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(あらすじ・感想)『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』(1997年)をミル!天才と狂気が交差する爆弾ミステリー

テレビアニメ『名探偵コナン』のヒットを受けて制作された初の劇場版作品が、この『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』です。1997年に公開され、当時アニメファンに大きなインパクトを与えました。小学生から大人まで幅広い世代に愛され、劇場版コナンの原点として位置付けられる本作は、公開後の反響を受けて以降毎年春に新作が公開されるシリーズへと発展していきます。テレビシリーズでおなじみのキャラクターたちがスクリーンで躍動する様子や、大規模な爆破シーンの迫力に、公開当時ファンは熱狂しました。この記事では、ネタバレを極力控えつつ、本作の魅力を濃密にレビュー・考察していきます。

キャスト・キャラクター紹介

  • 江戸川コナン/工藤新一(声:高山みなみ/山口勝平) – 本作の主人公。高校生探偵・工藤新一が黒ずくめの組織に毒薬を飲まされ小学生の姿になったのがコナンです。小さな体でも天才的な推理力は健在で、劇場版でも爆弾犯との知能戦に挑みます。普段は少年らしい高山みなみさんの声音が、緊迫した場面では大人びた鋭さを帯び、コナン=新一の二面性を巧みに表現しています。新一本人の声は山口勝平さんが担当し、蘭への電話シーンなど限られた登場ながら強い存在感を残します。その一人二役の演じ分けが物語に厚みを与えています。
  • 毛利蘭(声:山崎和佳奈) – 本作のヒロインで、新一の幼なじみかつガールフレンド。空手の達人でありながら心優しく、劇中では新一の誕生日を祝うためサプライズを計画する純真さも描かれています。山崎和佳奈さんの凛とした中にも可憐さのある声は、蘭の強さと繊細さを見事に表現。クライマックスでは恐怖と使命感に揺れる蘭を熱演し、緊張感あるシーンに説得力を持たせています。
  • 毛利小五郎(声:神谷明) – 蘭の父で、「眠りの小五郎」で知られる迷探偵。元刑事という経歴ながらどこかコミカルなキャラクターで、神谷明さんのダンディーかつユーモラスな演技が光ります。事件解決の場面ではコナンに麻酔で眠らされるお馴染みの演出もあり、重厚なミステリーに笑いを添える名バイプレイヤーです。神谷さんは『シティーハンター』の冴羽リョウや『北斗の拳』のケンシロウなどで有名なベテラン声優であり、その抜群の存在感で小五郎の憎めないキャラクター性を際立たせています。
  • その他のキャラクター – コナンを陰で支える阿笠博士(緒方賢一)や、捜査を指揮する目暮警部(茶風林)といったレギュラーメンバーも登場します。少年探偵団の元太・歩美・光彦(高木渉、岩居由希子、大谷育江)は序盤で少しドタバタを繰り広げ、物語に明るさを添えています。本作オリジナルキャラクターとして登場する森谷帝二(声:石田太郎)にも注目です。著名な建築家である森谷は上品な英国紳士然とした振る舞いの中に不敵な笑みを浮かべる人物で、石田太郎さんの低く重厚な声がそのカリスマ性と狂気を表現しています。さらに新人の白鳥警部(声:塩沢兼人)も本作で初登場し、そのクールな口調とニヒルな台詞回しで強い印象を残します。塩沢兼人さんのミステリアスな演技もあり、白鳥警部はスタッフに気に入られて後に原作・TVにも逆輸入されるレギュラーキャラとなりました。

制作陣情報(監督・脚本・制作)

メガホンを取ったのは監督のこだま兼嗣(児玉兼嗣)氏です。こだま監督はテレビアニメ版『名探偵コナン』の初代監督でもあり、本作が自身の劇場版デビュー作となりました。過去には『シティーハンター』のOVAを手掛けており、アクション演出にも定評があります。本作でも緻密なサスペンス演出とダイナミックなアクションシーンを両立させ、テレビシリーズよりスケールアップした映像で観客を惹きつけました。

