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(あらすじ・感想)『VIVANT (ヴィヴァン)』(2023年) 第9話をミル!明かされた父の過去とテントの真実

2023年夏ドラマの大本命として放送された『VIVANT』もいよいよクライマックス直前の第9話!主人公・乃木憂助(堺雅人さん)が辿り着いた真実とは一体何なのか、視聴者の期待は最高潮に高まっていました。第9話を視聴してまず感じたのは、「これまで謎に包まれていた父とテロ組織テントの過去がついに明かされた!」という大きな興奮と、ラストシーンの怒涛の展開に思わず声を上げてしまう驚きです。この記事では、第9話のストーリー概要からキャストの見どころ、制作の裏側、そして深い考察までたっぷりとお届けします。ネタバレに配慮しつつ、SNSでも話題沸騰のポイントを交えたレビュー・考察となっていますので、『VIVANT』の世界をもっと楽しみたい方はぜひ最後までお付き合いください!

キャスト・キャラクター紹介

乃木憂助役 – 堺雅人さん:本作の主人公・乃木憂助を演じるのは、日本を代表する俳優の一人である堺雅人さんです。堺さんは『半沢直樹』や『リーガルハイ』など数々の話題作で主演を務め、その卓越した演技力と幅広い役柄で知られています。今作『VIVANT』では、自衛隊秘密部隊「別班」のエージェントでありながら、幼い頃に生き別れた父を追う主人公という難しい役どころに挑戦。第9話では父・ベキとの再会シーンや、組織に潜入している葛藤を表情だけで表現する演技が光りました。普段は冷静沈着な乃木が、父の過去を知る場面で見せた揺れる瞳には、視聴者も強く引き込まれたのではないでしょうか。

ノゴーン・ベキ役 – 役所広司さん:乃木の実父でありテロ組織「テント」の創設者ベキを演じるのは、日本映画界のレジェンド・役所広司さんです。役所さんは『Shall we ダンス?』やカンヌ映画祭で主演男優賞に輝いた『パーフェクト・デイズ』など国際的にも評価の高い名優で、本作でも圧巻の存在感を示しています。第8話のラストで初登場したベキですが、第9話では物語の中心人物として自身の壮絶な過去を語るシーンが描かれました。その語り口はまさにストーリーテラー。若き日のベキの苦悩から現在の野望までを一気に見せる演技に、「まるで一本の映画を観ているようだ」と感じる視聴者も多かったようです。

黒須駿役 – 松坂桃李さん:別班メンバーの黒須を演じる松坂桃李さんにも注目です。松坂さんは『孤狼の血』や『ヘブンズ・バーン・レッド』など映画・ドラマで幅広く活躍し、硬軟自在な演技が魅力の俳優です。第9話では乃木と行動を共にした黒須でしたが、テント潜入作戦の中で乃木に撃たれて囚われの身となってしまいます。劇中では負傷しながらも仲間を信じようとする黒須の健気さが印象的で、松坂さんの繊細な演技がその葛藤を感じさせました。物語後半での登場シーンこそ短いものの、クライマックスで重要な鍵を握る人物として存在感を放っています。

ノコル役 – 二宮和也さん:第1話のサプライズ登場から大きな話題を呼んだ二宮和也さんは、テントの幹部ノコルを怪演しています。国民的アイドルグループ出身で映画『硫黄島からの手紙』など俳優としても実績豊富な二宮さんが、本作では冷徹かつミステリアスなテロリスト役に挑戦。実はベキにとって“運命の息子”のような存在であり、乃木にとっては“宿命の兄弟”ともいえる立ち位置です。第9話では、乃木への不信感を露わにし「逃げんなよ」と追及するシーンや、ラストで処刑を宣告する迫真の演技がSNS上でも「鳥肌が立つ」「二宮さんの怪演がすごい」と大反響でした。

柚木薫役 – 二階堂ふみさん:世界医療機構の医師・柚木薫を演じる二階堂ふみさんは、映画『ヒミズ』での新人賞受賞以降、多彩な役柄で注目される実力派女優です。柚木薫は第1話から乃木と行動を共にし、異国の地での冒険を支えてきたヒロイン的存在。第9話では表舞台から一時退いた形ですが、その存在は乃木の心の支えとして感じられます。二階堂さんはこれまでも『エール』などでヒロインを務めており、本作でも強さと優しさを兼ね備えた現代女性像を好演。最終回に向けて柚木が再び物語にどう関わってくるのか、彼女の活躍にも期待が高まります。

制作陣情報(監督・脚本・制作)

