典として設定資料小冊子が配布されました。公式サイトのTHEATER欄によれば、劇場前売券とグッズのセット販売も行われています。今後、全話収録Blu-rayボックスや資料集、コミカライズなどの展開も十分考えられます。既に雑誌『ニュータイプ』2025年6月号で特集&スタッフインタビューが掲載され話題となりました。グッズでは他に、作中に登場するハロ(HARO)の最新AI搭載玩具や、ニャアンの被っているキャップ風帽子、ポメラニアンズのチームパーカーなどコラボアパレルも発売中との情報があります(ガンダム公式通販など)。公式ポータルサイト「GUNDAM.INFO」内の【GOODS】欄やプレミアムバンダイ通販サイトで詳細が確認できますので、ファンの方はぜひチェックしてみてください。

まとめ

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第6話「キシリア暗殺計画」は、シリーズの雰囲気を一変させるターニングポイントとなりました。平和だった日常が戦争の現実に侵食され、マチュたち若者も否応なしに大人の陰謀に巻き込まれていく展開は衝撃的でありつつ、ガンダムらしい骨太さを感じさせます。青春ドラマとハードな戦争劇が交錯する本作は、いよいよクライマックスに向けてギアが上がってきました。この先、マチュがどんな“リベリオン”を起こすのか、そして彼女たちの日常は取り戻せるのか──期待と不安が入り混じる中、皆さんは第6話をどう受け止めましたか?ぜひ感想や考察を語り合いながら、来る第7話以降の展開を楽しみに待ちましょう!

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morishy

職業:外資系ITサービス企業での技術職 趣味:読書、アニメ/ドラマ/映画鑑賞、スポーツ観戦、ゲーム、プラモなど 自己紹介: IT企業で技術職で働いており、新しいものについて比較的興味を持ちやすい体質です。最近は読書やアニメ、ドラマを中心とした動画鑑賞にどっぷりはまっており、作品の良いところを中心に紹介したいと考えて立ち上げました。 好き嫌いがない性格なので、結構幅広く作品を鑑賞しているので、皆さんの今後の読書や動画鑑賞に活かしてもらえるような情報提供ができれば幸いです。

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