脚本は古内一成氏が担当。古内氏はテレビの刑事ドラマで知られるベテラン脚本家で、原作者・青山剛昌先生のアイデアを基にオリジナルストーリーを執筆しました。そのため、テレビシリーズの延長線上にありながらも映画ならではのボリューム感と緊張感がある脚本に仕上がっています。犯人からの挑戦状やトリックの数々は、本格ミステリーの要素と刑事ドラマ的サスペンスのバランスが絶妙で、“コナン映画の基本形”を作り上げたと言えるでしょう。

音楽は大野克夫氏が担当し、テレビシリーズ同様に印象的なBGMで物語を盛り上げています。特に劇中の緊迫した場面で流れるテーマ曲や、コナンの推理シーンでのおなじみのメロディはファンにとって耳馴染みのあるもので、映画でも健在です。主題歌は杏子さんが歌う「Happy Birthday」で、スガシカオさんが作詞作曲を手掛けた切ないバラードとなっており、作品のテーマである「誕生日」に寄り添う選曲になっています。制作面では、当時の劇場版スタッフが試行錯誤しながらもテレビシリーズの勢いをそのままパッケージングしており、結果として興行収入11億円を記録するヒットとなりました。小規模体制ながら質の高い作品を作り上げたスタッフ陣の情熱が、画面から伝わってきます。

あらすじ

高校生探偵の工藤新一が少年の姿のまま活躍する江戸川コナンとして、毛利探偵事務所で暮らしている世界。新一の誕生日を翌日に控えたある日、謎の男から電話がかかり「公園に爆弾を仕掛けた」と告げられます。コナンが急行した緑地公園では子供たちの集まる中、爆弾が発見され大パニック!コナンはスケートボードやキック力増強シューズといった発明品を駆使し、何とか子供達を守ることに成功します。しかし犯人はこれで終わらず、「次なる爆破予告」を電話で宣言。次々と仕掛けられる爆弾に、東京の街は恐怖と混乱に陥ります。

物語序盤、コナンたちは偶然巻き込まれた事件を鮮やかに解決し、彼が普段どんな風に謎を解いているのかを観客に示します。この丁寧な導入によって、コナン初心者でも彼の活躍の基本が理解できる構成です。その後、新一宛に世界的な建築家森谷帝二教授から自宅パーティーの招待状が届き、コナンは蘭と小五郎を伴って出席します。格式高いガーデンパーティーで謎かけクイズを楽しむ一行でしたが、それこそが一連の事件の幕開けとなりました…。

犯人からの予告に翻弄されるコナンたち。第二の爆弾では偶然拾った猫の入ったケースに仕掛けられた爆弾を巡り、市内でカーチェイスが展開されます。コナンは愛用のターボエンジンスケートボードでタクシーを追いかけるという映画ならではのダイナミックなアクションシーンを披露し、観る者をハラハラさせます。続く第三の爆弾では、東都環状線を走る列車に爆弾が仕掛けられ、「時速60キロを下回ったら爆発する」という『スピード』さながらの緊迫した状況に。コナンは機転を利かせ、乗客たちをパニックから救いつつ爆弾を探し出すという大活躍を見せます。犯人の狙いが徐々に明らかになる中、コナンは「犯人は新一に恨みを持つ人物なのか?」という視点で推理を進めていきます。

やがて事件はクライマックスへ。新一の誕生日当日、蘭は新一と過ごす約束をしていた米花シティービル(高層ビル)で思いがけず爆弾事件に巻き込まれてしまいます。時限爆弾が仕掛けられた摩天楼で、コナンはビルの外から蘭に「ある選択」を託すことに…。果たして天才少年探偵は、狂気の爆弾犯に打ち勝ち、大切な人を守ることができるのか?――物語の結末は、ぜひご自身の目で確かめてください。

感想

テレビシリーズの延長とはいえ、劇場版ならではのスケールの大きさにまず圧倒されました。ビルが爆破され火の海と化すシーンや、高速鉄道での爆弾騒動など、大スクリーンで描かれる迫力は想像以上です。アニメ映画とは思えないリアルな爆破描写と緻密なアクション演出で、最初から最後まで息をつかせない展開でした。特に東都環状線のエピソードは、「列車から降りられないまま爆弾タイマーが刻々と…」という状況設定が秀逸で、観ているこちらまで手に汗を握る緊張感があります。犯人からの挑戦状に応じて次々と爆弾を追いかけるコナンの姿はまさに日本版『ダイ・ハード』のようで、「アニメだから」と侮れない本格サスペンスを味わえました。