『VIVANT』の企画・原作・演出を手掛けるのは福澤克雄さんです。福澤さんはTBSの日曜劇場枠で数々のヒット作を生み出してきた名演出家で、代表作に『半沢直樹』シリーズや『下町ロケット』などがあります。重厚な社会派ドラマから熱い人間ドラマまで幅広く手掛け、「日曜劇場=福澤演出」のイメージを築いた立役者です。本作『VIVANT』は福澤さんが3年前に聞いた“別班”という実在の自衛隊特殊部隊の噂をヒントに、自らオリジナルストーリーを練り上げた意欲作となっています。莫大な制作費1話あたり1億円が投入され、モンゴルでの長期ロケなどスケール感あふれる映像が実現したのも福澤監督のこだわりゆえでしょう。

脚本を務めるのは八津弘幸さんです。八津さんは『半沢直樹』『陸王』など福澤監督作品で脚本を担当してきたヒットメーカーで、近年ではNHK朝ドラ『おちょやん』の脚本も手がけたことで知られます。企業エンタメから人情ドラマまで幅広く執筆し、社会派ドラマをエンターテインメントとして盛り上げる巧みさに定評があります。「痛快な勧善懲悪」と「綿密な伏線」を絶妙に織り交ぜる八津さんの脚本は、『VIVANT』でも存分に発揮されました。特に第9話では、乃木が株式取引で資金調達策を説くシーンにあの半沢直樹ばりの詳細説明を盛り込む遊び心も!視聴者からは「あの説明シーン、まるで別のドラマ(半沢)のようでニヤリとした」といった声も上がり、制作陣の遊び心が話題となりました。

また、音楽は千住明さんが担当し、壮大かつ緻密な劇伴で物語を彩っています。千住さんの音楽はドラマチックな旋律で有名ですが、本作でもモンゴルの大地を感じさせる重厚なテーマ曲からサスペンスを盛り上げる緊迫の曲まで幅広く、第9話のクライマックスではその音楽が一層の緊張感を生みました。制作プロデューサーは飯田和孝さんをはじめTBSドラマ制作陣が結集し、「日曜劇場」ブランドにふさわしい高品質な作品となっています。監督・脚本・音楽が一体となり、常識を超えたスケールの冒険ドラマを作り上げた背景には、経験豊富な制作陣の巧みな手腕が光っています。

あらすじ

※未視聴の方はご注意ください。ここから第9話のストーリーを結末まで含めてまとめます。

第8話で父ノゴーン・ベキ(役所広司さん)と衝撃の再会を果たした乃木憂助(堺雅人さん)。テロ組織「テント」の本拠地に潜入した乃木は、第9話冒頭、父ベキから特別な食事に招かれます。ベキは40年ぶりに再会した息子を歓迎し、日本風の赤飯を乃木に振る舞いました。この思いがけない親子水入らずの場に、側近のノコル(二宮和也さん)は複雑な表情を浮かべますが、ベキがいかに乃木を信頼し喜んでいるかが伺えるシーンです。

翌日、乃木はテントの幹部たちと外出し、彼らが近年買い集めているというバルカ共和国北西部の広大な土地へ向かいます。テントが巨額の資金を投じてその土地を収集する理由──それは地下に純度99%の希少鉱石「フローライト(蛍石)」の巨大鉱脈が眠っていると発見したからでした。フローライトは半導体製造に欠かせない原料であり、それを独占採掘できれば莫大な利益が見込めます。テントはその利益をバルカ国内の孤児や貧しい人々に還元するという理念のもと、必要な資金を集めるため裏社会でテロや犯罪に手を貸し、荒稼ぎしていたのです。

ところが、計画を完遂するにはあと1000万ドル(約14億円)の資金が不足していることが判明。ここで乃木はベキに「誰の血も流さずに資金を調達できる方法があります」と進言します。その方法とは、乃木が所属していた別班が持つ機密情報を利用し、株式の信用取引で利益を得るというもの。乃木は別班時代に蓄えた極秘の経済情報を駆使し、市場で見事に1400万ドルもの利益を上げることに成功しました。テントの幹部たちも、このスマートな資金調達に驚きつつ拍手喝采。しかしその瞬間、謎めいた男性の声で「あなたは7回撃たれた狼だ」ということわざが流れます。この言葉はトルコの諺で「幾多の苦境を乗り越えてきた者は今後も困難を克服できる」という意味。誰が誰に向けて囁いたのか不明ですが、まるで何度も死線をくぐり抜けてきたベキの運命を暗示するかのようでした。

一息ついたところで、ベキは乃木に自身の過去の物語を語り始めます。今から40年前、ベキ(当時の名は乃木卓(若き日のベキ役は林遣都さん))は警視庁公安部の諜報員としてバルカ共和国に潜入していました。現地では表向き開拓事業に多大な成果を上げつつ、裏では極秘任務を遂行していたベキ。しかしある日、二重スパイの密告により正体が露見し追い詰められてしまいます。日本に帰国しようとするも、公安は「任務失敗」と見なしたのか彼を見捨て、日本への脱出経路を断ってしまいました。窮地に陥ったベキは祖国に裏切られ、自暴自棄の中で家族とも離れ離れに。当時日本に残してきた妻・明美(高梨臨さん)と幼い息子(=憂助)がいたものの、自分の失踪により二人も不幸に見舞われたのです。妻の明美は後に公安に拘束され獄中死(亡くなる直前、「復讐を果たして」と夫に託すような最期だったといいます)、そして息子・憂助は死亡したと伝えられ、ベキはすべてを失ったかのように思えました。

絶望の底にいたベキでしたが、運命のいたずらか一人の赤ん坊との出会いが彼を新たな道へ導きます。その赤ん坊こそが現在「ノコル」と名乗る孤児の少年(二宮和也さん)でした。ベキはノコルを実の息子同然に育て、戦災孤児を救う活動に身を捧げ始めます。当初は孤児院を支援する穏健なものでしたが、やがて彼の周囲に志を同じくする仲間が集まり、彼らは自ら武装して自警団的な組織を結成します。幹部となるピヨ(吉原光夫さん)との出会いや、後のテントNo.2となるアディエル(チャチグヘル・ハタンゾリグさん)との信頼もこの頃に築かれました。さらに、かつて乃木(憂助)が第7話で窮地に陥った際に救ってくれた謎の男・バトラカ(林泰文さん)ともこの時期に知り合い、弟分のような存在として組織に迎え入れます。家族も国も失ったベキでしたが、生まれ持ったカリスマ性と正義感で同志を増やし、遂には祖国日本に見放された孤児たちを守るべく巨大組織「テント」を創り上げたのです。「テント」の旗印には、自ら捨て去ったはずの乃木家の家紋が刻まれていました。それはベキが「孤児を救う」という使命の裏に、自分から全てを奪った日本への復讐心を秘めていることの象徴でもあります。

ベキの壮絶な過去を知り、乃木は父の信念に複雑な想いを抱えます。テントは表向き義賊のような理想を掲げていますが、一方でテロ行為によって無辜の人々を傷つけてもいる事実に、乃木も視聴者も複雑な感情を禁じ得ません。しかし親子の情は否応なく存在し、乃木はベキに対し「自分もその理想の一翼を担いたい」と告げました。こうして一時は和やかに見えたベキと乃木でしたが、物語はここから一気に緊迫の展開へと雪崩れ込みます。

フローライト鉱脈の存在は極秘中の極秘でしたが、その情報が何者かによって外部に漏洩し、バルカ政府に察知されてしまいました。政府はテントの土地買収を妨害すべく動き出し、ノコルは「今まで漏れたことがない情報が、乃木が来てから漏れた」と疑惑の目を乃木に向けます。乃木は突然テント内で裏切り者扱いされ、別班からの潜入を疑われてしまいました。ベキもまた「憂助、お前が我々を欺いて別班としてここに来たのではないか?」と問い詰め、乃木に真実を答えるよう迫ります。やがて乃木は拘束され、同じく捕らえられていた黒須(松坂桃李さん)とともに地下の牢へ入れられてしまいました。

そこへテント幹部のピヨ(吉原光夫さん)が現れ、乃木に決定的な証拠を突きつけます。それは乃木が第7話で銃殺したはずの4人の別班メンバー(黒須を含む)が実は生存していることを示す写真や情報でした。そう、乃木はテント潜入のために仲間を撃ったものの、致命傷を避ける狙撃で生かしていたのです。この事実にノコルもベキも愕然とし、乃木への疑念が確信へと変わります。追い詰められた乃木は、もはや隠し通すことはできないと悟り、ついに震える声で白状しました。「私は…別班の任務としてここに来ました」――乃木の口から語られた衝撃の告白に、ベキは静かに「そうか」とだけ返答します。しかし次の瞬間、ベキは傍らにあった日本刀をスラリと抜き放ち、容赦なく乃木に斬りかかったのです