同時に、本作が心に深く残るのは人間ドラマとロマンスの魅力ゆえでもあります。物語の軸として描かれる新一(コナン)と蘭の関係は、劇場版第1作にふさわしく丁寧かつロマンチックに描かれていました。新一の誕生日を一緒に祝いたい蘭の健気さや、直接会えないもどかしさを抱えながら彼女を想うコナン(新一)の姿に、思わず胸が熱くなります。クライマックスでは、蘭が「新一と自分は赤い糸で繋がっているかもしれないから…」と口にする場面があり、その純粋な信頼と愛情には思わず涙腺が刺激されました。爆弾処理という極限状況に恋愛要素を巧みに絡めた脚本は見事で、シリアスな中にも甘酸っぱい余韻が残ります。「真実はいつもひとつ!」という有名な決め台詞が示す通り、最後に明かされる真実にはしっかり愛と絆が貫かれており、観終わった後に心が温かくなる作品でした。

演出面でも印象的なポイントが多々あります。冒頭、コナンがいきなり殺人事件を華麗に解決するプロローグは痛快で、「この小学生、一体何者?」と初見の観客を惹きつけます。テレビシリーズを観ていない人への配慮としてコナン誕生の経緯をさりげなく説明する構成も丁寧で、物語にすっと入り込めました。中盤のカーチェイスやスケボーアクションは、セル画アニメの温かみある作画と相まって手に汗握る出来映えです。音楽の使い方も秀逸で、緊迫したシーンで流れるテーマ曲が鼓動を高め、逆に事件解決後に静かに流れるエンディングの「Happy Birthday」が心に染み入りました。爆音と静寂のメリハリが効いており、映像と音響の両面で映画館映えする作品だと感じます。

そして忘れてならないのがキャラクターの魅力です。コナン=新一の頭脳明晰さと人間味、蘭の強さと優しさ、小五郎の三枚目ぶりなど、レギュラーメンバーの個性が存分に発揮されていました。特に蘭については、本作では“ヒロイン”としての存在感が際立っています。彼女が見せる涙や笑顔の一つひとつに、新一への想いが滲み出ていて、同じく新一を想う視聴者としてグッときました。また、終盤でコナン(新一)が蘭にかける言葉の優しさと決意には心打たれ、「早く本当の声で直接想いを伝えさせてあげたい…!」と思わずにはいられませんでした。

考察・解説

本作のキーパーソンである森谷帝二教授は、コナン映画の犯人像の中でも異色かつ強烈なキャラクターです。彼のモデルはシャーロック・ホームズの宿敵モリアーティ教授であり、名前の「帝二(ていじ)」もモリアーティから取られています。青山剛昌先生自らキャラクター原案を手掛けただけあり、ホームズ好きの新一=コナンにとってまさに宿敵にふさわしい存在感でした。森谷はイギリス古典建築の左右対称(シンメトリー)に異常なまでの執着を見せる人物であり、自ら手掛ける建築物は必ず左右対称になるよう設計しています。そのこだわりは病的な域に達しており、なんと自身の名前さえ画数が対称になる「帝二」へと改名したほどです。この設定からも、森谷の狂気的な完璧主義が伺えます。

森谷が引き起こす一連の爆破事件は、彼の美学に適わない建築物や人間に対する歪んだ制裁とも言えます。「自分の理想とする美のためには破壊も辞さない」という犯人の思想は、単なる金銭目的の犯罪とは一線を画し、観る者に戦慄を与えました。劇中では森谷の瞳がアップになるシーンがありますが、その瞳には狂気の炎と天才の冷静さが同居しているように感じられます。彼は終始余裕すら漂わせてコナンを翻弄し、真相が暴かれた後でさえ不敵な笑みを浮かべる徹底ぶりでした。天才 vs. 天才の構図で描かれるコナンと森谷の頭脳戦は、本作の大きな見どころです。「動機は常軌を逸しているが頭脳明晰」という森谷のキャラクター造形は、いわゆる狂気の天才タイプの犯人像としてシリーズでも際立っています。一部のファンからは「森谷帝二が素晴らしい。彼を越える犯人はコナン映画には出てきていない」という声も上がるほどで、その存在感は後の劇場版犯人たちのベンチマークにもなったと言えるでしょう。