父に対しスパイであることを明かした息子、その息子を自らの手で斬ろうとする父…。そこで画面は暗転し、第9話は「衝撃的なラストシーン」で幕を閉じました。果たして乃木は無事なのか?父ベキの真意とは?視聴者は悲鳴にも似た興奮を味わわされ、最終回への期待を胸に一週間待つことになるのです。

感想

第9話を観終えてまず感じたのは、「これぞ日曜劇場の真骨頂!」という満足感でした。物語冒頭からベキと乃木の親子団欒(?)シーンが描かれましたが、赤飯を頬張る乃木を嬉しそうに見つめるベキの姿に、私もついほろりとさせられました。40年越しの再会を果たした父と息子が囲む食卓──一見すると微笑ましい場面なのに、どこか緊張感が漂っているのは背景にある壮絶な過去を知っているからこそ。堺雅人さんと役所広司さん、実力派同士の静かな対峙は画面越しにも圧倒されるものがありました。

中盤のベキの回想シーンでは、一気に物語の全容が解き明かされ、まさに「総集編」のような情報量でしたが、不思議と退屈せず引き込まれました。若きベキを演じた林遣都さんと高梨臨さん夫妻のシーンは愛にあふれていて、その後の転落がわかっているだけに胸が締め付けられます。公安に見捨てられ妻子を奪われたベキの無念や怒りがひしひしと伝わってきて、正直「ベキにも同情してしまう…」という気持ちになりました。とはいえ、テントが実行してきたテロ行為によって新たな犠牲者や孤児が生まれているのも事実なので、完全に彼に肩入れできない複雑さも残ります。この善悪のグラデーションを視聴者に感じさせるあたり、脚本と演出の妙ですね。

一方で、乃木が株取引で資金調達するシーンには少し驚かされました。緊迫のスパイドラマの最中に急に経済ドラマ的な講義シーンが挿入されたので、一瞬「今週は半沢直樹だっけ?」なんて思ってしまったほどです。乃木がホワイトボードを使って懇切丁寧に信用取引を説明し始めた時は、正直クスッと笑ってしまいました。しかしこれは制作陣からの遊び心あるサービスだと感じます。福澤監督と八津脚本家の黄金コンビらしい演出で、重たい展開の中にも視聴者へのエンタメ性を忘れない姿勢に好感が持てました。

ラストシーンは衝撃の一言。乃木が「別班の任務で来ました」と白状した瞬間、思わず「やっぱりそうか!」と声が出ました。crank-in.net第7話で乃木が黒須たちを撃った時点では「実は死んでいないのでは?」と予想していた視聴者も多かったと思いますが、まさにその通りの展開。それでも実の父に向かってスパイを名乗るシーンは鳥肌もので、堺雅人さんの覚悟を決めた表情と声の震えがリアルすぎて胸が痛くなりました。そして役所広司さん演じるベキの「そうか」という寂しげな呟きからの怒りの一刀!父としての愛情とテロリストの非情さ、その二面性が一瞬で表現されていて、最後の最後で度肝を抜かれました。テレビの前で「ちょっと待って、ここで終わり!?来週まで待てない!」と叫んだのは私だけではないでしょう。

全体として、第9話は感情のジェットコースターのようでした。親子の情愛にホロリとし、過去の悲劇に憤り、スリリングな疑心暗鬼にハラハラし、最後は絶望的な引きで茫然…と、一話の中で何度も心を揺さぶられました。それでも暗いだけでなく、乃木がベキに寄り添おうと奮闘する姿や、「テントは悪ではなく義賊なのかもしれない」という描写から希望も感じ取れる絶妙なバランス。「涙あり笑いあり、そして鳥肌あり」の神回だったと思います。まさにSNS上で「#VIVANT祭り」が開催されるのも納得の内容でした。

考察・解説

今回明らかになった数々の事実から、物語のテーマや伏線がより鮮明になってきました。まず注目すべきは、乃木が当初から別班の極秘任務としてテントに潜入していた点です。第7話以降、乃木の真意について「本当に裏切ったのか?それとも二重スパイなのか?」とネット上で考察合戦が繰り広げられていましたが、やはり乃木は最後まで祖国への忠義を捨てていなかったことが判明しました。となると、気になるのはなぜ乃木はあのタイミングで自白したのかということです。考えられる理由としては、ピヨに証拠を突き付けられもはや隠し通せない状況であったこと、そして何より父であるベキに対して嘘を重ねたくないという乃木の心情があったのではないでしょうか。乃木は幼い頃に離れたきり会えなかった父に再会し、彼の信念や苦しみを知る中で、たとえ敵対する立場でも正直に向き合おうと決意したように思えます。この葛藤と決断は、乃木というキャラクターの芯の強さと純粋さを物語っており、第9話最大の見どころでした。