本作における心理描写にも注目したいポイントがあります。犯人から次々に届く爆破予告に対し、市民や被害者たちがパニックに陥る様子は最小限の描写に留められています。その分、コナンや警察が淡々と推理・対応する展開が中心ですが、これは物語をテンポよく進める意図があったのでしょう。しかし一部では「爆弾で命が危ないのに登場人物が落ち着きすぎ」「事件に巻き込まれた人々の心理描写が足りない」と指摘する声もありました。確かに現在の視点で見ると、爆弾犯による恐怖がもっとクローズアップされても良かったかもしれません。ただ、その落ち着いた空気感こそ初期コナン映画の作風でもあり、あくまで推理とロマンスに主眼を置いたストーリー運びは賛否あるもののユニークだと感じます。

江戸川コナン(工藤新一)と毛利蘭の関係性の描き方も、本作の深掘りポイントです。テレビシリーズでは新一不在のまま進行するエピソードが多い中、劇場版第1作では新一の存在が強く意識されています。例えば蘭は新一に直接会えなくとも電話で声を聞き、会話を交わします。コナンは阿笠博士の発明品である蝶ネクタイ型変声機を駆使し、新一として蘭を安心させようと奮闘します。この「正体を隠したまま愛する人を守る」という構図が切なくも燃える展開で、コナン=新一の葛藤が伝わってきました。蘭に真実を明かしたいけれど明かせないもどかしさ、しかし今できる最大限の方法で彼女を救おうとする新一の強い想いが、本作ではクローズアップされています。ラスト近く、コナン(新一)が蘭に電話越しに伝える言葉はシンプルながら重みがあり、新一の蘭への愛情と決意がひしひしと感じられる名シーンです。「会えなくても心は傍にいる」というテーマが全編を通じて描かれており、この点も単なる爆弾事件以上のドラマ性を生み出す要因になっています。

さらに、本作は劇場版シリーズ全体の中で見ても象徴的なモチーフが散りばめられています。タイトルにもある「時計じかけ(時間)」は言うまでもなく重要なテーマで、カウントダウンする爆弾タイマーや新一の誕生日というタイムリミットが物語を駆動します。時計塔の鐘の音や「あと◯分◯秒」という台詞の数々が、観客にも時間のプレッシャーを感じさせる演出になっていました。これはまさに命の時間と愛の時間の競争であり、最後までどちらが勝つのかハラハラさせられます。また、劇中で鍵を握る赤と青の色にも注目です。爆弾の解体でどちらのコードを切るかという究極の選択において、「赤」は蘭にとって新一との絆を象徴する色として扱われます。日本では運命の赤い糸伝説が有名ですが、脚本ではそれを巧みに取り入れ、観客に対して何重ものミスリードとサプライズを用意していました。結果的にこの色のモチーフが恋の行方と生死を分かつ鍵となり、ミステリーとラブコメが見事に融合したクライマックスが生まれています。初見時には気づかなくても、見返すと「あの時の赤と青にはこんな意味が…!」と唸らされる仕掛けであり、脚本の巧妙さに感心しました。

最後に、少しメタな観点になりますが、本作はシリーズ全体との関連でも興味深い位置付けにあります。劇場版1作目ゆえに、テレビシリーズからのレギュラーメンバー以外のゲストキャラが限られており、物語も米花町周辺で完結しています。そのため派手なスケールよりもミステリー性とキャラ描写に重きが置かれており、良くも悪くも「テレビの延長」の雰囲気があります。この路線は次作『14番目の標的』まで続き、劇場版3作目以降から徐々に全国各地や海外を舞台にした大がかりな作品が増えていきます。そうした後年の作品群と比べると、本作は非常にシンプルでコンパクトな印象を受けるかもしれません。しかし裏を返せば、それだけ物語の核(新一と蘭、探偵vs犯人の構図)に集中しているとも言えます。実際、コナン映画を全て観たファンの中には「第1作のミステリーとしての完成度が一番好き」という声も根強くありますし、「蘭と新一の物語」としては随一の感動作だと評価する向きもあります。シリーズが長く続いた今だからこそ、改めて初作の持つシンプルさや熱量の高さが際立つと言えるでしょう。当時は1作限りの予定だったこともあり、スタッフの情熱と遊び心がぎっしり詰まった意欲作になっている点も見逃せません。

視聴者の反応

本作に寄せられた当時と現代のファンの声をまとめると、以下のようなポジティブな意見ネガティブな意見が見られます。

好意的な感想としては「スリル満点で飽きない」「新一と蘭の関係が尊い」「犯人キャラが魅力的」といった点が挙げられます。一方、否定的な意見では「ミステリー要素の弱さ」「物語のシンプルさ(現在から見ると物足りない)」「脚本の粗さ」などが指摘されています。総じて、当時からのファンにとってはキャラクター描写や王道展開が高く評価されており、初見の観客でもアクションサスペンスとして楽しめるとの声が多いです。しかし、シリーズ後期の派手で複雑な作品に慣れた層には、第1作の素朴さゆえに物足りなく映る場合もあるようです。それでも「何度見ても色褪せない名作」との意見も根強く、シリーズの原点として今なお特別な位置を占める作品であることは間違いありません。

ポジティブな反応(好評) 🟢

  • 「記念すべき劇場版1作目!!犯人が誰か覚えてても楽しめるしおもしろいね」 – 犯人を知っていてもアクションや仕掛けが面白く、何度観ても飽きないとの声。
  • 「こんなん見たら新蘭好きになっちゃうよ…!早く本当の声で蘭とお話出来るのが当たり前になるといいね…」 – 新一と蘭(新蘭)の尊さに言及し、二人の関係性に胸を打たれたファンのコメント。
  • 「フォーマットが刑事ドラマの劇場版っぽい。一作目ってこともあってモリアーティぶつけてきてるの気合入ってるなと思うし犯罪の規模がでかくて満足感がある」 – 刑事ドラマのような骨太ストーリーやスケールの大きさ、モリアーティを彷彿とさせる犯人設定に満足したという意見。
  • 「爆弾対応でバタバタするのは見てて楽しいし、1作品目に相応しい新蘭を推せる映画だな。」 – ハラハラする爆弾処理シーンのエンタメ性や、新一と蘭の関係がしっかり描かれている点を評価する声。
  • 「森谷帝二が素晴らしい。彼を越える犯人は、コナンの中では出てきていないと思う。」 – 犯人キャラの魅力について、森谷をシリーズ最高の敵役と称賛する熱い意見。

ネガティブな反応(賛否両論・批判) 🔴

  • 「容疑者1人の、まぁ普通に考えたらあいつしか犯人いないわな…となる、コナン映画のチュートリアルみたいな作品。」 – 登場人物が少なく犯人が丸わかりな点を指摘する声。「お手本的すぎる」とミステリーの物足りなさを感じたとの意見です。
  • 「1番最初は平成初期だもんね、、感。小学生の頃見てたら面白いかも₍ᐢ. ̫ .ᐢ₎…」 – 90年代の作品ゆえ映像や展開に古さを感じ、「当時子供だったら楽しめただろうが今見ると微妙」という現在の若い視聴者の声。
  • 「コナン全部見てみよう!と思って1作目見たら微妙で、んー…時代と共に面白くなることを願って見続けようと思う」 – シリーズ初見の視聴者からは「第1作の出来は今ひとつだった」とする意見も。シリーズが進むにつれ面白さが増すことに期待するコメントです。
  • 「子供の頃、唯一劇場で観たコナン映画。…昔の作品は脚本が雑だなと実感しました。」 – 当時映画館で観た思い出補正はあるものの、久々に視聴して「ストーリー運びが粗く感じた」という懐古組の辛口意見も見られました。
  • 「緊迫感が無いんですよ、爆弾が爆発して命を落とすかもしれないというのに、登場人物たちは冷静なんです。その理由はやはり詰め込みすぎですね…事件に巻き込まれた人々の心理を描写する時間が圧倒的に足りないのです。…だけど犯人の動機と人物像がなあ、名探偵と対決するんならそれなりの人物を出してもらわないと盛り上がりませんよ。」 – とあるレビューでは、物語に詰め込みすぎで緊迫感や心理描写が足りない点、犯人像が浅く感じられる点を指摘しています。盛り上がりに欠け、「中身が薄すぎて多分明日には内容を忘れている」という辛辣な総評もありました。