一方、父・ベキの心理にも興味深い点が見られます。ベキは乃木に過去を明かし、自らの理念に共感させようとしていました。しかし内心では「乃木が自分たちを欺いているのでは」という疑念を完全には拭えていなかった。それゆえラストで真実が露呈した際、ベキは裏切られた怒りよりも悲しみと虚無感を帯びた表情だったように感じます。役所広司さんの一連の演技から伝わってきたのは、父としての愛情とテロリストの非情さとの間で揺れる複雑な感情です。日本に裏切られた過去を持つベキにとって、本来なら肉親である乃木と共に歩みたい思いもあったでしょう。それでも最終的に刀を抜いたのは、「組織の長」としての冷徹な判断が勝ったからに他なりません。ここに40年間培ってきたベキの信念の強さと、その裏返しとしての孤独が垣間見えます。ベキは乃木に「もう嘘はやめてくれ…」と哀願するように語りかけていましたが、その言葉には「どうか裏切っていないと言ってくれ」という父の願いも込められていたのではないでしょうか。そう考えると、このシーンは単なる敵味方の対峙ではなく、親子の愛憎劇として非常に切ない場面でもあります。

また、第9話のタイトルバックで印象的だった「あなたは7回撃たれた狼だ」という言葉についても考察してみましょう。この謎のセリフは本編中で直接的な説明はありませんでしたが、劇中の描写や考察サイトによるとトルコのことわざであることが判明しています。意味は「幾度も撃たれて傷ついた狼は、経験を活かしてその後も困難を乗り越えられる」というようなニュアンスです。これをベキに当てはめると、彼は国家に裏切られ妻子を失い命を狙われ…と7回撃たれたも同然の苦難を経験してきました。しかしその度に立ち上がり、今や巨大組織の長にまで登り詰めています。つまり「7回撃たれた狼」=ベキと捉えるのが自然でしょう。このことわざを呟いたのはおそらくベキの片腕であるバトラカで、尊敬するリーダーに対する賛辞のようにも思えます。バトラカは第8話で乃木に日本料理を勧めるなど、常にベキと乃木の関係を気遣う姿が描かれていました。彼にとってベキは兄のような存在でもあるため、何度傷ついても立ち上がるベキの生き様を称える象徴的なフレーズとしてこの諺を用いたのでしょう。物語全体を俯瞰すると、乃木もまた数々の危機を乗り越えてきた「撃たれた狼」でもあります。最終決戦に向けて、父と子それぞれの“狼”が最後の困難にどう立ち向かうかというテーマが、この言葉には込められているのかもしれません。

さらに考察ポイントを挙げると、テントの真の目的と「日本を最終標的にする理由」です。ベキは「もうすぐ全てが動き出す」と語っており、テントの悲願が近づいていることを示唆しています。フローライト独占や孤児支援は目的の一端に過ぎず、真の目的はやはり日本への復讐なのでしょうか。ベキが日本を仮想敵と定めた背景には、自身の過去だけでなく亡き妻・明美の無念も大きく影響しています。明美は獄中で「復讐を…」とベキに託して亡くなったとのことでした。つまりベキは愛する妻の願いを背負って、日本への報復を決意したのです。第9話までで描かれたテントの行動原理には“義賊”の顔と“復讐者”の顔がありました。その二面性がついに統合され、「日本という国そのものを標的にした、大規模な計画」が最終回で実行される可能性が高いと考えられます。例えば日本国内でのテロや重要施設への攻撃などが想定されますが、具体的に何を狙っているのかは最終話まで不明です。ただ、ベキが乃木に「お前はどちらの味方なのか」と迫るシーンから、乃木に日本か父親かの究極の選択を突きつけるような展開になることが予測されます。40年という歳月を経て交錯した父子の宿命が、最後にどのような決着を見るのか非常に興味深いですね。

最後に少しメタ的な部分ですが、『VIVANT』には「生きる」というテーマも底流にあると感じます。タイトルの“VIVANT”はフランス語で「生きている」という意味です。第9話までの物語で、生死の境をさまよったキャラクターが何人もいました。乃木は度重なるピンチを切り抜け、ベキもまた死んだと思われた所から「生きて」テントを作り上げました。黒須たち別班の仲間も撃たれながら生き延びています。こうした「生への執念」や「復活」は本作の重要なキーワードでしょう。特にベキ一家の悲劇では、亡くなった母・明美だけが戻らない存在です。ベキが最終目的を果たすことで彼女の魂が報われるのか、あるいは乃木が別の形で母の想いに決着をつけるのか…。命の物語としても、最終回でどんなメッセージが提示されるのか期待が高まります。

視聴者の反応

第9話放送直後から、SNSやネット掲示板には興奮冷めやらぬ視聴者の声があふれました。ポジティブな反応とネガティブな反応をそれぞれまとめてご紹介します。

ポジティブな声(好意的な反応)

  • 「展開がヤバすぎる!毎週驚かされて心臓が持たない(笑)」
  • 「父と子の再会シーン、涙なしには見られなかった…役所広司と堺雅人の演技力が凄い」
  • 「乃木はやっぱり裏切ってなかった!伏線回収最高で鳥肌立った」
  • 「ベキの過去エピソード圧巻。悪役と思ってたのに同情してしまう自分がいる」
  • 「ラストの引きが反則すぎ!『来週まで待てない!』って悲鳴あげちゃった」

ネガティブな声(否定的・批判的な反応)

  • 「テントを美化しすぎでは?テロで人を殺してるのに孤児救済で帳消しは共感できない」
  • 「株取引のシーン長すぎてテンポ崩れた…説明はほどほどで良かったかな」
  • 「情報量多すぎて頭パンクしそう。回想シーンで新キャラ一気に出ても覚えきれないよ」
  • 「野崎(阿部寛)が出てこなくて寂しかった。序盤の主役級だったのに蚊帳の外?」
  • 「最終回で本当に全部終わるの?まだ伏線あるし、1話で片付くのか心配…」

総評すると… 第9話は視聴者の間で絶賛の嵐となりました。特にラストシーンのインパクトは絶大で、Twitter上では「#VIVANTどうなんの」「#来週まで待てない」がトレンド入りするほど。「毎週予想を裏切る展開が最高!」と脚本を称賛する声や、「役者陣の演技合戦に痺れた!」といった賞賛が数多く見られ、ポジティブな反応が大半を占めています。堺雅人さんと役所広司さんの親子対決には「日本ドラマ史に残る名シーンでは?」という声もあり、視聴率以上に人々の心を掴んだ様子がうかがえます。

一方で、わずかながらネガティブな意見もありました。テロ組織であるテントの思想に対し「いくら孤児のためとはいえテロは許せない」という倫理的な批判や、説明シーンや回想が多かったため「情報過多で消化不良」と感じた視聴者もいたようです。また阿部寛さん演じる野崎が今回は登場しなかった点について「公安パートも見たかった」と残念がる声も見られました。さらに「あの展開で次回最終回なんて尺が足りるの?」という物語の完結を不安視する声もありました。ただ、そうした声も含めて「もっと観たい」「終わってほしくない」という作品への熱量の裏返しといえます。総じて第9話は興奮と称賛が渦巻く回となり、最終回への期待感をより一層高める結果となりました。

(ぜひ皆さんの感想もコメント欄で教えてください!同じシーンで興奮した方はSNSで共有して盛り上がりましょう!)

次回への期待

怒涛の展開で幕を閉じた『VIVANT』第9話。そのラストシーンから、最終回となる第10話への期待は否が応でも高まります。最大の注目ポイントは、やはり乃木とベキの直接対決の行方でしょう。ベキの振り下ろした刀は果たして乃木に命中してしまうのか、それとも間一髪で誰かが止めるのか…。公式の次回予告によれば、乃木は「父親としてのベキ」か「日本への忠誠」かという究極の選択を迫られるようです。40年もの宿命を背負った父子が下す決断とは一体どんなものなのか、想像するだけでドキドキします。

また、第9話で明らかになったテントの計画──「日本を最終標的にする」という衝撃の目的──が次回ついに実行に移されるはずです。ベキたちは具体的に日本の何を狙うのか?過去の台詞から推測すると、日本政府そのものや国家の中枢を揺るがすような大規模テロを計画している可能性があります。乃木はそれを阻止するために動くのか、それとも父の夢を理解し苦悩するのか…。一方で公安部の野崎守(阿部寛さん)や柚木薫(二階堂ふみさん)といった主要キャラクターたちも黙ってはいないでしょう。第9話では出番が少なかった彼らが最終決戦にどう絡んでくるのかにも注目です。特に野崎はベキの動向を追ってきた張本人ですから、最後に必ず現場へ駆けつけ乃木と再合流するはず。日本のエリート公安とテントの精鋭たちが真っ向から激突するシーンが見られるかもしれません。