次回への期待

本作『時計じかけの摩天楼』の成功を受け、翌年には早くも第2作『14番目の標的(ターゲット)』が公開され、以降毎年コンスタントに劇場版コナンが制作される運びとなりました。シリーズ初期の作品群(第1作~第3作あたり)は、毛利小五郎や目暮警部などレギュラー陣にスポットを当てたミステリー色の強い内容が特徴で、本作で確立した路線がそのまま継承されています。例えば次作『14番目の標的』では小五郎を巡る因縁の事件が描かれ、より人間ドラマに踏み込んだ内容となっています。また、第3作『世紀末の魔術師』では怪盗キッドが劇場版に初登場し、本作にはなかった華やかな怪盗アクション要素が加わりました。こうして年を追うごとに作品ごとのカラーが広がり、アクション大作路線や原作の大型エピソードを取り入れた作品など、劇場版コナンは多様な進化を遂げていきます。

その中で、本作はシリーズの土台を築いた重要なエピソードとして随所に後続への布石が見られます。例えば、新キャラクターの白鳥警部は前述の通り本作で初登場し、第2作以降レギュラーとして定着しました。また、劇場版恒例となるオープニングのコナン誕生経緯ナレーションや、劇中にクイズ的要素を盛り込む遊び心(森谷帝二がパーティで出題した謎解きクイズは「コナンシネマクイズ」第1号でした)なども、本作から始まったシリーズのお約束です。ラストの余韻の残し方やエンドロール後のちょっとしたサプライズなど、“コナン映画の型”が既にこの時点で作られており、それがファンの心を掴んだからこそ長年愛されるシリーズへ発展したのでしょう。

シリーズ全体の視点で見ると、興行収入11億円だった本作から始まり、現在では1作で100億円近い興収を叩き出す年もある国民的映画シリーズに成長しました。近年の劇場版はハリウッド顔負けのド派手なアクションやシリーズの核心に迫るストーリーも増えています。しかし、その壮大な物語の端々に、本作で描かれた新一と蘭の純粋な想いコナンの探偵魂が根底に流れているように感じられます。つまり、『時計じかけの摩天楼』は全ての劇場版コナンの原点であり、ファンにとって永遠に色褪せない宝物のような作品なのです。「次はどんな事件が待っているんだろう?」と胸を躍らせた97年当時のワクワク感は、今もなおシリーズ最新作へと受け継がれています。本作を観終わった後は是非、第2作・第3作…と続くコナン映画の世界に踏み出してみてください。毎年春にコナンと再会できる楽しみが、きっとあなたを待っています。

配信情報・視聴方法

  • Netflix – 定額見放題で配信中。HD画質で視聴可能。
  • Hulu – 定額見放題で配信中。劇場版最新作公開に合わせて過去作を期間限定配信することもあります。
  • Amazonプライム・ビデオ – 会員特典で見放題配信される場合あり(時期による)。レンタル/購入も可能です。
  • U-NEXT – 定額見放題で配信中。初回登録時のポイント利用で無料視聴も可能。
  • DMM TV、ABEMA、Lemino など他の動画配信サービスでも、期間限定で劇場版コナンシリーズ一挙配信が行われることがあります。

また、物理メディアではDVD・Blu-rayが発売されており、各種レンタルサービス(TSUTAYA DISCASなど)でも借りることができます。特典映像として予告編やノンテロップOPなどが収録されたものもあり、ファンアイテムとして楽しめます。地上波でも金曜ロードショーなどで不定期に放送されることがあるので、放送予定をチェックするのも良いでしょう。