そして忘れてはいけないのが、「VIVANT」というタイトルの真の意味です。作中ではまだこの言葉の由来が明示されていません。フランス語で「生きている」を意味するこのタイトルが、最終回でどんな形で回収されるのかもファンの間で考察が飛び交っています。もしかすると乃木が最後に発する言葉か、あるいは誰かの運命を暗示するキーワードになるのか…。第9話までに張り巡らされた伏線が全て回収されるとともに、このタイトルの謎が解ける瞬間も楽しみです。

さらに、第1話からさまざまな場面に映り込んでいた小さなヒント(例えばノコルが実は第1話に登場していた件など)が、最終回でもう一つ二つサプライズを用意していそうです。制作陣によれば「冒険には、まだ続きがあった」というキャッチコピーもあるようで、もしかすると物語は完結しつつも新たな展開を示唆するエンディングになる可能性も?視聴後には「続編希望!」の声がさらに高まりそうですね。

何より、多くの視聴者が願っているのは乃木憂助の幸せではないでしょうか。国家の任務とはいえ家族を裏切る形となった乃木が、最後にどんな選択をし、どんな未来を掴むのか。ベキとの親子関係は絶たれてしまうのか、それとも奇跡の和解があるのか…。次回は「40年の宿命が完結!」と予告されていますから、きっと涙なしには見られない感動のクライマックスが待っていることでしょう。

最終話は拡大スペシャルとのことで、視聴者としては全ての謎が明かされる爽快感と同時に、お気に入りのドラマが終わってしまう寂しさもあります。しかし物語がどんな結末を迎えようとも、『VIVANT』が提示してきたテーマ——「家族とは?正義とは?生きるとは?」——について、私たちは深く考えさせられるはずです。次回、画面の前でかたずを飲んで見守り、乃木たちの勇姿を心に焼き付けたいと思います。最終回、期待しかありません!

配信情報・視聴方法

『VIVANT』はTBS系日曜劇場枠で毎週日曜よる9時(第9話放送時はよる9時30分)に放送されました。地上波で見逃してしまった方やもう一度第9話を見返したい方もご安心ください。放送終了後から見逃し配信サービス「TVer」で最新話が1週間無料配信されています(※配信期間や視聴可能地域に制限がある場合があります)。また、本作はTBSが出資する動画配信サービスU-NEXTで独占配信されており、全エピソードを好きなときに視聴可能です。U-NEXTでは高画質で楽しめるほか、2023年12月からは福澤監督によるオーディオコメンタリー付き特別版も配信されており、制作秘話を聞きながら作品を堪能することもできます。

さらにNetflixでも2023年12月17日より『VIVANT』の全世界配信が開始されました。海外の方や日本国外に滞在中の方でもNetflixを通じて本作を視聴できます。Netflix版は字幕や吹替にも対応しており、グローバルな人気を獲得しています。国内外問わず、この作品の魅力が幅広い視聴者に届いているようです。

地上波での再放送や特別総集編の放送情報については、TBS公式サイトや番組SNSで告知される可能性があります。放送終了後も関連特番が組まれることがありますので、ファンの方は公式からの最新情報をチェックしてください。

視聴方法まとめ

  • 地上波:TBS系列(日曜21:00~)で放送終了。第9話は79分スペシャルとして放送。
  • 見逃し配信:TVer(無料、最新話限定で配信期間1週間程度)。
  • 定額配信:U-NEXT(全話視聴可能。31日間無料体験あり)。
  • 国際配信:Netflix(全話配信中。英語字幕など対応)。

※配信状況は記事執筆時点のものです。最新の配信状況は各サービスの公式情報をご確認ください。

関連グッズ紹介

ドラマの余韻に浸りつつ、『VIVANT』の世界観をさらに楽しみたい方に向けて、関連グッズや書籍もいくつか紹介します。

● 小説版『日曜劇場 VIVANT』(上・下巻) – ドラマの脚本を基にノベライズされた公式小説です。上巻は第1話~第5話、下巻は第6話~最終話の内容が収録されており、ドラマでは描かれなかった心情描写や細かな設定にも触れられています。著者は蒔田陽平さんで、完全オリジナルの本格派ミステリー小説として書き下ろされました。ドラマを見てから読むと新たな発見があり、逆に小説を読んでから映像を見ると理解が深まると評判です。価格も各巻1,100円程度と手に取りやすく、ドラマの復習や考察のお供にぜひどうぞ。

● Blu-ray & DVD-BOX(ディレクターズカット版) – 『VIVANT』全10話を収録したBlu-ray/DVDボックスも発売されています。2023年12月27日にリリースされた本商品には、未公開シーンを追加したディレクターズカット版も収録予定とのことで、テレビ放送では語られなかった細部を楽しめます。さらにTBSショッピングで購入すると堺雅人さんや阿部寛さんなど主要キャスト出演のスペシャルオンラインイベント招待など豪華特典付きです。高画質で何度でも視聴できるのはもちろん、メイキング映像や座談会などファン垂涎の特典映像も期待大です。年末年始に一気見したい方やコレクションしたい方にオススメです。

● オリジナル・サウンドトラック CD – 千住明さん作曲の劇伴を収録したOST(オリジナルサウンドトラック)CDも発売中です。重厚なメインテーマから緊迫感あふれるアクション曲、感動的なピアノ曲まで、本作を彩った音楽の数々を高音質で楽しめます。特にメインテーマ「VIVANT~旅立ち~(仮)」はモンゴルの大草原を想起させる壮大な曲調で人気があります。通勤通学のお供や読書BGMにもピッタリで、聞けば一瞬で『VIVANT』の名シーンが脳裏によみがえること間違いなしです。

● オリジナルグッズ(TBS公式グッズ) – TBSの公式オンラインショップでは『VIVANT』のオリジナルグッズが多数販売されています。例えば乃木家の家紋入りグラステントのロゴ付きハンドタオルなど、劇中アイテムをモチーフにした実用グッズはファン心をくすぐります。特に家紋入りグラスは、あのテントの旗印でもある家紋がデザインされており、自宅で乾杯すれば気分は別班隊員? 他にも、劇中スタッフが着用していたスタッフTシャツや、かわいらしいマスコットキャラ「ヴィヴァンちゃん」のぬいぐるみ、作品ロゴのアクリルキーホルダーなどバリエーション豊富です。さらに島根県(ベキの故郷)とのコラボで純米大吟醸酒まで限定販売されており、こちらは劇中にも登場する奥出雲のお酒を再現した逸品。年末年始にドラマ談議をしながら一杯やるのも良いですね。公式グッズはいずれも数量限定で人気商品のため、興味のある方は早めにチェックしてみてください。

以上、関連グッズやメディア展開も盛りだくさんで、『VIVANT』の盛り上がりはドラマ本編以外でも続いています。お気に入りのアイテムを手に入れて、ぜひあなた自身の「VIVANTコレクション」を充実させてみてはいかがでしょうか。

まとめ

第9話『激動の最終回前SP~真実への反撃開始!』は、その副題に違わず物語の核心に切り込んだ神回となりました。父ノゴーン・ベキの壮絶すぎる過去が明かされ、テントの真の目的が見えてきたことで、40年越しの宿命が一気に収束していく様は圧巻の一言です。親子の愛情と裏切りが交錯するドラマティックな展開に心を奪われ、ラストの斬撃シーンでは思わず息を呑みました。個人的な評価を★で表すなら、星4.5/5を贈りたいところです(残り0.5は最終回への期待に取っておきます…!)。

涙あり驚きありの第9話を経て、いよいよ次回は最終回。乃木は「父か、日本か」という究極の選択にどう向き合うのか、テントと別班の戦いの結末は?物語がどんな完結を迎えるにせよ、『VIVANT』が我々に問いかけるテーマは色褪せないでしょう。最終回でもきっと想像を超える感動とサプライズが待っているはずです。“生きて”この物語を見届けよとのメッセージを胸に、最後まで画面にかじりつきたいと思います。

皆さんは第9話をご覧になってどう感じましたか?ぜひ感想や考察を共有してください!最終回まで目が離せない『VIVANT』、引き続き一緒に盛り上がりましょう。そして、まだ観ていない人にもこの熱狂を伝えるために、SNSでこの記事をシェアして頂けると嬉しいです。次週、最高のフィナーレを迎えることを信じて…引き続き「VIVANT」を楽しんでいきましょう!

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morishy

職業:外資系ITサービス企業での技術職 趣味:読書、アニメ/ドラマ/映画鑑賞、スポーツ観戦、ゲーム、プラモなど 自己紹介: IT企業で技術職で働いており、新しいものについて比較的興味を持ちやすい体質です。最近は読書やアニメ、ドラマを中心とした動画鑑賞にどっぷりはまっており、作品の良いところを中心に紹介したいと考えて立ち上げました。 好き嫌いがない性格なので、結構幅広く作品を鑑賞しているので、皆さんの今後の読書や動画鑑賞に活かしてもらえるような情報提供ができれば幸いです。

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