視聴環境に合わせて、お好きな方法で本作を楽しんでください。初めての方はもちろん、昔観た方も改めて見直すと新たな発見がありますよ。

関連グッズ紹介

劇場版第1作ということで、公開当時から様々な関連グッズが発売・展開されました。ファン心をくすぐる魅力的なアイテムの一部をご紹介します。

  • 劇場パンフレット(公式プログラム) – 映画公開館で販売されたフルカラー冊子です。監督や声優陣のインタビュー、設定資料、美術ボードやストーリー解説など充実の内容で、当時の価格500円程度。現在では入手困難で中古市場では高値がつくこともあります(美品は数千円〜1万円前後)。コレクションアイテムとして劇場版ファンにはたまらない一冊です。
  • オリジナル・サウンドトラックCD – 大野克夫氏による劇伴曲を収録したOST盤。劇中で使用されたBGMはもちろん、主題歌「Happy Birthday」や挿入歌「キミがいれば」劇場サイズなども収録されています。当時はポリドール(現ユニバーサルミュージック)から発売されました。アップテンポなメインテーマからしっとりしたピアノ曲まで名曲揃いで、聴くだけで映画の名場面がよみがえるファン必携の一枚です。
  • フィギュア・玩具類 – コナンや蘭、小五郎たちキャラクターのフィギュアや玩具も多数展開されました。中でもコナンが乗っているスケートボードや腕時計型麻酔銃を模した玩具は子供たちに人気でした。最近ではプライズフィギュアやコレクター向けハイクオリティフィギュアで、劇場版第1作当時のコナン(蝶ネクタイとスケボー姿)や蘭のフィギュアもリリースされており、懐かしのシーンを再現できます。
  • アパレル・アクセサリー – 劇場版の公開に合わせて、Tシャツやキャップなどのファッションアイテムも登場しました。映画ポスターのビジュアルをあしらったTシャツや、「真実はいつもひとつ!」の名ゼリフが入ったデザインのバッグなど、ファン心をくすぐるグッズが盛り沢山です。普段使いもしやすく、さりげなくコナン好きをアピールできます。近年では劇場版シリーズ○○周年記念のコラボ腕時計など高級志向のアイテムも発売されており、大人のファンでも楽しめるラインナップとなっています。
  • 書籍・その他 – 劇場版公開記念の公式ガイドブックや、後年発売された「全映画パーフェクトガイド」「シネマガイド」などの書籍にも本作の詳しい解説が収録されています。また、本作のコミカライズ版(阿部ゆたか・丸伝次郎画)も2014年に発売されており、アニメを見られない環境の方でも漫画でストーリーを追体験できます。さらに映画の名場面を使用したポストカードやピンズ、キーホルダー、クリアファイルなどの定番グッズも当時から販売されており、現在でもイベントやネット通販で入手可能なものもあります。

これらのグッズはファンにとって作品の思い出を形に残せる宝物です。本作を観て気に入った方は、ぜひ関連グッズにも手を伸ばしてみてはいかがでしょうか。きっとコレクション棚がコナン愛でいっぱいになること間違いなしです。

まとめ

劇場版第1作『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』は、テレビシリーズの人気を不動のものとし、その後の映画シリーズの基盤を築いた記念碑的作品です。爆弾ミステリーとしてのスリル、新一と蘭のピュアなラブストーリー、そして何より江戸川コナンというキャラクターの魅力がぎゅっと詰まっています。天才少年探偵と狂気の天才犯人の頭脳戦は手に汗握る迫力で、ラストには愛と正義がしっかりと勝利するカタルシスが待っています。現在の最新作からこの第1作に遡って視聴すると、映像技術や演出の時代差はあるものの、作品に込められた情熱と面白さは色褪せていないことに驚くでしょう。「真実はいつもひとつ!」という名言が初めて劇場に響いた瞬間から既に、コナンの伝説は始まっていたのです。

ぜひ皆さんも、本作を通して名探偵コナンの原点を味わってみてください。天才と狂気が交差するこの爆弾ミステリーは、きっとあなたの心にも強い痕跡を残すはずです。「あなたは時計じかけの摩天楼に仕掛けられた謎を解けるか?」――そんな問いかけを胸に、スクリーンの中のコナンと一緒に事件解決に挑んでみてください。視聴推奨!

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morishy

職業:外資系ITサービス企業での技術職 趣味:読書、アニメ/ドラマ/映画鑑賞、スポーツ観戦、ゲーム、プラモなど 自己紹介: IT企業で技術職で働いており、新しいものについて比較的興味を持ちやすい体質です。最近は読書やアニメ、ドラマを中心とした動画鑑賞にどっぷりはまっており、作品の良いところを中心に紹介したいと考えて立ち上げました。 好き嫌いがない性格なので、結構幅広く作品を鑑賞しているので、皆さんの今後の読書や動画鑑賞に活かしてもらえるような情報提供ができれば幸いです。

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